ミステリ読書録

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沼田まほかる/「九月が永遠に続けば」/新潮社刊

第5回ホラーサスペンス大賞受賞作、沼田まほかるさんの「九月が永遠に続けば」。

最愛の息子がある日ゴミを捨てに行ってそのまま失踪した。その直後、愛人が地下鉄のホームから転落死する。息子と事件との関わりを疑った母親が、いなくなった息子を捜し始める。事件の背後にある驚愕の真実とは・・・。

とにかく、これでもかという位にどろどろしてます。泥沼です。出てくる登場人物が誰一人好感が持てず、話も救いようがない。でも、先が気になって、ぐいぐい読んでしまうのです。ほぼ一気読みに近かった。これがデビュー作とは恐れ入ります。作風は桐野夏生さんに似ているとの評価が多いようです。しかし、私実は桐野作品を読んだことがないので、比較ができないのですが。
救いようがない話なだけに、読後感もよくはありませんでした。正直、好きな作品でもありません。
でも、圧倒的な「読ませる力」を持っている作品であったことだけは確かです。
サスペンス系作品がお好きな方にはお薦めと言えるかも。

沼田さんって、これ以降作品書かれていないのでしょうか。筆力のある方なので、1発屋にはなって欲しくないのですが。それにしても、「まほかる」ってすごい名前ですよね。ペンネームに関して言えば、誰よりもインパクトがある気がします。どんな意味なんでしょうね。

ところで、このホラーサスペンス大賞ってなくなるらしいですね。結構受賞作は話題になってたような感じがしてたんですけど。そんなに本が売れなかったのかなぁ?平積みになってましたけどねぇ。