ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

永井するみ/「レッド・マスカラの秋」/理論社刊

永井するみさんの「レッド・マスカラの秋」。

三浦凪、17歳。両親の離婚により、母との二人暮らしだが、自由奔放な母は自分のことに忙しく、
凪のことは放任主義を貫いている。雪絵の失踪事件で知り合ったモデルのミリがティーン向け
秋冬物のファッションショーをやるというので東京ガールズフェスティバルと呼ばれるイベント
にやって来た。ステージで颯爽と歩くミリのメイクは、火の鳥マスカラと名付けられた赤い
マスカラの目元が印象的だった。しかし、その火の鳥マスカラが原因で、ミリはモデル生命の
危機に立たされてしまう。ミリが薦めた火の鳥マスカラをつけて目が腫れたモデルが失踪中
だというのだ。ミリにモデルを続けて欲しい凪は、事件の真相を調べ始めるのだが――シリーズ
第二弾。ミステリYA!シリーズ。


楽しみにしていた『カカオ80%の夏』の続編です。ハードボイルドな女子高生・凪は相変わらず
クールでかっこいい。今回は前作で知り合い、友人になったモデルのミリに降りかかった災難を
解決するべく奔走します。ミステリとしてはゆるいし展開も割と先が読めてしまうけれど、事件
の真相を探る中で知り合った人々と凪との会話が小気味良く、今回も友人の為に奔走する姿には
好感が持てました。YA作品としては充分楽しめる佳作になっていると思います。

ただ、今回の重要なアイテムである『火の鳥マスカラ』ですが、個人的な意見を述べるならば、
真っ赤なマスカラがそんなにブレイクするとはどうしても思えない^^;お化粧をする女性ならば
マスカラというのがいかに重要なメイクアイテムかはご存知だと思いますが、いくら十代でも
よっぽど奇抜なファッションをする子じゃないと真っ赤なマスカラなんて選ばないと思うし、
確実に似合う似合わないは出ると思うのですが。渋谷や原宿を歩いている女性の目元がみんな
赤かったら・・・怖いよ、ある意味^^;つけ心地がいいとか普通の洗顔料で落とせる
っていうのがウケる理由としてはわかるんだけど、でもやっぱり赤い色は抵抗ある人がほとんど
じゃないかなぁ。だから終盤の展開はちょっとリアリティがないなって思ってしまいました。
ちなみに、私が無人島に一つだけ化粧品を持って行くとしたら絶対アイブロウペンシル(眉毛
書き)ですね~。眉毛が薄いんですよ。休みの日とかほとんどお化粧しないんですけど、眉毛
だけは書いて行きます(笑)。もちろんマスカラも重要アイテムですけど!まつげが長くない
から、お化粧する時は必須ですね。でも赤い色は絶対イヤだなぁ・・・。あ、でも昔、青い
マスカラは持ってたっけ^^;お化粧ってほんと、女性を変えますね。まぁ、私はしても
しなくてもあんまり変わらない気がするけど・・・^^;持ってるメイク道具も女性としては
驚く程少ないんじゃないかなぁ。

いかん、つい脱線してしまった^^;
今回一番楽しみにしていた凪とマスターの恋がいまいち進展しなかったのは残念。お互いに
憎からず想っているのがわかるのに、じれったい二人です。凪のピンチに颯爽と現れたマスターが
かっこよかった~。新キャラ一樹に妬いてるところに一人でニヤニヤしちゃいました(笑)。

前回が『夏』で今回が『秋』だから、少なくとも『冬』『春』とあと二作は読めるのかな。
次回はもうちょっと凪とマスターのシーンを増やして進展させて欲しいです。もしや、最後の
『春』で二人の春がやって来るのかも!?・・・深読みしすぎ?^^;
次回作も楽しみです。