ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

読了本三冊、そしてレモン。

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どうもこんばんは。今年もついに残り二週間ほどですね。
みなさま、今年やり残したことなどありませんでしょうか。
私は、やり残したことというか、ほぼ何もやっていない一年だったような・・・(しーん)。
本は去年よりは読んでいるように思うのだけど、数えてないからまだ何とも。
年末ランキング考える時にはちゃんと数えなきゃ。なぜか、読書メーター
一年の読書数を数える機能がいつの間にかなくなっちゃったから、すごい面倒。
余計な機能いらないから、必要な機能は残してほしかったよ・・・(私が使いこなせて
ないだけか?)。


読了本は今回も三冊です。予約本消化に毎日必死です・・・。今日借りて来たのは、
年末休みが挟まって貸出期限が長いからありがたい。穂信や弔堂も回って来ているから、
なんとしてでも読みきらねば。


飴村行「粘膜黙示録」(文春文庫)
先日読み逃していたと気づいた粘膜シリーズ。
・・・かと思ってたんですが、コレ、飴村さん初のエッセイ集だったんですね~。
タイトルに『粘膜』がついているから、てっきりシリーズの最新作だったのかと
焦っちゃいました。
新刊情報で予約しそびれた理由も、随筆等の項目に入っていたからでしょうね。納得。
エッセイかぁ~と、若干テンション低めに読み始めたんですが、そこはやっぱり飴村さん。
めっちゃ面白かった。六本木の本屋のサイン会とトークショーでお会いした時も、
話がとにかく面白かったんですよね。話す内容もぶっ飛んでたりして。大笑いした記憶が
あります。エッセイもその語り口が健在で、何度も吹き出してしまった。
小説家になる前の経歴も面白くて、その当時の話がたくさん出て来ます。特に、工場の
ラインで働いていた時のエピソードがとにかく笑えます。ひとつひとつの出来事(事件)に、
教科書のごとくに、いちいちタイトルをつけるところも可笑しかったなぁ。巻末の、
『飴村に起こった事件』のおさらい年表を見るだけでニヤニヤしちゃいました(笑)。
普通に読んでると、飴村さんの言動ってほんとドン引きだったりするんですけどね。
本人悪気なく、結構悪いことをやりまくっているという(苦笑)。多分、私が同じ
職場にいたら、絶対好感は持ってないと思います・・・っていうか、嫌悪してると思う^^;
職場の風紀委員的人物に、喫煙所以外の場所で喫煙していたのはお前だと糾弾される
エピソードがあるんですけど、その真相とか、酷いですよ。喫煙所以外の複数の場所での
喫煙が認められて、そのうちの一つが飴村さんじゃないかと言われるんですけども、
実は、全部が飴村さんの仕業だったという・・・おい!その上、休憩室の冷蔵庫に
みんなが個人で入れている食べ物や飲み物も、勝手に飲み食いしちゃうし。飴村さんの中では、
会社の冷蔵庫=入っているものもすべて働いているみんなのもの=どれを飲み食いしても
良い、という図式が出来上がっていたらしい。どんだけ世間知らずなんじゃ(呆)。
どのエピソードも面白かったですが、一番笑ったのは、イタイ40男の工員、タノやんの話。
一度も女性と付き合ったことがないままその年になっているのに、なぜか自分は18~
22歳の健康で処女の女性と結婚出来ると断言する男。彼の上から目線の物言いが
可笑しくて可笑しくて。世間で言うところの、婚活失敗における典型例の条件と掲げているのに、
本人だけがそれに気づいていないという。その時から十数年過ぎた今、タノやんは一体
どうなっているのでしょうか・・・。まだ独身なんだろうな・・・(嘆)。
まだまだ面白エピソードがいっぱいありましたが(銀行口座サシオサエのくだりとか)、
この辺で(笑)。始めはちょっととっつきにくい文章かな?と思ったんですが、
読み始めると、すっかり独特の飴村節の虜になってしまった。
またエッセイ出して欲しいです。


有川浩「アンマーとぼくら」(講談社
すっかり出遅れてしまった有川さんの今年出た最新作。ようやっと回ってきました。
著者自らが帯で『最高傑作』と断言されていたようですが、個人的にはそこまで
気に入った作品って訳じゃなかったかなぁ。いや、とても良いお話なんですけども。
中途半端にSF的な要素が入っていたりするのがちょっと、個人的にはそんなに
好みじゃなくって。沖縄の情景や風俗習慣の描写なんかは、美しいし自分も旅している
ような気分になれて良かったのですけども。ただ、延々主人公が義理の母親と沖縄の
穴場の観光地を巡る描写が続くので、途中で若干中だるみする感じも。もちろん、
彼らが思い出の地を巡るには、それなりの理由があることで、ちゃんと意味があるの
ですけども。
あと、最初のうちは、とにかく主人公リョウの父親の言動がムカついてムカついて
仕方なかったです。母親を亡くしたばかりでショックを受けている子供のリョウの
前に、前触れもなくいきなり新しい母親を連れて来て、亡くなった母親のことは
早く忘れろ、と言わんばかりの言動を繰り返す。新しい妻ばかりを擁護して、
リョウの気持ちを慮ることなど一切しない態度には呆れ果てました。リョウが
可哀想でならなかったです。新しい母親の晴子がとても良い人で、素敵な人なのも
わかるのだけど。もうちょっと、幼いリョウの気持ちに寄り添ってあげれば
いいのに、と腹が立ちました。父親が、そうした態度を取った理由は、後に
わかるのですけどね。それでも、父親なんだから、そこは子供優先で考えるべき
だったと思う。ほんとに、亡くなった母親が言った通り、リョウの父親は
どうしようもなく『子供』だったんだと思いました。
父親が亡くなった理由も、彼が子供だからだったとしか思えない。彼の死因を
知って、納得しました。台風の時に、絶対やってはいけないことをしに行って
しまったのだから。常識ある人なら、それがダメだってことくらいわかる。
でも、台風で被害者が出た時、必ず一定数、同じことをして亡くなる人が
いる。常々、私は、なんでこういうニュースが台風の度に流れるのに、同じことを
する人がいるんだろう、と不思議で仕方なかったんですよね。リョウの父親の
ように、行かずにはいられなかったんだろうか・・・。命よりも、優先される
べきことなんてないのに。残された人がどんな思いをするか、救助に向かう人々が
どれほど大変かも想像しないで。リョウの父親は、やっぱりどこまでも子供
だったんだな、と思いました。
最後のオチは、途中でだいたい予想がついてしまいました。まぁ、それはほとんどの
人が予想がつくと思う。リョウが、というのは想像つきにくいもの。
作品を通して、晴子さんがとてもとても素敵な人なのがわかるだけに、ラストは
切なかったです。それでも、彼女にとっては大好きな人に会えるのだから、
幸せなのかもしれないですけどね。
アンマーというのは、沖縄の言葉で『母親』のことを指すのだそう。
最初、タイトル聞いた時、沖縄の小人とか精霊とか、何かそういう生物が出て
来るファンタジーなのかと思っちゃいました(アホ)。沖縄版コロボックル
みたいな(笑)。全然違いました^^;
晴子さんの案内で、沖縄に行ってみたくなりました。現地人しか知らない穴場を
たくさん教えてくれそう。沖縄料理も久しぶりに食べたいなぁ。ああ、海ぶどう・・・。
こういうお話もいいんですけど、私はやっぱり有川さんにはラブラブイチャイチャ
恋愛モノを書いて欲しいんだよなぁ。最近、全然そういう要素が入らないから、
いまいち面白くない。『植物図鑑』クラスのやつを、そろそろお願いしたいです(笑)。


加納朋子「我ら荒野の七重奏」(集英社
『七人の敵がいる』の陽子さん再び(というか、正確にはみたび、なのだけども)。
今回は、中学生編です。愛息子の陽介君が、中学受験をして吹奏楽部に入りたいと
言い出したことから、陽子さんの受難が始まったのでした。
今回もとても面白かったのですけども、前作よりも痛快度は低めだったような。
というのも、陽子さん自身の言動が、どうにもモンスターペアレントじみていることが
多く、いまいち共感出来なかったからかもしれません。もちろん、後半に出て来た
いじめ撲滅に動くくだりなんかは、スカっとする結末でしたし、陽子さんかっこいい~
って感じだったのですけども。
あと、息子ラブが行き過ぎて、他の人間が目に入っていない感じもちょっと痛かった。
まぁ、子供がいる母親なんて、大なり小なり自分の子が一番、なのは当然なのだとは
思うのだけれど、それにしても、極端というか。結構、自分のこと(というか陽介君
のこと)しか考えてない言動が多くって、ちょっと引いてしまった。
特に、中学に入ってトランペットを弾きたいという陽介君が、パート決めで
ファゴットになってしまったことを聞いて、学校に乗り込んで吹奏楽部の顧問に
直談判するくだりにはドン引き。それこそ、自分の子供の利益しか考えてない
じゃないか(呆)。
でも、吹奏楽部親の会の役員になって、仕事を合理化しようとしたり、無駄を
省こうと動くところはさすがだなーと思いました。こういう人が一人いてくれると、
無駄な仕事が減って助かりますよねぇ。公立中学の部活でも、こんなに保護者たちが
団結しなきゃ成り立たないんだなぁと、目からウロコの思いがしました。私が
中学の時は合唱部に入っていたけど、親が何かをしなきゃいけない場面なんて
ひとつもなかったけどなぁ。吹奏楽とかだとまた違うのかもしれないですけど。
あと、運動部系もいろいろ大変そうだし。たまたま、親が何もしなくていい
部活に入っていただけなのかも。母親にとっては、有り難かったのでは(笑)。
ま、そもそも、うちの母親も仕事していたから、PTA関係の仕事とかほとんど
関知してなかったんですよね。今だったら、兼業の人も多いから、許されない
と思うけれど。当時は、働いている方がまれだったから、免れていたようです。
そういう意味では、陽子さんってすごいなぁ、と思う。役員決めの日に敢えて
欠席しようとするところはどうかと思いましたが、役員に決まったら決まったで、
仕事があるから、とか言い訳せずに、きちんとやるべきことはこなすし。愛する
息子のためとはいえ、出版社の編集者なんて、そうそう休める仕事じゃないと
思うんですが。ブルドーザーのように仕事をこなして、それから学校関係の仕事
もこなして、家庭ではちゃんと家族の為に料理も作って。まさに超人だなーと
感心しきりでした。共働きで、ある程度の収入があるから、何かあるとお金で解決
しようとするところはどうかと思いましたけど^^;ま、母親として、良い所も
悪い所も持っているのが陽子さんという人なんだというのがよくわかりました。
嬉しかったのは、陽介君が小学生の時のまんま、真っ直ぐ育ってくれたこと
ですかね。ちょっと、泣き虫過ぎるところもありましたけど(苦笑)。
陽介君の性格は、多分父親の方に似たんでしょうね。穏やかそうだし。
真っ直ぐなところは、陽子さん譲りなのかもしれませんけどね。
今回も脇役が個性的でした。前作に登場した人物たちもちらほら。今回
初登場の東京子さん、いい味出してました。陽子さんに関わったばかりに、いろいろと
大変な目にも遭って、気の毒になりましたけど^^;
あと、個人的に気に入ったのは、ゴルバチョフに似ている為、陽子たちに秘かに
ゴルビーとあだ名をつけられてしまった赤西さんのおじいちゃん。娘との
確執の顛末に胸を打たれました。ゴルビーさんが作った曲、素敵なんだろうな。
聴いてみたくなりました。
小学生編、中学生編と来たので、是非高校編も書いて頂きたいですね
(でも、さすがに高校でそんなに保護者が活躍する機会ってないか・・・)。





ここから、全くの余談(みなさん、どうぞ読み飛ばして下さいまし)。

 

我が家のレモン、すっかり黄色くなったのでついに収穫致しました!
まだ使ってないのですが、冷蔵庫に眠っております。相方は、貴重なひとつ
だから、皮まで使おう!と息巻いております。はちみつレモンがいいとのこと。
しかし、はちみつレモンってどうやって作るんだ?クックパッドで検索せねば。
昔のスポ根漫画とかドラマで、マネージャーが部員に作るやつですよね。
実際食べたことがないのだけど。単にはちみつと砂糖をいれて漬けとけばいいのかな。
何にせよ、食べるのが楽しみですぅ。ふふふ。来年はもっとたくさん実がなるといいなぁ。

 

真っ黄色!
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収穫後。なかなかキレイな形じゃないですか!?←親バカ(?)発言?w
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