ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

読了本三冊。

どうもどうも。ご無沙汰致しました。
相変わらずブログを書く時間がなかなか取れない毎日が続いております。
前回描いたしをんさんから三冊読みましたので、さくっとご紹介しておきます。
一冊づつ書けないのが残念ですが^^;
しかも、うち一冊はすでに手元に本がないのでうろ覚えの感想ですみません^^;
ちなみに、しをんさんの前に百田尚樹さんの本屋大賞『海賊と呼ばれた男』の上巻を
読んでおりますが、こちらは後編を読んでから、まとめて記事にしたいと思っております
(現在下巻は相方が読んでるところ)。


ではでは、読了本は以下の三冊。

原田マハ『ジヴェルニーの食卓』(集英社
初めまして、の作家さんです。『楽園のカンヴァス』で一躍有名になられた方ですね。
『楽園~』は美術ミステリーということで私も気にはなっていたのですが、なんせ
予約数がすごいんで、今更予約するのもな~と思っていたところ、新刊情報でこちらを
キャッチ。タイトルからしてこっちも美術関係の作品だろうと思って、予約してみました。
美術大好き人間で、特に印象派好きの私としては、非常にツボにはまった一冊でした。
実在の作家と関わりのあった周辺人物が語り手に据えられた美術小説。もちろん内容は
フィクションなんでしょうが、実際の史実をかなり元にされているのではないかと思える
内容でした。有名画家の当時の生活がリアルに再現されていて、意外な素顔を偲ぶことが
出来ました。出て来る作家はマティスセザンヌドガ・モネと、当時の偉大な作家が
ズラリ。セザンヌが、当時の若手の画家たちにとても評価され、慕われていたのが少し驚きだった
かな。日本にももちろんセザンヌファンは多いけれど、他の印象派の画家たちに比べて
少し地味な存在って印象なので。個人的には画家たちを支えていた画廊の主人・タンギー爺さん
の温かい人柄がとても好きでした。有名な画家たちが彼を描いた作品が多分あると思うので、
いつか生で観てみたいな。モネのお話も好きでした。ジヴェルニーのモネの家は実際観に
行ったことがあるので、その時の思い出を思い返しながら読んでました。またあの素晴らしい
モネの庭を観に行ってみたいなぁ。


日明恩『やがて、警官は微睡る』(双葉社

※ 若干ネタバレあります。未読の方はご注意を!





本当に久しぶりの武本シリーズ。このシリーズは好きなんですが、いつも内容がちょっと
回りくどいというか、だらだら長いイメージがあるんですよね。そして、本書もそれに
近い感想をやっぱり抱いてしまいました・・・。武本と潮崎のキャラは相変わらず好きだった
のですけれども。どうも、ページ数の割に中身がだらだらしているというか、中だるみする
感じは否めなかったです。
それに、犯人グループと武本の直接対決っていうのがほとんどなく、犯人たちは武本の
知らないところで勝手に仲違いして自爆しただけっていうのが何ともお粗末というか・・・。
あれだけ風呂敷広げた割に、こんなあっさり解決!?って感じで、かなり拍子抜けの結末でした。
竹本が早い段階で満身創痍になっちゃったから、あまり動かせなかったせいかもしれませんが。
それにしても、もうちょっと警察小説としての見どころを作っても良かったんじゃないのかなぁ。
潮崎が将来の警察機構への思いを述べるシーンも、青臭すぎて若干引いてしまった^^;いや、
彼のような熱い警察官が必要なのは確かなんですけどもね。
あと、犯人グループが必死で取り返そうとしていた『思い出』ですが。そもそも、一体誰が
いつ、金庫に移していたんでしょうか。まぁ、おそらく金庫の暗証番号を知っている西島以外の
二人のどちらかなんでしょうが(安村か竹内)。そこは省かずにきちんとその場面を書いて
欲しかった。その『思い出』の回収も引っ張った割にあっけなく成功してたしなぁ。
あと、双子のキャラの扱いもちょっと・・・。あんなに意味深なキャラ作っておいて、さして
武本と対面することもなくあっさり退場って・・・^^;もっと壮絶なバトルが繰り広げられると
思っていただけに、ほんとに肩透かしって感じでした。あんなに残虐なキャラにする必要性が
あったのやら。なんか、どうもキャラの扱いが中途半端だよなぁと思いました。
まぁ、今回武本のお見合いシーンという、世にも稀有な場面が見られたのだから、それでよしと
するべきですかね(苦笑)。武本の誠実過ぎるキャラクターは相変わらず好感持てましたしね。


北山猛邦『人魚姫 探偵グリムの手稿』(徳間書店
そのものズバリ、『人魚姫』の後日譚。人魚が泡となって消えた二日後、王子が何物かによって
殺害された。泡となって消えた妹の潔白を証明する為、姉の人魚がアンデルセン少年とグリム姉弟
の末弟と共に事件の謎を解く、というファンタジー+ミステリー。
なかなか面白かったです。ただ、肝心のミステリーの真相は、もうちょっとひねりがあって
欲しかったところでしたが。米澤さんの『折れた竜骨』と比べると、全体的に薄味かなぁ、と。
犯人も意外性はゼロでしたしね・・・。
ただ、児童書っぽい体裁で読みやすかったのは良かったかな。アンデルセンとグリム青年の
コンビは好きでした。アンデルセンは、この事件がきっかけで作品を書き始めることになったのかな。
彼らのその後ももう少し読んでみたいですね。しかし、ルードヴィッヒもいなくなっちゃって、
セレナはこれからどうやって人間界で生きて行くんですかねぇ。



全く違ったタイプの三冊でしたね。原田さんの作品は他にも読んでみたいですね。
最近また予約本ラッシュなので、どんどん読まなくては^^;