ミステリ読書録

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西尾維新/「恋物語」/講談社刊

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西尾維新さんの「恋物語」。

これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!

“片思いをずっと続けられたら――それは両想いよりも幸せだと思わない?”
阿良々木暦(あららぎこよみ)を守るため、神様と命の取引をした少女・戦場ヶ原ひたぎ
約束の“命日”が迫る冬休み
彼女が選んだのは、真っ黒で、最悪の手段だった……。
<物語>はその重圧に軋み、捩れ、悲鳴を上げる――
青春は、きみに恋するためにある(紹介文抜粋)。


物語シリーズ、セカンドステージ最終巻。副題はひたぎエンドということで、最終巻こそ
暦とひたぎのラブラブハッピーいちゃいちゃシーンが満載・・・かと思ったのにっ。
っていうかさ、それを目当てにここまでなんとか読みついで来たのにさ。例え、一作ごとに
当初の面白さが消えて、わけわかんない方向に進んで読むテンションが下がる一方でもさ、
最後の『ひたぎエンド』で全部が報われる、と信じて読み続けて来た読者としては。

冒頭の一人称判明の時点でテンションだだ落ちだったわよっ。
何なの、貝木って。作者はひたぎが一人称だろうと思い込んでる読者に対して『やーい、ひっかかったー』
みたいにニヤニヤしたかったのかもしれないけどさっ。
っていうか、はっきりいって、前作以前の内容をすぐに忘れちゃう人間だから、『はて、貝木
って誰だっけ・・・?』状態だったわよ^^;;なんか、ひたぎと昔何かあったようだけれど、
そんな昔の設定覚えてないってば。特に、図書館ユーザーとしては、前の作品なんか読み返せ
ない訳で。
貝木が、ひたぎたちが住んでる街から締め出し食らってる理由とかも、さっぱり思い出せない
状態で読んでたものだから、余計に入って行けなかったです。

暦の出番なんか全くなかったですしね。せめて、ちょこっとでもひたぎと暦が一緒にいるシーン
とかがあったらもうちょっと溜飲が下がった気もするのに。こんな副題つけといて、この内容は
ないよぅ・・・(ダジャレじゃないです)。

まぁ、貝木が詐欺師の割に意外にいいやつだったところは良かったですけど。彼の一人語り
だったせいもあって、ラストはちょっとショックだったな。そんなあっけなく・・・。

でも、一番ショックだったのは、巻末の広告ページの『ファイナルシーズン』の予告。
ファイナルシーズンて・・・ま、まだ続くのかよーーー^^;;今回で終わりだとばかり
思っていたので、最終巻としてはかなり肩透かしだなぁとは思っていましたけどもね。
だからといって、もっと読みたいかと言われると・・・。
さすがにもうそろそろいいかなぁって気が・・・今回みたいな脱力、また毎回のように
味わわされそうだし。一作ごとにワケわかんない方に進んでる気がして、いまいち楽しめないし。
このシリーズで、純粋にくだらないけど面白いなぁ、と思えたのって、一作目の化物語
くらいだったかも・・・。

なんか、愚痴いっぱいの記事になっちゃったな。だって、期待してた分、がっかり感が
大きかったんだもん・・・。
今回の作品は、貝木が撫子を騙す物語ですが、作者が読者を騙す物語でもあるというワケです。
なんだか、いいように作者に踊らされただけだったような。
ファイナルシーズンはさらっとスルーしそうだな、自分・・・。