ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

や行の作家

よしながふみ「仕事でも、仕事じゃなくても 漫画とよしながふみ」(フィルムアート社)

漫画家・よしながふみさん初のインタビュー本、だそうです。実は私は、よしなが さんの長年のファンという訳ではありません。でも、ドラマ化もされて(現在も 続編が放映中ですね)大ヒットした『きのう何食べた?』は大好きで、今現在も 新刊を追いかけてい…

吉田修一「素晴らしき世界 ~もう一度旅へ」(集英社文庫)

ANAの機内誌(翼の王国)に掲載された、吉田さんのエッセイを集めた旅エッセイ集、 最終巻。連載が終わってしまったみたいなので、これで最後なんですね。多分 全部読んでる訳ではないけど、読めた作品はどれも楽しく読めたので、これで 最後なのはちょっと…

山白朝子「小説家と夜の境界」(角川書店)

山白さん最新刊。私は小説家のはしくれである。長年この職業に携わっていると、 様々なタイプの小説家に出会うが、彼らの中には、奇人・変人が多い。小説家は、 小説より奇なり――。私は、変わった小説家の話を聞くのが大好きなのだ――。 小説家にまつわる奇妙…

米澤穂信「可燃物」(文藝春秋)

米澤さん最新作。米澤氏初の警察ミステリーじゃないでしょうか?一作目は アンソロジーで既読でしたが、こうしてシリーズ化されて一冊にまとまるとは 思わなかったです。 青春ミステリーで名を馳せた方とは思えない、なかなかに硬質な警察ミステリー。 そも…

柚木麻子「オール・ノット」(講談社)

柚木さん最新刊。貧困学生の真央は、アルバイト先のスーパーで、試食販売員の 山戸四葉から温かいお茶をもらって以来、彼女のことが気にかかるようになった。 他の従業員に聞くと、彼女が試食販売に立つと商品が良く売れるらしい。真央が、 勇気を出して彼女…

吉田修一「永遠と横道世之介 下」(毎日新聞出版)

はい。という訳で後編です。もっと後編回って来るのに時間かかるかなと思って たんですが(結構予約数多かったので)、冊数が多かったせいか、ほとんど間を 空けずに読めてよかったです。さすがにまだ前半の内容覚えてましたからね(一ヶ月 空くともうヤバい…

吉田修一「永遠と横道世之介 上」(朝日新聞出版)

大好きな横道世之介シリーズ。上下巻ですが、先に上巻だけ回って来たので、 とりあえず上巻の部分のみの感想を。 このシリーズの一作目を読んだ方なら、世之介が最後にどうなるのかをご存知 だと思います。そのラストを受けた上で、続編が出続けているという…

薬丸岳「最後の祈り」(角川書店)

薬丸さんの最新刊。いやー、重かったですねぇ・・・。400ページ超えの長編 ですが、相変わらずのリーダビリティ。いつも思うけど、薬丸さんの作品は ほんとに読む手が止められなくなってしまうんですよね~・・・。 今回の主人公は、娘を惨殺された牧師の…

青山美智子 絵/ U-ku「ユア・プレゼント Red」(PHP研究所)

この間は表紙がブルーの『マイ・プレゼント』の方を読んだのですが、こちらは 赤バージョン。今回も美しい色彩の水彩画と詩のような優しい文章が心地良い 素敵な作品でした。画集気分で眺めるだけでも楽しいです。今回は赤が基調に なっているので、前回の青…

薬丸岳「罪の境界」(幻冬舎)

薬丸さん最新作。ちょうど読んでいる時に職場の昼休憩でテレビを観ていたら、 王様のブランチで本書が紹介されて、めっちゃタイムリーだなぁと思いました。 薬丸さんご自身が出演されていて、なぜ本書を書こうと思ったのか等のお話が 聞けて良かったです。実…

柚木麻子「とりあえずお湯わかせ」(NHK出版)

柚木さんのコロナ前~コロナ真っ只中までの四年間を綴ったエッセイ集。柚木さん のエッセイ読むのは初めてじゃないかな?NHKテキスト『きょうの料理ビギナーズ』 に掲載されたものを中心に、それ以外のところで掲載されたものもちらほら入って いるもよう。 …

米澤穂信「栞と嘘の季節」(集英社)

とても気に入っていた『本と鍵の季節』の図書委員コンビが帰って来ました。続編 書いて欲しいと思っていたから、読めて嬉しい。とはいえ、前作が出てから三年 が経っているので、細かい設定とかすっかり忘れちゃってて。主役の二人のことは さすがに覚えてま…

床品美帆「431秒後の殺人 京都辻占探偵六角」(東京創元社)

初めましての作家さん。ミステリ・フロンティアレーベルの作品は、食指が動く ものはなるべく読むようにしています。これは、タイトルで何となく面白そうだな と思ったので予約してみました。 うん、なるほど、いかにもこのレーベルから出そうな内容でしたね…

又吉直樹・ヨシタケシンスケ「その本は」(ポプラ社)

又吉さんと人気絵本作家ヨシタケシンスケ氏のコラボ作品。装丁も内容も絵本 よりの作品ですかね。書店で見かけた時から「絶対読みたい!」と思っていたので、 図書館入荷してすぐに予約しておいたのですが、巷でも結構話題になっている ようで。今は200人…

山本幸久「花屋さんが言うことには」(ポプラ社)

久しぶりに山本さんの作品を読みました。これは、王様のブランチで紹介されていて、 とても面白そうだったので予約してあった作品。お花屋さんが舞台のハートフルな お仕事小説ということで、私の好みど真ん中だったもので。 小学生の頃、一番最初になりたか…

山本甲士「迷犬マジック」(双葉文庫)

新刊情報でタイトルに惹かれて予約していた作品。山本さんははじめましての作家 さんですが、ちょこちょこ他の方のブログの記事でお名前をお見かけしていたように 思います。 以前、伊吹有喜さんの『犬がいた季節』を読んだ時、犬が次々と飼い主を変えて 旅…

柚木麻子「ついでにジェントルメン」(文藝春秋)

柚木さんの最新作。ノンシリーズばかりを集めた短編集。連作でない短編集は 初めてらしい(帯に、『著者初の独立短編集』と書いてありました)。 なんとも、個性的なお話ばかりが収録されていて、柚木ワールド全開って感じでした。 実は、これの前に出た長編…

薬丸岳「刑事弁護人」(新潮社)

薬丸さんの最新長編。刑事事件の弁護を引き受けた女性弁護士・持月凛子と、元刑事で 先輩弁護士である西、二人の弁護士コンビの奔走を描くリーガルミステリー。 凛子が今回担当するのは、女性警察官・垂水涼香が起こした、ホスト殺害事件。 相手から襲われ、…

米澤穂信「米澤屋書店」(文藝春秋)

米澤さんの本に纏わるエッセイ集。国内海外のお薦め本を紹介しまくっております。 とても読み応えありました。本を書店に見立てて、章立てを本棚ごとに分けて いるのも面白かったです。 例を紹介しますと、<選書棚><乱読棚><愛書棚><遊歩棚><書外棚…

薬丸岳「ブレイクニュース」(集英社)

薬丸さん最新作。様々な時事ニュースを取り上げるYou Tubeの人気チャンネル 『野依美鈴のブレイクニュース』。取材者であり発信者でもある謎の女性・野依美鈴 は、新聞・テレビや雑誌では切り込めない独自の手口で情報を伝えている。彼女の 手口に不審と危機…

米澤穂信「黒牢城」(KADOKAWA)

米澤さんの最新長編。時代物が大の苦手の私が読み通せるのか非常に不安でした。 いや~、ブロ友さんから京極さんがイケるなら大丈夫ではとおっしゃって頂いてたの ですが、非常に苦戦しました。時代背景について行くのも大変だったし。名前が 覚えられないわ…

吉田修一「泣きたくなるような青空」(集英社文庫)

ANAの機内誌に連載されていたエッセイをまとめた一冊。単行本で出たものが 文庫化されたもよう。図書館の新着図書ページで見かけて、旅のエッセイなら 読みたいなぁと思って借りてみました。 コロナで全然旅行に行けなくなってしまったから、せめて本の中で…

薬丸岳「告解」(講談社)

薬丸さん最新刊。ひき逃げ事件を起こしてしまった大学生が、その罪を抱えて どう生きていくのかを描いた長編作品。 事の発端は、大学生の籬翔太が、友人との飲み会を終えて帰宅した後で、彼女 からのメールがきっかけで車を運転し、ひき逃げ事故を起こしたこ…

山本弘「君の知らない方程式 BISビブリオバトル部」(東京創元社)

シリーズ第四弾。今回は、空の恋愛がメイン。あのSF小説バカの空が恋愛!! しかも、なぜか突然三角関係!!!前作から、ちょっと武人に対して気持ちが 動いているのかも?って予感はしていたから、彼との恋愛がメインだったら もっとワクワクして読めたと思…

米澤穂信「巴里マカロンの謎」(創元推理文庫)

なんと、11年ぶりの小市民シリーズ。え、もう11年も経ってるの!?と 私もびっくり。でも、確かに自分の過去記事見てみたら、『秋期限定栗きんとん 事件』の記事を2009年に書いていました。記事読み返してみても、全然 内容覚えてなかったよ・・・(…

吉田修一「逃亡小説集」(角川書店)

タイトル通り、逃亡するお話ばかりを集めた作品集。以前読んだ『犯罪小説集』 同様、今回も実際の事件を下敷きにしていると思われるお話ばかり。 新聞やネット上で話題になった事件の内情は、実はこうだったんじゃないか、 みたいな感じで、吉田さんが想像を…

米澤穂信「Iの悲劇」(文藝春秋)

米澤さんの最新作。4つの自治体が合体し、人工六万強の都市となった南はかま市。 その中で、廃村となった箕石を再生させようというプロジェクトが立ち上げられた。 六年前に無人となった箕石に新しい定住者を募るという、いわゆるIターンの支援と 推進だ。 …

山里亮太「あのコの夢を見たんです。 短編妄想小説集」(東京ニュース通信社)

祝・ご結婚!・・・て訳じゃないんですが、南海キャンディーズの山ちゃんの 妄想小説集。山ちゃんの文章は、少し前にエッセイ読んで結構好きだったので、 小説も面白そうだなーと思って借りてみました。人気あるみたいで、かなり 待たされましたけども。 実…

薬丸岳「蒼色の大地」/アミノ会(仮)「アンソロジー 嘘と約束」

こんばんはー。六月も半ばを過ぎて、上半期もあと僅かですね。早い~~。 今度の日曜でうちもなんと結婚7周年。みなさんに祝福して頂いた結婚式記事をアップ してからもうそんなに経つんだなぁと感慨深いものが。 当日は相方が夜勤なので、翌日の月曜の夜に…

京極夏彦「今昔百鬼拾遺 鬼」/柚木麻子「マジカルグランマ」

こんばんはー。延期されていた他ブログへの移行ツール、ようやく準備が 整ったようですね。いよいよ終了も現実のものとなって行くのかなぁ。 未だに実感が湧いてないのだけれど。みんな結構移行しちゃった方が多いのかな。 今回も二冊ご紹介~。 京極夏彦「…