森晶麿さんの「名無しの蝶は、まだ酔わない 戸山大学<スイ研>の謎と酔理」。
推理研究会めあてに戸山大学に入った蝶子。だがうっかり酔いの追究が目的の〈酔理研究会〉
なるサークルに入ってしまう。そこにいたのは不思議な雰囲気を持った幹事長で……。四季の
行事を通じて描かれる青春歳時記!(紹介文抜粋)
なるサークルに入ってしまう。そこにいたのは不思議な雰囲気を持った幹事長で……。四季の
行事を通じて描かれる青春歳時記!(紹介文抜粋)
森さん精力的に新刊を出されていますね。今回は、大学のとあるサークルを舞台に繰り広げられる
コミカルな連作ミステリー。大学が舞台とはいえ、黒猫と付き人シリーズのようなアカデミックな
要素は皆無。かなりおバカな作風で、全体的な雰囲気がモリミーっぽいなぁと思いながら読んで
ました。表紙もちょっとモリミー風(というより、中村佑介風といった方が正しいか)だし。
個人的には非常に楽しめました。この間読んだ『ホテル・モーリス』よりもツボに来た感じ。
何より、主役二人の関係がいい。ちょっと、黒猫と付き人に通じるものがあったりして。
二人の微妙な距離感が好きでした。ラスト一作では、思った通りのムフフ~な展開もありましたし。
神酒島先輩が何といってもカッコイイ!クールかと思えば意外と優しかったり、サークルで
バカやったり。いろんな面を持ってるだけに、掴みどころがないとも云えるけれど。
その神酒島先輩に振り回される主人公の蝶子のキャラも良かったです。酒蔵の娘だけに、
いろんな苦労を抱えていたりもするけれど、サークルの先輩たちにいいように振り回され
ながらも、なんだかんだでそれに付き合ってあげていて、良い子。幼い頃の華々しい過去を
持ちながら、それを鼻にかけるどころかかえって地味に生きようとする辺りも、健気で
好感が持てました。普通はもっと鼻持ちならない性格になったりしそうですけどねぇ。
コミカルな連作ミステリー。大学が舞台とはいえ、黒猫と付き人シリーズのようなアカデミックな
要素は皆無。かなりおバカな作風で、全体的な雰囲気がモリミーっぽいなぁと思いながら読んで
ました。表紙もちょっとモリミー風(というより、中村佑介風といった方が正しいか)だし。
個人的には非常に楽しめました。この間読んだ『ホテル・モーリス』よりもツボに来た感じ。
何より、主役二人の関係がいい。ちょっと、黒猫と付き人に通じるものがあったりして。
二人の微妙な距離感が好きでした。ラスト一作では、思った通りのムフフ~な展開もありましたし。
神酒島先輩が何といってもカッコイイ!クールかと思えば意外と優しかったり、サークルで
バカやったり。いろんな面を持ってるだけに、掴みどころがないとも云えるけれど。
その神酒島先輩に振り回される主人公の蝶子のキャラも良かったです。酒蔵の娘だけに、
いろんな苦労を抱えていたりもするけれど、サークルの先輩たちにいいように振り回され
ながらも、なんだかんだでそれに付き合ってあげていて、良い子。幼い頃の華々しい過去を
持ちながら、それを鼻にかけるどころかかえって地味に生きようとする辺りも、健気で
好感が持てました。普通はもっと鼻持ちならない性格になったりしそうですけどねぇ。
さて、その神酒島先輩と蝶子が在籍するサークルは何なのか、というとですね、その名も
<酔理研究会(通称スイ研)>。あくまでも<推理>ではなく、<酔理>です。酔理って何じゃい、
と私も読んでてツッコミを入れたくなったのですが、その実態は、只管『酔い』を研究し追求
するサークル。まぁ、単純に言ってしまえば飲みサークルなんでしょうが、そこらの
飲みサークルと一緒にしてしまうと、これはまた何やら違う感じなんですね。お酒が飲めない
私のような人間には、狂気の沙汰としか思えないようなイベントを夜毎開催しては、みんな
酔いつぶれて明け方には泥酔者の骸が死屍累々と・・・ひー(怖)。
ミステリ好きのヒロイン蝶子は、そもそも推理研究会に入りたくて戸山大学を受験したのに、
なぜか神酒島先輩に唆されて酔理研究会に入る羽目になってしまいます。なぜそんな蝶子が
間違って入部してしまったスイ研に居続けるのか。その理由はふたつ。ひとつは彼女がどんなに
お酒を飲んでも、絶対に酔わない特異体質だということ。これは、彼女が酒蔵の娘だということに
起因しているのですが、その詳細は本文参照。そして、もう一つは、神酒島先輩その人。多分蝶子は、
初めて会った時から先輩に仄かな恋心を頂いたのではないかと。なかなか本人がその気持ちに
気付かないので、じれったいことこの上なかったですが(苦笑)。端から見ると、一目瞭然なん
ですけどね(苦笑)。
<酔理研究会(通称スイ研)>。あくまでも<推理>ではなく、<酔理>です。酔理って何じゃい、
と私も読んでてツッコミを入れたくなったのですが、その実態は、只管『酔い』を研究し追求
するサークル。まぁ、単純に言ってしまえば飲みサークルなんでしょうが、そこらの
飲みサークルと一緒にしてしまうと、これはまた何やら違う感じなんですね。お酒が飲めない
私のような人間には、狂気の沙汰としか思えないようなイベントを夜毎開催しては、みんな
酔いつぶれて明け方には泥酔者の骸が死屍累々と・・・ひー(怖)。
ミステリ好きのヒロイン蝶子は、そもそも推理研究会に入りたくて戸山大学を受験したのに、
なぜか神酒島先輩に唆されて酔理研究会に入る羽目になってしまいます。なぜそんな蝶子が
間違って入部してしまったスイ研に居続けるのか。その理由はふたつ。ひとつは彼女がどんなに
お酒を飲んでも、絶対に酔わない特異体質だということ。これは、彼女が酒蔵の娘だということに
起因しているのですが、その詳細は本文参照。そして、もう一つは、神酒島先輩その人。多分蝶子は、
初めて会った時から先輩に仄かな恋心を頂いたのではないかと。なかなか本人がその気持ちに
気付かないので、じれったいことこの上なかったですが(苦笑)。端から見ると、一目瞭然なん
ですけどね(苦笑)。
ラストの展開は、なんとなく予想はしていたので、やっぱりそうだったのかぁ~と、ニヤニヤ
しちゃいました。
ミステリ的には微妙な作品も多かったけど、ラスト二編はやられた!感もあって面白かった
です。
しちゃいました。
ミステリ的には微妙な作品も多かったけど、ラスト二編はやられた!感もあって面白かった
です。
ちなみに、スイ研メンバーたちが飲む時の掛け声
――すい、すい、すいすいすいすい、酔えば素敵な理(り)が見える
――すい、すい、すいすいすい研、飲めばあなたも理が見える
いろんなお酒が出て来るので、飲むのが好きな人は楽しいかも。
下戸の私は、読んでるだけで酔った気になりそうでした(苦笑)。
下戸の私は、読んでるだけで酔った気になりそうでした(苦笑)。