ミステリ読書録

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「ナポリ・宮廷と美 ─ カポディモンテ美術館展」

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東京・上野  国立西洋美術館 ナポリ・宮廷と美 ─ カポディモンテ美術館展」


イタリアを代表する美術館のひとつカポディモンテ美術館の名品を集めた初めての展覧会。
ルネッサンスからバロックまでのイタリア美術を、絵画47点、彫刻8点、工芸11点、デッサン
14点を展観。17世紀前半にはパリに次ぐヨーロッパ第二位の人口を有し、繁栄を誇ったナポリ
絵画の全貌を初めて紹介。



イタリア・ナポリを見下ろす丘の上に建つカポディモンテ美術館の所蔵作品を集めた展覧会。
カポディモンテとは『山の上』という意味だそう。山の上に建つ美術館って訳だね・・・
そのまんまかいっ^^;
イタリア絵画は大好きなので、是非観に行きたいと思っていた展覧会。カポディモンテ美術館
なんて初めて知りましたが、所蔵点数がフィレンツェウフィツィ美術館に匹敵するくらい
イタリアでは屈指の美術館なのだそう。ナポリにそんなに有名な美術館があるなんて全然
知らなかったです。ナポリは一度だけ訪れたことがあるのだけど、ほとんど観光らしきものを
する時間がなく、次の都市に行くまでの通過地点って感じでしかなかったんですよね^^;
イタリアの台所って言われている都市なのにちゃんとしたレストランで食事することも
出来ず、なんか治安が悪そうだなぁって印象しかないという^^;こんな有名な美術館が
あるなら行ってみたかったなぁ。

全体的にはイタリア絵画らしく、宗教画や神話をモチーフにした作品が多かったように
思います。どの作品もなかなか重厚で見応えがありました。ただ、点数自体が少ないので、
展覧会自体は少し物足りなさも感じたかな。
ただ、今回も企画展の後に常設展を観たので、少々食傷気味になるくらいお腹いっぱいって
感じになりました。ここの常設展は毎度ながら本当に充実していて驚かされます。これでもか!
って位に見応えのある絵がぼこぼこと展示してあるんだもの。企画展だけ観て帰っちゃう人は
ほんとに損していると思う。ここの美術館の企画展に行った際には、絶対に同じ半券を遣って
常設展も観ましょう。奥行きの広さに圧倒される筈(企画展のスペースよりも遥かに広いです)。
今回、常設展の方で特別展示として企画されていた『オノレ・ドーミエ版画展』もすごく
良かった。素描と言えないくらいに緻密に描かれたリトグラフが40点程展示されています。
かなり毒のある風刺画でしたが、一枚づつの絵に物語があってとても面白かったです。


企画展の方は、なんといっても目玉はパルミジャニーノの『アンテア』。モデルの女性は、
娼婦のようにも花嫁のようにも見えると言われ、諸説が飛び交っているものの、その出自は
一切謎なのだそう。なんともミステリアス。確かに、今回の展覧会の中ではダントツで存在感の
ある絵でした。確かに表情を見ると、ちょっと挑戦的な瞳が小悪魔的な雰囲気を醸しだしていて、
娼婦と言われればそのようにも見えるのだけど、高貴な気品も感じ取れるし。なんとも不思議な
魅力のある女性です。とにかく美人だし、しばらく眺めてうっとりしてしまった。気になったのは
ドレスの下で、どうも足を少し開いて立っているように見えること。なんとなく、貴族のお嬢さん
だったらこういう立ち方はしないような気はするんですよね~。まぁ、真相は専門家でさえ
わからないというのだから、謎の女性は謎のままの方がミステリアスで魅力的に見えるので
しょうね。だから誰もが彼女の絵に惹きつけられずにいられないのでしょう。




グイド・レーニ 『アタランテとヒッポメネス』
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深水黎一郎さんのある小説にレーニの作品が印象的に登場するので、観れて嬉しかった。
女が拾っているのはりんご。かなりちっちゃいけど^^;この女性は、足の速さが自慢で、
求婚する男に競争を挑み、相手が負けると相手を殺してしまうという激しい性格だそう^^;
この絵の男は、彼女の足を止めるためにりんごを落として拾わせたのだとか。彼女、完全に
術中にはまってますね(苦笑)。



アルテミジア・ジェンティレスキ 『ユディトとホロフェルネス』
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これもすごい絵です。何の躊躇もなく、寝ている復讐相手の男の首を切り落とす女が怖い^^;
何も首を切る瞬間を選んで描かなくてもって気はするけど^^;ひー、生々しい~~~(>_<)




ランチェスコ・グアリーノ 『聖アガタ』
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乳房を切り取られた女性を描いた作品。相当の激痛があるだろうに、女性の表情はどこか
挑戦的で蠱惑的なのが印象的です。




ベルナルディーノ・ルイーニ 『聖母子』
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母親の穏やかな表情がいいですね。美しい一枚。




パルミジャニーノ 『貴婦人の肖像(アンテア)』
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まさしく本展覧会の真打。抗いがたい無限の魅力を秘めた絵ですね。わたしもアンテアに
ノックアウトでした。




ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 『マグダラのマリア
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マグダラのマリアを描いた絵は結構多かったです。画家が好んで描きたい題材なのでしょうね。




バッティステッロ・カラッチョロ『ヴィーナスとアドニス
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ヴィーナスを描いた絵も割合に多かった気がしますが、このヴィーナスの顔は好きじゃないです。
とても美の女神とは思えないような・・・美しくない・・・^^;




アンニーバレ・カラッチ 『リナルドとアルミーダ』
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男を誘惑する女の目がなんとも狡猾そうで、小悪魔的ですね。確かに美女ですが、ものすごく強か
そう。男の方は完全に誘惑されまくってますね~メロメロ?(苦笑)。



エル・グレコ 『燃え木でロウソクを灯す少年』
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エル・グレコの絵は特徴あるからすぐにわかりますね。これは題材としては珍しい気がする
けど、宗教画ではないグレコの絵もたまにはいいな、と思いました。




昼食は御徒町にある給食が食べられるお店に。内装も学校らしくなっていて、メニューは
本当に給食風のものが多い。誰もが懐かしくて涙が出そうになるメニューが必ずあるはず。
私が選んだのはソフトめん。甘めのミートソースを絡めて食べる、給食ならではの
メニュー。懐かしいでしょう。ビンの牛乳つき。アルマイトのお皿やトレイも懐かしい。
左上は鯨の竜田揚げ。これだけで1200円と結構お高い。給食で出てた時はきっと原価も
安かったんでしょうけどねぇ。給食で食べたよりも柔らかかったです。
ソフト麺は、私の学校で出てた時より麺が細めで固かった。取り敢えず最初は4つに割るのが
定石だよね?ミートソースはほぼ昔の味のままでした。懐かしくて美味しいランチでした。
あと、面白かったのは料理が並べられたら、お店の人と一緒に『いただきます』と言わされたこと(笑)。
ほんとに、給食の時と同じような演出をしてくれて、楽しかったです。テーブルに意見や感想を書く
為のノートが置いてあるのですが、それがジャポニカ学習帳でウケました(笑)。

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美術展で歩きまわって疲れた後はかき氷でクールダウン。ほんとに暑い日だったので、冷たくて
美味しかったぁ・・・。


宇治氷 抹茶アイスのせ。
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猛暑の中たくさん歩いて疲れましたが、充実した休日でした。



~9月26日(日)まで。