ミステリ読書録

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三津田信三/「のぞきめ」/角川書店刊

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三津田信三さんの「のぞきめ」。

辺鄙な貸別荘地にバイトに来た若者たち。彼らは禁じられた廃村に紛れ込み恐怖の体験をしたあげく、
次々怪異に襲われる。そこは「弔い村」の異名をもち「のぞきめ」という化物の伝承が残る、
曰くつきの村だったのだ…(紹介文抜粋)。


三津田さん最新作。刀城言耶シリーズではなく、三津田シリーズの方ですね。序章読んで、
相当怖そうだぞ、とかなり身構えて読んだのですが、怖さは思った程でもなかったかな~。
いや、夜中に一人で読んでいたら、もっと怖かったかもしれませんが^^;表紙からし
怖いですもんね^^;相方が表紙見てめっちゃ怖がってましたから(笑)。ずっとみてると、
トラウマになりそう^^;三津田さんの表紙って、なんでこう怖いんですかね、いつも^^;
このイラストの方って、絢辻さんの『Another』の表紙描かれた方だと思うんですけど・・・
違いますかね?

内容は、梳裂(すくざ)山地の山間にある、侶磊(ともらい)村という呪われた村を
訪れた二人の人物が書いた体験談を元に、語り手の『僕(三津田)』がその怪異の謎に
独自の解釈を与える、というもの。
侶磊村は、別名『弔い村』とも呼ばれる曰くつきの村。訪れた者に様々な怪異が起きます。
二部構成で、前半は大学四年の利倉成留が夏休みの間に同村でバイトした時の体験談、
後半は、それより50年前、民俗学者の四十澤想一が同村の出身者である友人の死を
知り、弔いの為に同村を訪れた時の体験談が綴られています。
共通する怪異は、同村に伝わる『のぞきめ』の存在。ありえないような狭い場所から覗かれる
気がしてしまう、視線の妖怪といったようなもの。怖い話とか読むと、後ろを振り返るのが
怖くなる時ありますよね。誰かに覗かれてるような気になるというか・・・。そういう時の
『怖さ』を存分に味わえる作品じゃないでしょうか。『のぞきめ』に憑かれた人は、最終的に
視線の怖さに耐え切れず、気が触れてしまう。そして、『のぞきめ』の怖いところは、その
恐怖が伝染するところ・・・。なんか、自分で記事書いてて、怖くなってきた^^;読んでる時は
そうでもなかったのに(><)。

完全にホラーよりの作品なのかな、と思いきや、ラストでしっかり不可解な怪異に論理的な解釈
が下されます。全部が全部すっきりした訳ではないのですが、特に第二部で起きた怪異に関して
はほとんどがすっきり解明されていて、あっと言わされました。全く予想外の解釈だったので・・・。
きちんと伏線が貼られているところはさすが。巡鈴堂を祀る祠に入っていたモノに関しては特に、
驚かされましたね~。しかも、その後の展開にも唖然・・・。後味は悪くなかったですけど。




以下、ちょっとネタバレ。未読の方はご注意願います。












ただ、第二部での怪異がすっきり解明されたのに対して、第一部に関しては結局ほぼ謎のまま。
時系列的に考えると、第一部の方が後の出来事になる訳で、論理的に解明されたかと思いきや、
やっぱりあの村は呪われた村だった・・・って結論になる訳で。この辺りの、ホラーとミステリ
のさじ加減が三津田さんらしいなぁと思いました。結局、何かしらの怪異は残るんですよね。
和世や勇太郎の死の真相も結局わからないままですしね。事故死は事故死なんでしょうけど・・・。
あと、結局第一部で活躍した拝み屋の女性の正体もわからないままですね。四十澤夫人という
説は、三津田本人の解釈から否定されているし。特に関係者とは関係のない人物ってだけだった
のかな。ちょっと面白いキャラだったので、今後もどこかで登場しそうですけどね。














今回も、ホラーとミステリの絶妙な融合具合で、なかなか楽しめる一作でした。怖い話が
苦手な方は、ちょっと注意が必要かも?
読んだ後、誰かに覗かれてるような気がして背後を振り返るかも・・・ひょえー(ToT)。