ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

ベルギー王立美術館展

東京・国立西洋美術館 < ベルギー王立美術館展 >

芸術の秋です。ということで、美術展に行って参りました。今回は行けなくなった友人から
チケットを譲ってもらいました。Mちゃんありがとう!
平日ということもあり、案外空いてました。おそらく開催したばかりの大エルミタージュ展
と、連日大盛況のダリ展に人が流れたせいもあるでしょうけど。
目玉はやっぱりブリューゲルでしょうか。父とか子とか、どちらかよくわからない作品
もあるみたいですが、その精緻な描写はさすがでしたね。
ただ、一番注目作の『イカロスの墜落』はあまり神話を描いたって感じがしなかったです。
海から足が突き出てる所描いて「イカロスが墜落した場面」って言われてもねぇ・・・。
これじゃ、「犬神家の一族」ですよ・・・^^;




私が面白いと思ったのはスワーネンブルフの『地獄のアイネイアス』。
怪物の大きな口みたいな地獄の門が面白かった。よく観てると気持ち悪い絵だけど、
かなり強烈な印象を残す絵でした。
全体的に写実的な絵が多く、主題がはっきりしてるので観ていてわかりやすかったですね。
なかなか見ごたえのある絵が多くて楽しめました。

展覧会の最後の方に飾ってあった近代油彩画も面白かった。特にサーデレールの『フランドル
の冬』とルネ・マグリットの『光の帝国』は良かったです。サーデレールって全然名前知らなか
ったけど、ちょっと浮世絵の影響を受けてるっぽい画風。線が綺麗で、色彩も暗めなんだけど
微妙な色合いがとても綺麗でした。マグリットは誰でも知ってるでしょうけど、生で観ると
面白い。この絵は空は真昼の青空なのに、前景の建物は夜で街灯が点されている。相反する
物の共存がテーマらしいけど、成る程、不思議と違和感がなく溶け込んでいる感じ。この絵の
ポストカード買おうと思ったのに、なんと売り切れ!マグリットってやっぱり日本人には
人気あるのですね。11月には(何故かベルギーではなく)フランスから入荷するそうなので、
これから行かれる方は購入チャンスがありますよ。いいな~。


サーデレール『フランドルの冬』
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101000110.jpg


なかなか見ごたえのある展覧会でした。結構空いていてゆっくり観れるのも良かったです。
ただ、この西洋美術館の造りがいまいち好きじゃないんですけど。だって、何故か展覧会
の入り口が地下の変な場所にあるんですもの。なんであんな意味不明な造りにしたんだろ。
・・・謎。

芸術の秋を感じに、上野へ足を運んでみるのはいかがでしょうか(~12月10日(日)まで)。