ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

読了本三冊。

どうも、こんばんは~。
いやー、巷はすっかり秋ですね。寒いのが苦手なワタクシとしては、だんだんと
辛い季節になって参りました。
それにしても、今年は台風が多いですね。しかも、10年に一度とかいう、特大級の
台風が。連日の大島のニュースを観ては、心が痛みます・・・。これから来るという
27、28号の大型台風で、更に被害が広がったりしなければ良いのですが・・・。
みなさまもどうか、お気をつけて。


さて、読了本の方は三冊。先週は新居披露のお食事会などのイベントがあった為、準備で
いろいろと忙しくて、ほとんど読書が出来ない日々が続きました^^;一冊目の白戸君は、読んだの
かなり前・・・当然、すでに手元には本がない訳でして。ざっくりした感想になってしまうと
思います。すみません^^;
二冊目の曽根さんは、実は相方が借りて来たもの。新刊入荷した時点で気になっている
作品ではあったのですが、たくさん予約本を抱えていたのでとりあえずスルーしていたんですよね。
でも、相方がひょっこり開架で借りて来まして。新刊なのにラッキーでしたね~。
面白かったというので、私も便乗して読むことにしました。三冊目の小野さんは、以前から
気になっていたので、開架で見つけて借りてみました。実は読み始めたのは白戸君より先
だったのですが、予約本優先で読んだために結局読了までにかなり時間がかかってしまいました^^;


では、簡単に各作品の感想を。


大倉崇裕「白戸修の逃亡」
お人好しのトラブルメイカー、白戸君シリーズ第三弾。このシリーズ大好きなので、久しぶりに
白戸君に再会出来て嬉しかったです。相変わらず、あり得ない位のお人好しっぷりを遺憾なく
発揮してくれちゃっております。いや、そこ怒っていいとこだよ!?って何度言いたくなった
ことか^^;今回は、爆破予告の犯人に仕立てあげられて、中野の街中を逃げまわる羽目に。
なんで、こんなに理不尽なことで関係ない白戸君が追い掛け回されなきゃいけないんだー!?って、
そこからしてイラっとしたのですが。しかし、白戸君、どんな理不尽な状況下に置かれても、
他人への気遣いの方を優先しちゃうのだから、ほんとに筋金入りのお人好し人間ですよねぇ。
こんなんで、これからほんとに世の中渡って行けるのか・・・と心配になる程。
でも、今回は、今まで白戸君のお人好しのおかげで助けられて来た人々が、ピンチの白戸君に
恩返しとばかりに手を差し伸べます。やっぱり、人間、良いことはしておくものですね。
正直、出来すぎだろ、と思わないでもなかったけれど、次から次へと今まで出て来た
登場人物たちが、自らの危険も顧みず白戸君を助けようと行動するところに胸が熱くなりました。
みんな、なんだかんだでお人好しの白戸君が大好きなんですね。恩義も感じていたのだろうなぁ。
残念だったのは、前二作の内容をすでにすっぱりと忘れている為、過去の登場人物が次々出て
来ても、ほとんど覚えてなかったところ^^;もう一度一作目から読み直したい・・・。
フィギュアおたくの宇田川だけは覚えていたのですけどね(他の作品にも出てるキャラ
なので)。
それにしても、ネットの力って恐ろしい。ツイッターFacebookの流通で、本書の白戸君
のようにリアルタイムで自分の情報が流れてしまうということが、普通に起こり得るのですから。
一昔前なら、白戸君だって簡単に逃げ切れたでしょうね。
まぁ、何にせよ、今回は今までの白戸君の善行が報われて良かったです。


曽根圭介「殺し屋.COM」
曽根さんの作品は久しぶり。新刊出たのも久しぶりだとは思いますけど。こちらも、ネットの
普及がここまで犯罪を助長するのか!と空恐ろしくなる作品。
殺人を依頼したい人間がネットオークションにターゲット情報を出し、それを殺し屋たちが
落札するまで値段を競い合い、落札した殺し屋がターゲットを期限内に殺さなければならない
という、なんとも荒唐無稽な、でもいつ現実になってもおかしくないような設定のお話(説明が
下手ですみません^^;;)。
一話完結で、いろんな殺し屋が出て来るのですが、ラストまで読むとある仕掛けがあることが
わかります。ラストの一作であっと言わされましたね~。あー、ここに繋がるのかーー!!と
驚かされました。その部分に戻って読みなおしちゃいましたもん。確かに、最初読んでた時、
その作品には腑に落ちない感じが残ったんですよね。ある部分でもやっとするというか。でも、
最後まで読んで、そういうことかぁ、と溜飲が下がりました。一作一作もそれなりにオチが
あって面白いのですが、やっぱり、一冊通して読むと面白さが倍増すると思いますね。絶対に
順番通り読んだ方が良いと思います。
この上もなく後味も悪いし、気違いじみたイヤな人間しか出て来ませんが、ミステリとしては
なかなかの良作なのではないでしょうか。ミステリ好きさんに是非オススメしたい一冊ですね。


小野不由美残穢
当然フィクションなのでしょうが、語り手が著者自身であるかのような一人称のルポルタージュ
形式で書かれている為、もしやノンフィクションなのでは、と疑いたくなるようなリアルな作品。
途中で実在のホラー作家仲間の名前なども具体的に出て来るし。
あるマンションの部屋で起きた怪異について調べて行くと、どんどん違う怪異にぶち当たって
行き、次から次へと恐ろしい事実が浮き上がって来る。丁寧に描かれている分少々単調で、
途中で飽きて来た部分もあったのですが、怪異の行き着く先がどうなるのか気になって、
結局最後まで読み通してしまいました。一人で読むと、さすがにゾクゾク背筋が寒くなりました
ね。ただ、かなり全体的に淡々とした筆致で書かれている為、思った程には怖くならなかった
んですよね。多分、ルポルタージュという形ではなく、完全にホラー小説の形式で書かれて
いたら、もっと怖かったんじゃないのかなーと思いました。
怨みを伴う死が穢れとなってその土地に残り、その怨みの残滓(=残穢)に触れた人間が他所に
移ることで、次々とその残穢が新たな土地に飛び火する・・・。何も曰くがない土地でも、残穢
を抱えた人物がそこに入っただけでそこに怪異が伝染し、穢れた土地になってしまう。これは怖い
ですね~。自分がいつ、どこでその怪異に触れるかわからないのですもの。自分がそれに触れて
しまったら・・・。うう、ぶるぶる。新居に移って今のところ特に怪現象とかに遭ってないから
良かったですが・・・。床下から赤ちゃんの泣き声とか聞こえてきたら、ほんと勘弁です・・・(><)。
といっても、私は霊感が全くないらしく、今まで幽霊とか怪現象とかに遭ったことがないの
ですけどもね。ラストにオチらしいオチがなかったのがちょっと残念ではありました。なんとなく
なし崩し的に終わった感じだったんで^^;でも、こういう形のホラーもありだな、と思いました。
次はこれと対になって出た『鬼談百景』の方も読んでみたいですね。




と、こんな感じの三冊でありました。
現在、万城目学さんの新作が回って来ているのですが、いまだに引き取りに行けず。
しかも、時代物な上にページ数がかなり多いみたいなんで、借りても二週間で読み切る自信が
全くないのですが・・・。記事にならなかったら挫折したんだなーと思って下さい(^^;)。