どうもこんばんは。
昨日のスーパームーンを見逃して非常に悔しい思いをしております。
みなさま、ご覧になりました?せっかく晴れて綺麗に見えていたらしいのになぁ(涙)。
9月も今日で終わりですね。今年もあと三ヶ月かぁ。早いなぁ。
昨日のスーパームーンを見逃して非常に悔しい思いをしております。
みなさま、ご覧になりました?せっかく晴れて綺麗に見えていたらしいのになぁ(涙)。
9月も今日で終わりですね。今年もあと三ヶ月かぁ。早いなぁ。
読了本は今回も二冊です。
では、1冊づつ感想を~。
本多孝好「君の隣に」(講談社)
本多さん最新作。横浜のデリヘル(デリバリーヘルス)『ピーチ・ドロップス』を巡る
連作ミステリー。まさか、本多さんがデリヘルのような場所を舞台にされるとは、驚きました。
一作ごとに主人公が変わる連作形式ですが、共通して出てくるのは、『ピーチ・ドロップス』
の若き店長であり大学生の早瀬俊。彼は、理由あって進藤翼という小学生の女の子と暮らして
います。早瀬がなぜ大学生なのに風俗店の店長をしているのか、なぜ血縁関係のない少女と
暮らしているのか、その理由が一作ごとに少しづつ明らかになって行きます。
本多さんにしては、ハードな内容の作品でしたね。いろんな意味で。デリヘルが舞台
というのもそうなんですが、早瀬や翼が抱えているものにしても、その裏で起きている
事件にしても、その結末にしても。本多さんのいつもの爽やかな作風とは一線を画した作品でした。
特に、5話目の坂巻の章は結構読むのがキツかったなぁ。こういう結末にする必要があったの
だろうか、とも思ったし。少々気になる点も残されてましたし、ちょっともやもやしました。
最後の豊の章は唯一、本来の本多さんらしさが伺える作品だったかな。結末も含めて。
ただ、いろんな事実が明らかになる章でもあるのですが、すべてが明らかにされた
からといって、すべてがすっきりしたかというと、そうでもなかった。肝心の早瀬と翼の
内面描写がほとんど出て来なかったせいかもしれませんが。彼らに感情移入するには、少し
いろんな情報が足りなかったように思う。せめて、早瀬の章は作って欲しかった気がする。
早瀬の怒りや、ある人物への愛の深さは坂巻の章でわかったのだけれど、それがあの私刑に
繋がるっていうのは少しやりすぎな感じがする。その後、坂巻のアレはどうしたんだ、とか、
その辺りもぼかされたままでちょっと消化不良だったし。もちろん、本多さんは敢えて早瀬の章を
作らなかったのだとは思うのだけどね。
ただ、デリヘルに行く人、デリヘル嬢になる人、デリヘルを運営する人・・・それぞれに、
それぞれの事情を抱えていて、一概に風俗=悪って訳ではない実情をリアルに描いていることは
間違いないと思う。かといって、私自身にその手のものに対する偏見がなくなったって訳でも
なくて、やっぱり、嫌悪感は変わらないのだけども。それでも、そういうものにすがるしか
生きる術がない人もいるっていうのはよくわかるから。
でも、やっぱり自分の親がそういう世界の人間だったら、引け目を感じてしまうだろうなと思う。
翼はそういう意味では、すごい女の子だと思う。自分の母親がそういう仕事をしていたことを
知っていた上で、誰よりも愛して、誇りに思っているのだから。彼女がどんな大人になるのか、
とても気になります。彼女が大人になった時、その側に豊がいるといいな、と思いますね。
裏の世界を知っている早瀬よりも、健全な世界で生きて来た豊の方を選んで欲しいです。
早瀬は早瀬で、どうやってこれから生きて行くのか気になる存在ではありますけれど。
彼のキャラクターはちょっと惜しい感じだったな。もうちょっと書き込んでくれれば、
もっと気に入るキャラになったと思うんだけどね。
本多さん最新作。横浜のデリヘル(デリバリーヘルス)『ピーチ・ドロップス』を巡る
連作ミステリー。まさか、本多さんがデリヘルのような場所を舞台にされるとは、驚きました。
一作ごとに主人公が変わる連作形式ですが、共通して出てくるのは、『ピーチ・ドロップス』
の若き店長であり大学生の早瀬俊。彼は、理由あって進藤翼という小学生の女の子と暮らして
います。早瀬がなぜ大学生なのに風俗店の店長をしているのか、なぜ血縁関係のない少女と
暮らしているのか、その理由が一作ごとに少しづつ明らかになって行きます。
本多さんにしては、ハードな内容の作品でしたね。いろんな意味で。デリヘルが舞台
というのもそうなんですが、早瀬や翼が抱えているものにしても、その裏で起きている
事件にしても、その結末にしても。本多さんのいつもの爽やかな作風とは一線を画した作品でした。
特に、5話目の坂巻の章は結構読むのがキツかったなぁ。こういう結末にする必要があったの
だろうか、とも思ったし。少々気になる点も残されてましたし、ちょっともやもやしました。
最後の豊の章は唯一、本来の本多さんらしさが伺える作品だったかな。結末も含めて。
ただ、いろんな事実が明らかになる章でもあるのですが、すべてが明らかにされた
からといって、すべてがすっきりしたかというと、そうでもなかった。肝心の早瀬と翼の
内面描写がほとんど出て来なかったせいかもしれませんが。彼らに感情移入するには、少し
いろんな情報が足りなかったように思う。せめて、早瀬の章は作って欲しかった気がする。
早瀬の怒りや、ある人物への愛の深さは坂巻の章でわかったのだけれど、それがあの私刑に
繋がるっていうのは少しやりすぎな感じがする。その後、坂巻のアレはどうしたんだ、とか、
その辺りもぼかされたままでちょっと消化不良だったし。もちろん、本多さんは敢えて早瀬の章を
作らなかったのだとは思うのだけどね。
ただ、デリヘルに行く人、デリヘル嬢になる人、デリヘルを運営する人・・・それぞれに、
それぞれの事情を抱えていて、一概に風俗=悪って訳ではない実情をリアルに描いていることは
間違いないと思う。かといって、私自身にその手のものに対する偏見がなくなったって訳でも
なくて、やっぱり、嫌悪感は変わらないのだけども。それでも、そういうものにすがるしか
生きる術がない人もいるっていうのはよくわかるから。
でも、やっぱり自分の親がそういう世界の人間だったら、引け目を感じてしまうだろうなと思う。
翼はそういう意味では、すごい女の子だと思う。自分の母親がそういう仕事をしていたことを
知っていた上で、誰よりも愛して、誇りに思っているのだから。彼女がどんな大人になるのか、
とても気になります。彼女が大人になった時、その側に豊がいるといいな、と思いますね。
裏の世界を知っている早瀬よりも、健全な世界で生きて来た豊の方を選んで欲しいです。
早瀬は早瀬で、どうやってこれから生きて行くのか気になる存在ではありますけれど。
彼のキャラクターはちょっと惜しい感じだったな。もうちょっと書き込んでくれれば、
もっと気に入るキャラになったと思うんだけどね。
風俗の世界が舞台ですが、それほど性描写が入っている訳ではないので嫌悪感もなく
読み進めることが出来ました。ミステリーとしてよりは、風俗世界に関わる人々のリアルな
人間ドラマの方が読み応えがあったかな。
読み進めることが出来ました。ミステリーとしてよりは、風俗世界に関わる人々のリアルな
人間ドラマの方が読み応えがあったかな。
藤野恵実「猫入りチョコレート事件 見習い編集者・真島のよろず探偵簿」(ポプラ文庫
ピュアフル)
『ハルさん』の藤野さんの文庫新刊。図書館の新刊案内でタイトルを見かけて、面白そうだった
ので予約してみました。
地方の無料タウン情報誌『え~すみか』の若手編集者・真島は、取材先のお気に入りの猫カフェで、
お気に入りの店主から、お店の猫が一匹消えてしまったと相談される。猫を捜す手伝いを申し出た
真島の前に、チャイナドレスの美女が現れ、猫が消えた真相をたちまち推理してしまう。一体
彼女は何者なのか――?
猫にまつわるユーモアミステリ連作集。どうやら、このレーベルからは、この手の猫にまつわる
作品がいくつも出版されているようです。猫とミステリーは相性がいいですからねぇ。
内容は、ほんとに手軽に読める日常の謎系ユーモアミステリ。真島の話を聞いて、目の前に
提示された謎をあっという間に解き明かしてしまう書道家の胡蝶先生がいい味出してます。
毎回、その場にある液体(墨がない場合、醤油だのめんつゆだので代用するのです・・・ほんとに
書けるのかは謎ですが^^;)を使って老子(中国の思想家)の言葉を紙に書くところも
個性的で面白い(内容はさっぱりよくわかりませんが^^;)。
いつも無銭飲食しようとするのはどうかと思いますが・・・(毎回、その場にいる真島が払う
羽目になるという)。ある意味、安楽椅子探偵ものともいえるのかな。毎回胡蝶先生に足蹴にされ、
振り回される真島が気の毒になりつつ、可笑しいです。
毎回猫が出てくるので、猫好きにはたまらないのではないかな~。町で頻発している猫消失の
事件の解決は、次巻に持ち越しの模様。という訳で、第二弾の発売もすでに決まっているようです。
ミステリ部分はほんとにゆるいものばかりなので、このゆるゆるの空気を楽しむべき作品かな。
ちなみに、バークリーの『毒入りチョコレート事件』とは全く関係ありません(笑)。そして、
11月に出る予定の続編のタイトルは『老子収集狂事件』だそうです(笑)。図書館入るといいな。
ピュアフル)
『ハルさん』の藤野さんの文庫新刊。図書館の新刊案内でタイトルを見かけて、面白そうだった
ので予約してみました。
地方の無料タウン情報誌『え~すみか』の若手編集者・真島は、取材先のお気に入りの猫カフェで、
お気に入りの店主から、お店の猫が一匹消えてしまったと相談される。猫を捜す手伝いを申し出た
真島の前に、チャイナドレスの美女が現れ、猫が消えた真相をたちまち推理してしまう。一体
彼女は何者なのか――?
猫にまつわるユーモアミステリ連作集。どうやら、このレーベルからは、この手の猫にまつわる
作品がいくつも出版されているようです。猫とミステリーは相性がいいですからねぇ。
内容は、ほんとに手軽に読める日常の謎系ユーモアミステリ。真島の話を聞いて、目の前に
提示された謎をあっという間に解き明かしてしまう書道家の胡蝶先生がいい味出してます。
毎回、その場にある液体(墨がない場合、醤油だのめんつゆだので代用するのです・・・ほんとに
書けるのかは謎ですが^^;)を使って老子(中国の思想家)の言葉を紙に書くところも
個性的で面白い(内容はさっぱりよくわかりませんが^^;)。
いつも無銭飲食しようとするのはどうかと思いますが・・・(毎回、その場にいる真島が払う
羽目になるという)。ある意味、安楽椅子探偵ものともいえるのかな。毎回胡蝶先生に足蹴にされ、
振り回される真島が気の毒になりつつ、可笑しいです。
毎回猫が出てくるので、猫好きにはたまらないのではないかな~。町で頻発している猫消失の
事件の解決は、次巻に持ち越しの模様。という訳で、第二弾の発売もすでに決まっているようです。
ミステリ部分はほんとにゆるいものばかりなので、このゆるゆるの空気を楽しむべき作品かな。
ちなみに、バークリーの『毒入りチョコレート事件』とは全く関係ありません(笑)。そして、
11月に出る予定の続編のタイトルは『老子収集狂事件』だそうです(笑)。図書館入るといいな。