ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

か行の作家

今野敏「隠蔽捜査10 一夜」(新潮社)

シリーズ第10弾。神奈川県警刑事部長になった竜崎の元に、有名な純文学系の 小説家・北上輝記が誘拐されたという一報が舞い込んで来た。小説を読まない 竜崎は知らなかったが、県警本部長の佐藤はファンだという。佐藤から、何として でも北上を無事に保護…

北村薫「中野のお父さんと五つの謎」(文藝春秋)

中野のお父さんシリーズ第4弾。今回も、文芸雑誌編集者の美希が、仕事先で 出会った本にまつわる数々の謎を、中野にいる元国語教師のお父さんに解決して もらいます。五作が収録されています。 北村さんらしく、文芸と落語が絡んだお話が多かったですね。一…

加納朋子「1(ONE)」(東京創元社)

加納さん最新作。出る情報全く知らなかったので、図書館の新着図書コーナーで 見かけて即予約。わーい、加納さんだー、と喜んでいたところに、内容紹介で 駒子シリーズの文字が・・・!!!えぇぇっ、あの駒子シリーズ!?今になって!? とびっくりしました…

ほしおさなえ「菓子屋横丁月光荘 光の糸」(ハルキ文庫)

シリーズ第六弾にして、最終巻。家の声が聞こえる青年、遠野守人は、間借り している月光荘の二階をイベントスペースとしてオープンさせ、管理人として 忙しい日々を過ごしていた。しかし、自分と同じように家の声が聞こえる喜代さん が亡くなったことが想像…

古矢永塔子「ずっとそこにいるつもり?」(集英社)

はじめましての作家さん。なぜ本書を借りたかというと、新着図書欄の内容紹介 のところに、『アミの会短編アワード2022』受賞作の作品が入っている、と 書かれていたからです。アミの会で認められた作品ならきっと面白いだろう、と 思いまして。 いやい…

近藤史恵「間の悪いスフレ」(東京創元社)

大好きなビストロ・パ・マルシリーズ第四弾。久しぶりに新作が読めて嬉しいです。 毎度ながら、薄い上に読みやすいのであっという間に読めてしまう。ほんとは もっとゆっくり時間をかけて読みたいのだけれど。今回も三舟シェフのお料理は どれも美味しそうだ…

今野敏「署長シンドローム」(講談社)

隠蔽捜査シリーズのスピンオフ。竜崎が去った後の大森署にやってきた、新しい 署長を巡る物語。この間読んだ隠蔽捜査シリーズの最新刊で初登場した、大森署 の新署長・藍本小百合。その類まれなる美貌で、見る者を虜にしてしまう特殊能力 を持つ。そんな大森…

近藤史恵「ホテル・カイザリン」(光文社)

近藤さん最新刊。いろんな媒体で発表された短編をまとめたもの。アミの会の アンソロジーに収録された作品が多いので、蓋を開けてみたら、大部分が既読 だったという^^;内容あんまり覚えてないものも多かったから、普通に全部 読んじゃいましたけどね。多…

京極夏彦「鵼の碑」(講談社ノベルス)

はい。ということで皆さん。ついに、ついに、ついに!ですよ!!!出ましたーーー っ!発売から一月半ほど前でしたでしょうか。ブログ友達のKORさんから出る情報 を教えて頂いたのは。ええ、我が目を疑いましたとも。えっ、えっ、まじで!? まじですか!?…

倉知淳「恋する殺人者」(幻冬舎)

倉知さん最新作。倉知さんらしからぬファンシーな表紙に若干面くらいながら 読み始めました。内容も、倉知さんどうした?って感じのラノベ調で、更に 困惑。タイトルから、なんとなく想像出来る展開ではありましたので、語り手が 恋する殺人者視点になった時…

貴志祐介「梅雨物語」(角川書店)

貴志さん新刊。少し前に読んだ『秋雨物語』に続く、『雨』にまつわるホラー ミステリ集。趣の異なる三篇が収録されていますが、どれもそこはかとない 恐怖が漂っていて、貴志さんらしい良質のホラー作品集になっていると思います。 それぞれにテーマがあって…

久保りこ「爆弾犯と殺人犯の物語」(双葉社)

これも、王様のブランチで紹介されていた作品。あらすじ聞いて、面白そうだなぁ と思ったので予約してありました。ブランチで紹介された後だったから、予約 結構多くて待たされたな。まぁ、かくいう私もそれに乗っかる一人なんだけどさ (苦笑)。 いや、面…

小西マサテル「名探偵のままでいて」(宝島社)

第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。王様のブランチで取り上げ られていて、興味を惹かれたので予約してありました。基本、このミス系作品とは 相性が悪いのであまり手に取ることはないのですが。予約してから回って来るまで かなり時間がかか…

倉知淳「大雑把かつあやふやな怪盗の予告状 警察庁特殊例外事案専従捜査課事件ファイル」(ポプラ社)

倉知さん新刊。警察庁所属の新人刑事木島が、民間の探偵たちの知恵を借りて、 ミステリ小説に出て来るような特殊な事件を解決する新シリーズ。 内勤希望で気楽なデスクワーク生活が出来る!と意気揚々と警察庁に入庁した木島。 しかし、突然上司から言い渡さ…

近藤史恵「それでも旅に出るカフェ」(双葉社)

とっても自分好みで大好きだった『ときどき旅に出るカフェ』のカフェ・ルーズ シリーズ(勝手に自分で命名)第二弾。旅行好きの店主・円が世界中を旅して 出会った料理やスイーツを研究し、再現してメニューとして出している『カフェ・ ルーズ』。このカフェ…

今野敏「審議官 隠蔽捜査 9.5」(新潮社)

大好きな隠蔽捜査シリーズ。○.5とついているのは、スピンオフってことですね。 脇役キャラが活躍するスピンオフ短編が9作収録されています。いやー、今回も 面白かった~。文章も読みやすく、テンポも良いので、あっという間に読み終わって しまった。一…

片瀬チヲル「カプチーノ・コースト」(講談社)

王様のブランチで紹介されていて、興味を惹かれたので借りてみた作品。理由 あって二ヶ月間会社を求職している早柚は、休職期間残り一ヶ月というところで、 ふとしたきっかけで地元の海岸のゴミ拾いを始めることに。始めてみると、海岸 には実に様々なゴミが…

神永学「心霊探偵八雲 INITIAL FILE 幽霊の定理」(講談社)

心霊探偵八雲シリーズと確率捜査官御子柴岳人シリーズがコラボしたINITIAL FILE シリーズ第二弾。前作で、八雲と御子柴は反発し合いながらもなかなか良いコンビ だと思っていたので、続編が出て嬉しいです。 今回もまだ春香ちゃんと出会う前の八雲ですね。エ…

加藤シゲアキ「1と0と加藤シゲアキ」(角川書店)

作家生活10周年を記念して、作家自らが編集に加わったスペシャルブック。 様々な作家との競作や、対談、過去の雑誌インタビューなど、多岐に亘る作品集。 加藤さんの作品は、エッセイ一作と小説一作しかまだ読めていないのですが、 その二作読んだだけでも…

京極夏彦「書楼弔堂 待宵」(集英社)

大好きな書楼弔堂シリーズ第三弾。前作からもう6年経っているそうな。今回の 舞台は昭和30年代後半。弔堂に続く坂道の途中で、鄙びた甘酒屋を営む弥蔵が すべてのお話の語り手を担います。老いさらばえた世捨て人のようなこの弥蔵の キャラクターがとにか…

貴志祐介「秋雨物語」(角川書店)

貴志さんの最新作。4つの作品からなるホラー短編(中編?)集。共通している のは、タイトルにもあるように印象的な場面で秋雨が出て来るところくらい。 それも、そこまで重要ってほどの要素でもなく。ネット検索していたら、どなた かの感想に上田秋成の『…

倉知淳「世界の望む静謐」(東京創元社)

死神のような風貌の乙姫警部が活躍する倒叙ミステリシリーズ第二弾。前作も傑作 でしたけれど、今回もそれに遜色ないくらい面白かったですね。昨年中に読んでたら、 間違いなくミステリランキングには入れたと思いますね。死神にしか見えない 乙姫警部と、恐…

今野敏「マル暴ディーヴァ」(実業之日本社)

マル暴甘糟シリーズ第三弾。相変わらずやる気のない甘糟刑事ですが、強面上司の 郡原が更に仕事をしない人なので、必然的に仕方がなく、いろんなことをやる羽目 になってしまいます。マル暴担当なのに、こんなに弱々で大丈夫!?といつも 思うのですが、なん…

劇団ひとり「浅草ルンタッタ」(幻冬舎)

久しぶりの劇団ひとりさんの新作。明治から大正期の浅草が舞台。当時流行した、 浅草オペラをテーマに、時代を必死で生きる人々の悲喜こもごもを描いた 意欲作です。 浅草で当時オペラが流行っていたとは。劇場で芝居を観るってイメージはすごく あるのだけ…

桂望実「残された人が編む物語」(祥伝社)

桂さん最新作(かな?まだ?)。桂さんは食指が動くものは読むのだけれど、ここ 最近は少しご無沙汰気味でした。本書は、ブロ友さんのところで高評価っぽかった ので予約してありました。予約本ラッシュ中に回って来てしまって、一度今回は スルーして返して…

神永学「心霊探偵八雲 青の呪い」(講談社文庫)

心霊探偵八雲シリーズ外伝。講談社文庫で出るって、かなり珍しいのでは?スピン オフ的な作品だからかな。一応文庫書き下ろし作品らしい。 八雲が高校生の時に出会った、共感覚を持つ同級生の琢海が語り手となっています。 サウンドカラー共感覚という特殊な…

窪美澄「夜に星を放つ」(文藝春秋)

第167回直木賞受賞作。実は、読んだ後で直木賞獲ってたことを知りました。 多分受賞された報道は目にしていたけれど、これがその作品だとは思ってなかった んですよね。図書館の新着図書ページで、なんとなく見かけて、久しぶりに食指が 動いたので予約し…

近藤史恵「筆のみが知る 幽霊絵師火狂」(角川書店)

新町の大きな料理屋「しの田」のひとり娘・真阿は、胸の病のせいで一日の大半を 自室で寝て過ごす毎日だ。父も母も「養生していれば治る」と言うが、十二の年 に病を言い渡されて二年、全くよくなる気配もない。真阿自身は、そう長く生きられ ないのではない…

今野敏「任侠楽団」(中央公論新社)

任侠シリーズ最新作。今回のテーマはオーケストラ楽団。ただ、今回阿岐本組が 任されたのは、楽団の立て直しではなく、楽団員同士の内紛の仲裁。音楽に 造形が深い訳でもない代貸の日村は、不安で仕方がない。しかし、オヤジの言う ことには従わなければなら…

神永学「心霊探偵八雲 Short Stories」(角川文庫)

心霊探偵八雲シリーズ短編集。ショートストーリーばかりを集めているので、 一編が短く、さくっと読めちゃいます。読みやすいし、本編のように八雲父とか 美雪とか一切出て来ないから、重すぎなくて良かった。 晴香がやたらと八雲に心霊関係の悩み事を持ち込…