ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

薬丸岳「その鏡は嘘をつく」/三上延「ビブリア古書堂の事件手帖5~栞子さんと繋がりの時~」

どうもこんばんは~。
春ですね~。桜も開花しましたし、今日明日辺りで一気に見頃になりそうですね。
私も来週のお休みには相方とお花見に行こうかな~などと話しております。
それにしても月日が経つのは早いですね。今年ももう三ヶ月が経とうとしているとは。
ぼけぼけしているうちに、あっという間に夏になっちゃいそうです^^;


今回も二冊読了。相変わらずペース遅いですが、なんとかかんとか予約本を消化
しているところです。この間ようやく予約が回って来たのに、予約本が重なって
結局一冊読めずに返す羽目になっちゃったのですけどね^^;


では、一冊づつご紹介~。


薬丸岳「その鏡は嘘をつく」(講談社
薬丸さんの最新長編。鏡に囲まれた部屋でエリート医師の死体が発見された。医師は、その
数週間前に電車内の痴漢容疑で逮捕されたが、嫌疑不十分で釈放されていた。それを苦にした
自殺だと処理されたが、検事の志藤は釈然としない思いを抱えていた。その傍らで、一人の
医学部志望の青年がひっそりと姿を消した。同じ医学部志望の彼の従妹は、いなくなった
青年を心配し、刑事の夏目に相談する。夏目は、独自の視点から青年の失踪とエリート医師
の自殺を結びつけるが――と、こんな感じ。
えっと、すみません、読書メーターで知るまで全く気付いてなかったのですが、これって
続編なのね^^;ついこの間ドラマ化された『刑事のまなざし』が前作だそうで。
いやー、ほんとにきれいさっぱり夏目さんのことを忘れていました・・・。結構好きな作品
だった筈なのになぁ(どこがだ)。夏目刑事と対立する志藤検事も前作で出て来て
来ていたのかなぁ。どうも、他の方の感想見てたら、初登場みたいな感じでしたが。
しかし、今回に限っていえば、存在感があったのは圧倒的に志藤検事の方だったような・・・。
ただ、どちらにより好感が持てたかといえば、それは当然ながら夏目刑事の方なのですが・・・
が、しかし、どうも全体的に夏目刑事の印象が薄かったなぁ。夏目刑事シリーズ、になるので
しょうけど、この作品だけ読んだら、全然シリーズものってわからないんじゃないかなー・・・
っていうのは、忘れた人間の言い訳にしか思えないよね・・・^^;;
まぁ、キャラのことを忘れていても、問題なく読めたからいいか。
事件の真相は、正直読んでいて気分のいいものではなかったですね。殺された人間を悪く
言うのは死者を鞭打つことだとは思うけど、この被害者に関しては言われても仕方のないことを
したのだと思う。もちろん、だからって殺されていいとは言わないけれど。それでも、こんな
人間が医師だったかと思うと、それだけで腸が煮えくり返る思いがします。自分の一番大事な
ものを自分自身の手で失わせようとするなんて・・・。本当に許しがたい人間だと思いました。
夏目刑事と志藤検事の推理対決みたいな構成は面白かったですね。志藤検事はどうも、優秀であるが
故に、自分の能力を過信しているような、自信過剰に感じる部分がちょっと鼻につきました。
続編を書いたということは、薬丸さんは夏目刑事のキャラを気に入っているのでしょうね。
今後また、夏目V.S.志藤の対決が見られるのでしょうか。
読みやすくて、ストーリーにぐいぐい引きつけられたのは間違いないけれど、薬丸さんならではの
司法や犯罪への鋭い切り込みみたいな部分では、ちょっと物足りなかったかな。


三上延ビブリア古書堂の事件手帖5~栞子さんと繋がりの時~」(メディアワークス文庫
大分待たされましたが、読み始めたらほぼ一気読みで読んじゃいました(苦笑)。この手の
文庫は読みやすくていいなぁ。
今回の目玉はなんといっても、栞子さんが前作のラストで大輔君に言われたことに対して
何と答えるのか、の部分じゃないですかね。最後まで引っ張るものだから、やきもきしましたよぅ。
しかし、この返事なんですがね。ラスト読んで、すごい違和感を覚えたので、冒頭に戻って
確認してみたんですが・・・すみません、私、一読しても全然理解出来てなかった・・・。
なんでプロローグとエピローグの場面が繋がってないんだろう、日付が違うんだろう、
作者が間違えたのかな、とさえ思ってしまいました・・・。またしてもネット検索で真相を
知る羽目になりました・・・あ、あほ過ぎる・・・。その直前で、智恵子が栞子さんに、ちゃんと
その時のことを話していたのに。いやー、まんまとしてやられちゃいました。しかし、いくら
母と娘が似ているにしても、これほど同じシチュエーションになるってあり得ないと思うん
ですが・・・。そこは、ちょっとさすがにツッコミたくなりましたけれどもね。
今回は、私の大好きなブラック・ジャックが取り上げられてとても嬉しかった。うちの実家
にもブラックジャックの単行本はあります(が、当時ちょっとした事情がありまして、後半の
半分しか揃ってないのですが^^;)。
何を隠そう、高校時代の私の理想の男性はブラックジャックでしたからね(笑)。あれほど
かっこよくて素敵な男性が現実にいる訳もないのだけれど(笑)。でも、私のブラックジャック
原点って、実はマンガではなく子供の頃に観た加山雄三(多分)がやっていたドラマなんですけど。
ご存知の方いらっしゃるかしら。子供ながらに、手術のシーンの映像とか、衝撃的で非常に
印象に残っています。
単行本に収録されていない作品もたくさんあるなんて、全然知りませんでした。単行本が
掲載順に収録されていないとかも。知らない事実がたくさん出て来て、『へぇ~~~』の
連続でした。もう、読んでいて無性に実家に帰ってマンガを読み返したくなりましたよ。
マボロシの4巻も読んでみたいなぁ。うちには後半の巻しかないから、残念ながら普通の
4巻すら読めないのが残念・・・今更だけど、古本屋巡りして揃えようかしらん。
エピローグの返事の場面最高でした。栞子さんの不安に対する大輔君の答えがまた、もう。
たまらん。こういう切り返しされたら、そりゃー、女性としては嬉しいですよね。
って、普通、こういうのって、女性が男性に言うセリフのような気がするけれど^^;;
やっぱり、栞子さんと智恵子は全然違う。栞子さんは、もっと大輔に頼ってもいいと思うな。
彼は、彼女のすべてを受け止めるくらいの器を持ちあわせていると思うからね。
最後の最後でまた一波乱の予感。暗雲立ち込める展開になりそうですが、二人で乗り越えて
欲しいですね。





今回はミステリー二冊。ここ最近はミステリーが多いかな。今月は、若竹さんに米澤さんの
新作が出たので、回って来るのがとても楽しみ。湊さんの新作も、ちょうど映画も公開
されますし、予約がすごいことになりそうですね。本日予約したけれど、何番目になるのやら。