ミステリ読書録

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北森鴻/「ぶぶ漬け伝説の謎」/光文社刊

待ってました、北森鴻さんの大悲閣シリーズ第2弾「ぶぶ漬け伝説の謎」。

京都・嵐山の渡月橋から二十分程山道を上って、二百メートルの石段を登ると、うら寂れた古刹『大悲閣』に辿り着く。そこで寺男を生業とする有馬次郎は、本人が好むと好まざるとに関わらず、常に奇妙な事件に巻き込まれる。ある日、自称みやこ新聞のエース記者、折原けいが殺人事件の重要参考人で警察に拘束された。浅からぬ縁のある次郎は、もと広域窃盗犯だった時の経験を生かして事件解決に乗り出し、山を下りる決意をするが・・・(「ぶぶ漬け伝説の謎」)。

今回も出てくるお料理が美味しそうです~。北森作品を読むと、妙におなかが空いてくるんですよねぇ。
全体的に謎解き自体はちょっと弱い感じがしますが、主要登場人物3人のどたばたな感じが好きです
(どたばたしてるのはけいと作家だけともいえますが)。
しかし、ジローちゃん、事件を解決する時に<<僕>>から<<俺>>にモードチェンジて、あんたは秋せつらか!(by菊池秀行)<<俺>>モードのジローちゃん、渋くて結構好きですけどね。莫迦作家・水森堅は完全に北森さんがモデルのようですね。ラストの狂乱マジックにはにやりとしました。

思えばこのシリーズを初めて読んだのは、新世紀「謎」倶楽部のリレー小説「堕天使殺人事件」でしたっけ。「堕天使~」で初めて出会った探偵って割りと多かった気がします。愛川さんの根津愛ちゃんもそうだった。しかし、この作品の締めの推理を飾ったのが森江春策だったのはちょっと納得行かなかった・・・。どういう風に順番決めたのかわかりませんけども。くじ引きか?