ミステリ読書録

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七尾与史/「ドS刑事 朱に交われば赤くなる殺人事件」/幻冬舎刊

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七尾与史さんの「ドS刑事 朱に交われば赤くなる殺人事件」。

人気番組「クイズマスター」で活躍するクイズ王・瓜生正夫が、喉を一直線にかき切られる残虐な
手口で殺害された。ライバルのクイズ王・阿南達郎にも「敗者に死を」と書かれた手紙が届く。
ドSで猟奇趣味の美人刑事・黒井マヤは、浜松から呼びつけた相棒の代官山脩介刑事、マヤに虐げ
られながらも「姫様」と呼んでまとわりつく浜田学刑事とともに捜査を開始する。やがて、阿南に
恨みをもつ元部下の伊勢谷良美が容疑者として浮上するが、彼女は同様の手口で殺害された認知症
の母親を残し、失踪。その自宅には「悪魔払い」を信仰するカルト教団の祭壇があった・・・。
ドS度200%アップで帰ってきた黒井マヤが、常に血だらけのドMな相棒を引きつれ、大好物の
「殺人現場」で大暴れする!(紹介文抜粋)


ドSな女刑事、黒井マヤの事件簿、第二弾です。確かに、私は前作でマヤのドS度が足りない、
みたいなことを書きました。多分、多くの人からそういう感想が作者の耳に入ったのでしょう。
その点では、かなりの改善点がありました。そう、マヤのドS度が前作とは比べ物にならない位
パワーアップしておりました^^;でも、そのSの方向性が間違った方向に行っていたような
・・・^^;
今回、それだけS度がフューチャーされた最大の原因は、今回初登場のキャリア警部補・
浜田学刑事の存在でしょう。彼のあり得ないレベルのドMっぷりに、マヤのドSな行動が
際立てられたのではないかと。これが、前作では常識人の代官山が相手だったから、Sっぽさ
が埋もれてしまっていたのでしょうね。そういう意味では、浜田刑事の登場は、大変シリーズを
盛り上げているのではないかと思われます。まぁ、読んでるこっちは痛々しいやら、変態的
な反応にドン引きするやら・・・。だんだん満身創痍になって、挙げ句の果てには・・・この先
はネタバレになるので書けませんが^^;しかし、結構これから重要な役になっていくのだと
思っていただけに、途中の展開はショックが大きかったです。まぁ、最後まで読んで、更に
驚かされましたけどね。あり得ないだろう!とツッコミつつ、ほっとしたってのが本音でしたが。
なんせ、次巻以降もこのシリーズが盛り上がるには欠かせないであろう存在ですからね。代官山
では、マヤのドS面を最大限まで引き立てられませんからね。それによって、浜田がどれほど
傷を負わされようとも、彼には頑張ってもらわないと(何気に、酷い発言(笑))。
でも、素人に親知らず抜かせるって、しかも麻酔なしって・・・アンタ、ほんとに東大か!?
とほんとツッコミたくなりました。普通やらせないだろー^^;怖っ。

マヤのSっぷりには満足したのですが、肝心の事件の方は、いまいち盛り上がりに欠ける真相で
拍子抜け。謎の明かされ方がぐだぐだなので、感心するポイントもないままに終盤まで行っちゃった
って感じでした。犯人の心理状態は全く理解出来なかったですしね。壊れた人間の心理なんて、
理解したくもないんですけど^^;あまりにも簡単に人を殺しすぎて、ぞっとしました。こんな
人間が身近にいたらほんと嫌になっちゃうよ。それこそ人間不信だよ(><)。
犯人自体もわかりやすかったですしねぇ。伊勢谷の母親の件だけは、意外でしたけど。

正直、マヤと代官山のシーンより、浜田刑事とマヤのSMコンビの応酬の方が面白かったです。
まぁ、そこに代官山が入ることで、いいストッパーになってるのかもしれないですが(でも、
大抵、ストッパーの役割も虚しく、やりすぎの悲惨な結果になってますけど^^;)。

ただねー、ミステリとしてのイマイチ感がどうにもし難いものがあって、次も読むかは微妙
ですけど・・・でも、結局好奇心に負けて読んじゃいそうな気もするな(苦笑)。