ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

鯨統一郎/「タイムスリップ戦国時代」/講談社ノベルス刊

鯨統一郎さんの「タイムスリップ戦国時代」。

25世紀のマフィア組織 < むらさきの光 >の幹部であったダテクニヒコが、タイムスリップに
よって戦国時代に行って歴史の史実を変え、世界を滅ぼそうとしている――元・< むらさきの光 >
のメンバーであり、天才剣士である剣崎薔薇之介の前に現れた石松から、ダテクニヒコの野望を
阻止する為に力を貸して欲しいと頼まれた薔薇之介は、愛する麓うららを助手に連れて行くことを
条件に協力することを了承する。うららは世界を救う為なら仕方ないと二人に帯同することを了解
する。そして、タイムマフィンに乗って戦国時代に向かった三人は、ダテクニヒコの数々の野望を
打ち砕くべく策を弄することに――タイムスリップシリーズ第5弾。


相変わらず『赤頭巾』が借りられないのでがっかりしていたところ、隣街の図書館で燦然と本書が
書架に・・・!地元の図書館が全然買う気配がないのでどうしたものかと思っていたので、
良かったです。だって、自分でリクエストして買わせる勇気がないもん・・・^^;
前作『水戸黄門』でははじけ方が足りないと文句を言った覚えがあるのですが、はっきり云って
本書はやりすぎです・・・ッ!!
何故か奇しくも二冊続けて歴史もの(!?)を読むハメになってしまい、内容的には大きな隔たり
があるものの、こちらも歴史の薀蓄部分は苦戦してほとんど読み飛ばし状態^^;まぁ、読み
飛ばしても大して問題ないのでいいんですけど(いいのか?)。

それにしても、めちゃくちゃです。多分歴史好きの人なら間違いなく本投げるんじゃないかな、
これ^^;;でも、深く考えちゃダメなんです。瑣末なこと(かなぁ・・・)で怒ってしまう人は
絶対にこの本を手にとってはいけません。たとえ、


戦国時代に、武士たちが馬の代わりに自転車に乗って戦地に赴いても、

戦国時代に、トラック(途楽駆)が街中を走り回っていても、

戦国時代に、武士たちの伝達手段が携帯電話であっても、

戦国時代に、武士たちが携帯メールで絵文字を使おうとも、

戦国時代に、織田信長森蘭丸・麓うららの三人がヴィジュアルバンドデビューし、織魂
オリコン)チャートで首位になろうとも、

戦国時代に、戦がテレビ中継されようとも、

戦国時代に、ゲーム機で『信長の野望』が流行ろうとも、

戦国時代に、ケータイ小説『濃空(こいぞら)』が配信されようとも、

戦国時代に、秀吉が立ち上げたブログ< 本能寺 >が不用意なコメントのせいで炎上したとしようとも、

戦国時代に、航空戦闘機が使用されようとも、

戦国時代に、天下分け目の戦いが『野球』で決着がつこうとも、




目くじらを立ててはいけません。

だって、表紙カバーの折り返しにこう書いてあるのですから。



『鯨ワールドでは、すべてが可能です』






・・・あ、石投げたくなりました?あ、あは。あはははは(逃)。
個人的にツボだったのは織田信長がスケートにはまって、自分の子孫もスケート楽しんで
くれるといいなーとか考えるところと、巨大掲示板武ちゃんねるスレタイトル
見てるだけで不覚にも笑ってしまった(苦笑)。
でも、なんでもありすぎて、笑えないとこが多かったなぁ。はじける方向が間違ってる
気がしないでもないんだけど・・・^^;;(いや、深く考えちゃいけないんだった)
それにしても、この表紙センスないなぁ・・・もうちょっとなかったのかな^^;;



なんか、この記事を置き土産にして行くのはどうかと思うんですけどね。
この本のことは忘れて、旅行を楽しんできますです。
では、来週またお会いしましょう!(なんか週末のテレビ番組みたいな締め方だな^^;)
みなさまも良い週末を^^