ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

スペイン旅行記 < 8 >

スペイン旅行記最終回です。

< マドリード2日目 >


さて、翌日。観光最終日にして、ついにマドリード自由行動の日。朝からちょっと緊張。
さすがに5つ☆ホテル(建てつけはともかく^^;)だけあり、朝食は豪華なバイキング形式。
初日とはえらい違いだ・・・。


ホテルの朝食。もっといろんな種類があったんですよ~。これだけでお腹いっぱい^^
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101005630.jpg


午前中はみんな一緒に半日市内観光。目玉は何と言ってもプラド美術館。世界に誇る
名画がこれでもかと展示されている、巨大な美術館。日本でも今年展覧会が開かれている。
(まだ日本のどっかにいるかもしれないが)。本当は一日かけてゆっくり見学したい所だが、
短い時間で有名絵画だけを巡る。素晴らしい絵を足早に通りすぎるのは、絵画鑑賞好きとして
は断腸の思いだった。プラド3大巨匠といえば、ゴヤ、ベラスケス、エル・グレコだろう。
それぞれの代表作をガイドさんが説明してくれる。絵画の説明を聞くのは本当に面白い。
一枚の絵に隠されたいろいろな背景を知ると、その絵の持つ真の意味が見えてくるような気
がする。特にベラスケスの「ラス・メニーナス」は面白かった。それぞれの人物の視点を
追うと興味深い事実が隠されている。そして、じっと観ているうちに、最終的には自分も絵の
中の一員になったような錯覚を覚える。そこまで意図して描かれたものだというガイドさんの
説明を聞くと、ベラスケスがスペイン画家最高の名声を手に入れた天才というのもうなずける。


ベラスケス「Las Meninas(宮廷の女たち)」画像はネットからひっぱってきたものです^^;
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101005640.jpg


有名なゴヤの「裸のマハ」も興味深く鑑賞。今でこそ裸婦画など珍しくないが、スペイン絵画
史上初の裸婦画として、当時の宮廷では一大センセーショナルを巻き起こした作品。対に
なっている「着衣のマハ」と比較すると面白い。確かに普通の裸婦とは違う、とても肉感的で、
淫靡な香りのする裸婦画だ。

本当はムリーリョの「無原罪のお宿り」も観たかった所だが、日本で対になる方は観たばかり
なので我慢する。
賞味2時間もいられなかったので、いつか再訪することを信じて美術館を後に。



プラド美術館の後はこれまた美術館系だが、ソフィア王妃芸術センターを訪問。
ここの目玉はピカソの「ゲルニカ」。これに尽きる。この絵をピカソが描くに至った背景を
聞いた上で、改めてこの絵を鑑賞してみると、それぞれのパーツごとにピカソが訴えたかった
ことがものすごい迫力で迫ってくる。簡単に戦争批判の絵画と括れない、とても深い魂の叫びが
聞こえてくるかのようだ。生で観て初めてわかった。この絵は抽象画なんかではない。まさしく
写実画のごとく、現実を描き写したものだ、と。展示された当時は、テロ対策として、この絵は
防弾ガラスの中にあったそうだ。その後徐々にこの絵を守る防御壁は取り払われて行き、今
現在は普通の美術館と同じように絵の周囲数メートルの所に綱がかけられているだけである。
少しづつだが、ピカソが願ってやまなかった平和に近づいている証拠なのだろう。
たまたまいい時期に当たったらしく、ゴヤとマネの特別展示が観れたのも嬉しかった。ピカソ
同じ主題で描かれた絵がそれぞれ展示されていて、3枚の比較は非常に興味深いものだった。


ピカソの「ゲルニカ」。実物はかなり大きい絵です。shigeさんお待たせしました^^
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101005650.jpg


さて、それから一行は犯罪の巣窟、スペイン広場へ。自由行動では絶対に立ち寄っては
いけない場所と言われた所。普通広場って憩いの場だと思うのだが、マドリードでは、
公園や広場こそ犯罪が集約された場所らしい。さっさと写真を撮って、バスに戻る。


スペイン公園。真ん中はドン・キホーテの像。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101005700.jpg


その後バスは中心街のマドリード三越へ。そこで各自解散して自由行動へ。
買い物する者、オプションでトレドに行く者、様々。私たちはおみやげ探しに大通りを
歩く。道々、びくびくしながら進む・・・道行く人がみんな犯罪者に見えるから不思議だ。
完全に疑心暗鬼というやつである。マドリード=凶悪犯罪という図式が頭の中で成立
してしまっている・・・。しかし、負けじとウィンドウショッピング。せっかくスペインの
ファッション中心地まで来たのだから、女性ならばこれをしないでは帰れまい。
スペインブランドのZARAなど、日本で買うより格段に安い。同じツアーの女の子がびっくり
する程大量買いをしていてびびった・・・。ちなみに私はバーゲンのTシャツ2枚(推定
2千円弱)のみ。もっと買ってくれば良かったかなぁ。


お昼を食べにタパス料理屋ぽい雰囲気の所に入る。しかし、頼んだのはかの有名なイベリコ豚
の生ハムサンド!昨日のリベンジだ。単なるサンドイッチで7ユーロ(900円位か?)もしたが、
生ハムは塩味が絶妙に効いていて、本当に美味しかった。


イベリコ豚の生ハムサンド。リベンジなりました~~^^美味♪
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101005710.jpg


またぶらぶらと歩いて、買い物。夕方、疲れた頃に名物のチュロスとショコラを食べる為
カフェへ。チュロスを甘いショコラにつけて食べるマドリード名物だそう。ショコラが激甘
なので、チュロスも甘かったらどうしようと危惧したが、チュロス自体にあまり味はなく、
結構美味しかった。最後はショコラの甘さに辟易して結局残してしまったが。


ショコラに浸して食べる名物のチュロス。甘かった・・・。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101005720.jpg


最後にもう一度マドリード三越に戻り、最初に買い物した荷物を引き取って、タクシーで
(ぼられることもなく)ホテルへ。なんとか無事に何事もなくマドリードの自由行動を終える
ことが出来た。後で聞いた所、同じツアーの人たちはみんな何事もなかったそう。おそらく
運が良かったのだろう。ああ良かった・・・。ちょっとびびり過ぎてたか、自分・・・!?

夜は翌日の帰国の為に荷物整理で費やす。スーツケース20kgを意識しつつ、手荷物との
微調整。これが毎回結構悩む。超過料金はごめんだが、手荷物が重くなるのも嫌だし・・・
両者のせめぎ合い。そんなこんなで夜は更けて行くのだった。

翌日は飛行機で途中再びアムステルダムでの乗り継ぎを経て、一路成田へ。マドリード
多少飛行機が遅れたものの、乗り継ぎは問題なく、無事に日本へ到着。


慌しい旅だったが、一緒のツアーのみなさんはとてもみんないい人で、食事の席なども
楽しいひとときを過ごせた。私の風邪でもいろんな方から心配頂き、恐縮してばかりだった。
結局最後まで治らず迷惑ばかりかけていたのだが。
それにしても、ツアーというのは大変だということがよくわかった。楽な面ももちろん
あったが、体調不良も相まってこのハードさにはさすがについて行くのが大変だった。
次はゆっくりした自由旅行がしたいなぁなどと思うのだった(安全な国がいいな・・・)。



最終回なのにまとまりがなくてすみません。
長々とお付き合い下さった方、ありがとうございました。
スペインの治安ばかりを強調してしまいましたが、まだまだスペインには行って
みたい場所がたくさんあります。いつかまた行ってみたい魅力的な国であることは
間違いありません。