ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

読了本三冊。

どうもどうも。GWまっただ中、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
IEがあんなことになったおかげで、Google Chromeからアクセスしておりますが、
下書きのブログの字が異様に小さくなってしまい、非常に使いづらいです・・・。
文字を大きくする方法ってあるんでしょうか・・・打ちにくいよぅ(涙)。

ワタクシめはGWは毎年長期連休になっていたのですが、残念ながら今年は普通に暦通り。
今週は見事な飛び石連休となっております。
ただ、明日からは当然四連休!久しぶりの連休なので嬉しいな~。
特に予定もないですけど^^;
そういえば、GW中にテルマエ・ロマエⅡ』を観て来ました。Ⅰをテレビで観たばかり
だったので(と言いつつ、全部は観れてないのですが^^;)、続けて観られて良かったです。
いやー、大いに笑わせて頂きました。阿部ちゃん、ローマ人に囲まれても全く違和感なかった
ですね(笑)。ほんとに、彫像のような肉体美が素晴らしかったです。二ヶ月かかって身体
作りをされたそうで・・・ハリウッド俳優のようだと思いました(笑)。
あとは、立川に出来たIKEAに行ってみたくらいかな。IKEAカード忘れて何も買わずに帰って
来たけど(何しに行ったんだ・・・)。
駅から近いからって駐車料金取ることにしたらしいけど、駅から歩くと意外と遠い(15分くらいだけど)。
まぁ、他のIKEAと比べたら確かに近いんでしょうけども。大量に買い物して、あの距離駅まで
歩くのは結構大変だよなぁ、と思いました。次は車で行こう・・・。


さて、読了本の方は今回は三冊。GW中も例年通りあまり読めてません。今回紹介する三冊は、ほぼ
GW前に読み終わったもの。すでに返却しちゃった本もあるので、さらっとご紹介。


滝田務雄「ワースト・インプレッション 刑事・理恩と拾得の事件簿」(双葉社
滝田さん最新作。今回も作風はゆるーいユーモア風。キャラもちょっとギャグっぽい。警察キャリアの
主役二人の対照的なキャラが良かったですね。理恩の女性らしからぬサムライ口調がちょっと・・・
いやかなり違和感ありすぎて最後まで慣れなかったけど^^;
作風はアホっぽいですが、ミステリ的には結構本格。本を返してしまったので、一作づつの感想が
書けなくて残念ではあるのですが^^;
それにしても、寒山拾得って、すごい名前だなぁ。親が漢文好きとかなんでしょうか(笑)。
自分の息子に拾得ってつけないよねぇ、普通。完全にDQNネームのような・・・。
ラスト一作の展開には非常に驚かされました。警察官がそれやっちゃダメでしょうに・・・。
まぁ、それがあったからか、続きがありそうな意味深な終わり方しているので、続編を構想に
入れているのかな、とも思えたのですけれども。
理恩と拾得の、噛み合ってるのか噛み合ってないのかよくわからないコンビが意外といい味出して
いたので、また続きを書いて頂きたいですね。


近藤史恵「さいごの毛布」(角川書店
人付き合いが苦手な主人公・智美は、大学を卒業して就職活動するも、すべて惨敗。ペーパーテストで
いくらいい点を取っても、面接で落とされてしまう。自信喪失していたところに、友人から住み込みで老犬
ホームの仕事をやってみないかと言われ、面接に向かう。晴れて採用されたものの、初めての仕事に
戸惑う智美だったが・・・。

老人ホームならぬ、老犬ホームが舞台のお仕事小説。老犬ホームって、実際あるのかな?と思ったの
ですが、あるらしいですね。リタイアした警察犬が余生を過ごすホームなんかは有名なのだとか。
一般の犬を受け入れる所もあるのでしょうね。
近藤さんは犬が出て来る作品がとても多いですよね。本当に犬がお好きなんだろうなぁ、と思います。
本書も、犬への愛情が随所で感じられる作品になっていると思います。飼い主が飼いきれずに、行き場の
なくなった犬たちがいることに対する憤りも。本書は、老犬ホームという施設を100%肯定して書いている
訳ではありません。犬たちにとっては、やっぱり飼い主の元で一生を終えるのが一番幸せなのは間違いない
のです。
それでも、飼い主も行き場もなくなった犬たちを受け入れてくれるこういう施設があったら。ここに依頼を
する飼い主たちには、様々な事情があります。自分の死を覚悟して、どうしようもなくなって依頼する人も
いれば、身勝手な理由で飼いきれなくなって依頼する人も。ただ、お金を出してきちんと飼い犬の最後を
考えてあげるだけ、そこらに放置するような人間たちよりはずっとまともだと思う。以前、マンガの影響で
シベリアンハスキーが流行った時に、流行に乗って飼ったはいいけど、流行が去った後に飼いきれなくなって
捨てられるハスキー犬がとても増えたというニュースを観た時、その身勝手さに本当に腹が立ちました。
結局、捨てられた犬たちの行く末は、誰かが拾ってくれない限りは、最終的には保健所しかない。そして、
大きくなりすぎた犬を拾ってくれる人なんて、そういる訳じゃない・・・。
もし、そういう時に、これに出て来る老犬ホームのような施設があったら。飼い主の選択肢もひとつ、増えて
いたのではないかと思う。まぁ、流行に乗って犬を飼うような人間は、結局高いお金を出すようなことは
しない気もするけれど・・・。
智美は、この仕事を通じて、いろんなことを学びます。他人とうまく向き合えなかった彼女が、仕事を通じて
少しづつ成長していく姿が丁寧に描かれていて、爽やかでした。ラスト、老犬ホームの麻耶子とある人物との
接点には驚かされました。智美とその人物とのわだかまりが、少しづつ溶けて行くと良いのですが・・・。
ペットに対していろいろと考えさせられる作品でした。私はペットを飼っていないけれど、もしいつか
飼うことがあるとしたら、ちゃんと最後まで面倒みられる人でありたいな、と思いました。ペットを飼う
ということは、その命に対して全部の責任を負うということなのですから。
犬好きさんにはもちろん、そうでない人にもオススメの一冊です。


桂望実「我慢ならない女」(光文社)
気むずかしく頑固な小説家のひろ江と、彼女を支える姪の明子の苦悩と成功を描いた書きおろし長編。
長編っていっても、『嫌な女』ほど分厚くないですけど。内容はなかなか濃かったですね。
売れない小説家が、姪の支えと共に少しづつ成功し、挫折し、再び栄光を掴んで行くまでが描かれて
います。
命を削るように作品を書くひろ江の執筆シーンは、鬼気迫るものがありましたね。ひろ江のキャラクターは、
好感が持てるとはとても言いがたかったのですが、小説に対する真摯な姿勢には頭が下がる思いがしました。
ラストの明子への本音からも、感謝していてもそれを表に出せない不器用な性格なのがわかりますし。
終盤にかけて、だんだんといい印象に変わって行きました。特に、みのるに一矢報いたところは、胸が
すかっとしましたね。正直、最初にひろ江がみのると男女の仲になった時も嫌悪感しか覚えなかったので。
なんでひろ江のような女性が、みのるのような男に簡単にひっかかってしまったのか、そこが一番理解
出来なかったなぁ。
ひろ江が売れなくなったら見限って、ベストセラー作家になったらまた何食わぬ顔で近づいて来て。
ほんっと、腹立つ男だなぁ、と思いました。ひろ江にプライドをズタズタにされて、いい気味だと思っちゃい
ました。ただ、明子が夫に対してした復讐に関しては、全然すかっとしなかったですね。ひろ江は褒めて
いたけれど、個人的には、事実を本人たちに突きつけて、とことんプライドを傷つけてやるくらいのことは
して欲しかった。結局、明子だけがつらい目にあっただけで、ちっとも復讐になっていない気がするのですが・・・。
あの旦那、二人が出会った時からいけすかない男だと思ってましたし。なんか、ひろ江も明子も、二人とも
男運が悪いですよねぇ。親戚だからって、そんなところは似なくてもいいのに(苦笑)。
途中挿入される作中作は、ラストで出て来る新作ってことなんでしょうね。実は、度々挟まれるこの作中作
がいまいち面白くなくて、読むのが苦痛だったんですが・・・。こういう形で断片的に挿入される必要性が
あったのかはちょっと疑問。勢いのある作品なので、この作中作によってそれが少し削がれていまうのが
残念に感じたので・・・。
ひろ江の命を削るように作品を書くところは、少し桜庭(一樹)さんを彷彿とさせるな、と思いました。
桜庭さんも、エッセイ読んでると、執筆の時のめり込みすぎて食べるのを忘れて体重落ちたりするらしい
んで^^;
桂さんもそういうタイプなのかなーとちょっと思ってしまいました。まぁ、作品にもよるのかもしれない
ですけどね。
最後に明子の献身がひろ江に通じていたのがわかって嬉しかったです。ちょっと面倒だけど、ひろ江に
とってはなくてはならない大切な存在になっていたのですね。もちろん、明子にとってのひろ江もそう
なのだけれど。二人の関係が良かったです。
ぐいぐい引きこまれて一気に読めました。面白かったです。




そろそろまた予約本ラッシュがやって来そうで戦々恐々としております・・・。GW中にもう少しスピードアップ
したかったところなんですが^^;
頑張って読まなくては。