ミステリ読書録

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鯨統一郎/「笑う娘道成寺 女子大生桜川東子の推理」/光文社刊

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鯨統一郎さんの「笑う娘道成寺 女子大生桜川東子の推理」

夜ごとバーに集まるヤクドシトリオこと私立探偵の工藤とライターの山内、マスターの島。
そして、美貌の大学院生桜川東子とバーのアルバイトに入った歌舞伎好きの坂東いるか。焼酎の
つまみに語られるのは、往年の銀幕スターへの思慕と、巷を賑わす未解決事件。トリオの頓珍漢な
推理を尻目に、いるかが事件と歌舞伎との類似点を指摘すると、すかさず東子が新解釈で名推理を
披露!鯨統一郎のバー・ミステリ第4弾! (あらすじ抜粋)


シリーズ第四弾・・・だそうで。ヤクドシトリオの作品、もっとある気がしてたけど、そんなもん
なんですね。
今回は、初登場の女の子キャラが登場。その名も坂東いるかちゃん。普通のOLさんでしたが、
一話目でいつものバー<森へ抜ける道> にやって来て、ヤクドシトリオと東子さんの推理合戦
に参加してから、味をしめたのか、このバーで毎週金曜だけバイトすることに。このいるかちゃん、
なかなか楽しいキャラで、いつものメンバーに華を添えてくれてます。いるかちゃんが、だんだんと
マスターのしょうもないボケに対する耐性がついてきて、スルーする術を身に着けて行くところが
面白かったです。工藤のそのあたりのツッコミも楽しかったですね。

今回は、歌舞伎好きのいるかちゃんと、歌舞伎を最近研究し始めた東子さんの影響で、いつもの
懐かしネタにプラスして、実在の事件と歌舞伎の演目を絡めて事件を推理するパターンで毎回構成
されています。まぁ、いつものことですが、推理は結構強引です(苦笑)。でもまぁ、この辺は
笑ってやり過ごすのが鯨作品の良い読者(笑)。

そして、今回毎回出て来るお酒は、いろんな都道府県の焼酎。お酒が好きな人なら、きっと
わかるんだろうなーって名酒がたくさん出て来ます。相方がお酒好きなんで、いちいち「このお酒
知ってる?」って聞いてみたら、半分くらいは知ってるって言ってました。まぁ、半分知らない
ってことは、それなりにマニアックなお酒も登場してるのかもしれません(私は全くお酒が飲めない
体質なので、さっぱりわかりませんが^^;)。

歌舞伎に関しても全く知識がないので、出て来る演目はさっぱりでしたね~^^;その辺りは
マスターとおんなじレベル(笑)。多分、観に行ってもぐーすか寝ちゃいそう(笑)。

ミステリとしてよりは、ヤクドシトリオの不毛な会話を楽しむ作品だと心得ているので(笑)、
今回も十分楽しく読めました。
ただ、残念なのは、懐かしネタが、ちょっとヤクドシトリオとは年代がずれているせいで、
あんまりピンと来ないところ。今50歳代以上の人なら「わかる、わかる!」って感じなんじゃ
ないのかなー。


しかし、確か前のお話で工藤と東子さんって付き合うことになったんじゃなかったっけ?
・・・とか思って、自分の記事読み返してみたら、あれは邪馬台国はどこですか?
シリーズの宮田と静香の話でした^^;知らない間に、2つのシリーズ混同してたみたいです^^;
工藤と東子さんが付き合うことはなさそうですねぇ・・・。そういえば、静香と東子さんが
バッティングするお話もありましたね。だから余計に混乱したのかも・・・すみません^^;