ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

読了本四冊。

はいどうも、こんばんは。
いやー、寒くなりましたね~。朝布団から出るのがツライ・・・そして、一度
こたつに入るとそこから動けない(ToT)。
こたつは確実に人間をダメにしますね・・・でも手放せない~(><)。
そういえば、今日はボジョレーヌーボー解禁日ですね。飲まれた方いらっしゃいますでしょうか。
うちも父が買って一本おすそ分けしてもらったんですが、あいにくと今日は相方が夜勤のお仕事で
不在。明日の夜開けようかなーと思っております(といっても、私が飲むのはせいぜい一杯の
1/3程度ですが・・・お酒弱いんで^^;)。


久しぶりの更新になってしまったので、今回は四冊(実は五冊読了してますが、もう一冊は次回に
回します^^;)。
うち二冊はすでに本を返却してしまったので、内容もすでにうろ覚え状態・・・(早いよ)。
内容の薄い感想になっちゃいそうですが、一応備忘録の為さくっと書いておきますー。


長岡弘樹「群青のタンデム」(角川春樹事務所)
長岡さん新作。雰囲気は『教場』に近いです。舞台は警察学校ではありませんが、
警察学校で同期だった男女の警察官二人が交互に主役を務める連作短編小説です。
同期で仲間だろうが、二人とも競争意識が高く、お互いに相手を出し抜くことばかり
考えているところに若干ゲンナリ。『教場』でも、同級生を裏切る言動ばかりする登場
人物たちにイヤーな気持ちになったのだけど、これが長岡さんの警察小説のスタンダード
なんですかねぇ(『教場』は警察学校の話ではあるけれど)。
ただ、今回の主人公である、耕史と史香の関係は、もうちょっとお互いに複雑な感情を
抱えていると云えるでしょう。耕史は優秀な史香に負い目を感じているし、史香は
男性である耕史に負い目を感じているし。お互いに、相手のことを意識しあって、競争
し、時には助け合いながら警察官として成長していく。一話ごとに時代は進み、最終的には
二人の定年後が描かれます。つまり、警察官としての二人の一生を追っているとも言えますね。
そんなライバルであり友人である二人の仲は、結局最後まで恋愛関係に発展することは
ありません。ただ、少なくとも耕史の中には明らかに史香に対して友情を超えた何かがあったように
感じました。二人が警察官という立場じゃない場所で出会っていたら、もっと素直に
恋愛関係になれたのかもしれないなぁ・・・とちょっと残念に思いました。
最終話では、史香に関して意外な事実が判明し、驚かされました。警察官だった時に
追求しなくてよかったのか・・・と思わないでもなかったけれど、それが耕史の愛情
なんだろうな、と納得しました。警察官の正義には明らかに反していると思うけどね。
面白くなかった訳ではないのだけど、どのお話もちょっと説明が回りくどすぎて、状況を
把握するのに苦労しました。結局よくわからなかった話もあったし。もうちょっと、
読者にやさしい書き方をしてくれないものかしら。『教場』で気に入った読者が本書を
読んで受け入れるかどうかは、ちょっと疑問に感じる。いや、雰囲気は似ているの
だけど。なんだか、煙に巻かれたような結末の話が多かったんで、ちょっと読者を選ぶ
作品かもしれない。


我孫子武丸「特捜班危機一髪 警視庁特捜班ドットジェイピー」(光文社)
シリーズ第二弾。まさか第二弾が出るとは・・・。っていうか、前作の内容、驚くほど
覚えてなくって、困りました・・・。
警視庁のイメージアップの為に結成された、警察官の戦隊ヒーロー『ドットジェイピー』
企画した上の人間(警視庁のトップと都知事)は、彼らのことを客寄せパンダくらいにしか考えて
なかったものの、思わぬ活躍をして人気が出てしまった為、扱いに困っていた。彼らを
上手く失墜させる為、都知事は新メンバーと称して優秀なSP姉弟を刺客としてドットジェイピー
に派遣するのだが。
相変わらず、完全に趣味に走って書いてますよね。我孫子さんが非常に楽しんで書いているのは
伝わって来るものの、読者としては若干置いていかれ気味だったような・・・。
香蓮の腐女子っぷりと、それに乗っかる美雨が面白かったです。自分の兄とのアレが見たい
だなんて、なんて歪んでるんでしょう・・・。
終始ドタバタ喜劇なんで、まぁ、気軽に読めるエンタメと割りきって読むのが吉でしょう。
ちゃんとした警察小説が読みたい方には間違ってもオススメいたしません・・・。
喜国さんの表紙絵もいい感じに突き抜けてて好き(笑)。


柚木麻子「3時のアッコちゃん」(双葉社
『ランチのアッコちゃん』の続編。またあのアッコさんに会えるー!と楽しみにしてました。
今回も、直接アッコさんが出て来るお話は前二作のみ。後半の作品は、アッコさんが経営する
『東京ポトフ&スムージーの名前が一瞬ちらっと出て来るのみ。なぜか、柚木さんは
このスタイルに拘っているみたいですねぇ。全篇アッコさん関係の物語でいいと思うんだけどな。
いや、後半の二編も普通にお仕事小説としては面白かったのだけどね。でも、なんかシリーズもの
としては消化不良に感じちゃうのよね。三智子が再びアッコさんに会えたのかどうかも気になるし。
作品としては、やっぱり一作目の表題作(『3時のアッコちゃん』)が好きかな。三智子の会社に
アッコさんが五日間3時のお茶の給仕にやって来るお話。アッコさんのお茶とお菓子で、会社の
人たちの会議の様子が少しづつ変わって行くところが面白かった。出て来るお茶やお菓子も美味しそう
だったし。最近我が家でも紅茶を飲む機会が増えたので、美味しい紅茶の淹れ方をアッコさんに
学びたい!と思ってしまいました。
二作目の『メトロのアッコちゃん』は、アッコさんの言動、冷静に考えると完全にストーカー
ですよね・・・。会社まで突き止めてやって来た時は、さすがにちょっと『怖っ』と思いました^^;
自分に自信がない明海の性格は、非常に共感出来るところが多かったです。最後にはアッコさんの
熱意が功を奏して、明海の意識がいい方に変わってくれて嬉しかったです。アッコさんのスムージー
は身体に良さそうですねぇ。
三話目の『シュシュと猪』も話としては面白かった。街なかに、普通に猪が出現するって、
一体どんな街なんだよ、とツッコミたくなりましたが・・・^^;シュシュをつけて猪突猛進する
ベティの姿を想像すると、シュールすぎて笑えました(笑)。ギャル三人組が、塔子の意見で
お店を激変させるところが良かったですね。お店を道楽でやってる感じが最初非常に不快だったの
ですが。しかし、最後の『いのシュシュ』のネーミングセンスはどうかと思うなぁ・・・塔子さん。
四話目の『梅田駅アンダーワールドは、就職戦線に負け続ける女の子が主人公。私も大学四年の時
女子の超就職氷河期と言われた年で、周りもみんな就活で苦労していたので、主人公の気持ちは
よくわかりました。大阪の梅田駅って、そんなに複雑な構内なんですかね。初心者に優しくない
なぁ。まぁ、東京の駅でも、わかりにくい駅はたくさんありますが。中二階とか作るの、やめて
欲しいですよねぇ。ラストの展開は意外でした。大阪らしいスカウトだとは思うけど(笑)。意外と、
主人公はそっちの道に行ったらはまるのかもしれないなーと思いました(本人は連絡することはない
と断言しているけれど)。

どのお話も楽しく読んだのだけど、やっぱり、もうちょっとアッコさんの活躍が読みたかったかな。


鯨統一郎オペラ座の美女 女子大生桜川東子の推理」(光文社)
ヤクドシトリオシリーズ・・・(正確なシリーズ名はわかりません^^;)。今回はオペラがテーマ。
それぞれの作品でオペラの名作が出て来ます。相変わらず、ヤクドシトリオの会話がクダラナイ。
アホ過ぎて、そして会話が古すぎて、若干引いてしまう部分がなきにしもあらず・・・。
でも、このシリーズはこれが醍醐味なんで~。マスターのアホさ加減にいちいちツッコミを入れる
探偵工藤の独白に何度吹き出したことか。
無理矢理ミステリを差し込むところも相変わらず。そっちの推理はとってつけたくらいの扱い
なので、ミステリ的にどうとかツッコむ気にもならず。
ちなみに、今回取り上げられたオペラは、カルメン』『椿姫』『蝶々夫人』『フィガロの結婚
サロメ
どれも名作ばかりですねー。といっても、オペラ自身を観たことはありませんが。ただ、『椿姫』
フィガロの結婚』『サロメ』は本で読んで内容は知っています。
オペラはちょっと敷居が高い印象があるんですけど、一度は生で観てみたいものですねぇ。歌舞伎と
一緒で、字幕も出るんですね。でも、初めて観るなら、内容知ってる話の方がいいだろうなぁ。
しかし、一公演最低二万もするのか・・・この先も縁がなさそうだ^^;
あ、本の内容の感想がほとんどなくてすみません。つまり、そういう作品だってことなんで(笑)。
アホな会話とオペラと懐メロとビールのうち、どれかひとつでも好きなものがあるなら、楽しめる作品
かも・・・しれません(笑)。