ミステリ読書録

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三萩せんや「神さまのいる本屋 まほろばの夏」/宮木あや子「野良女」

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どうもこんばんはぁ。桜も咲いて、ようやく春らしくなって来ましたねぇ。
街中の桜も満開。この時期になると、日本人で良かったなぁ、としみじみ思いますね。
お花見も行って来ましたよー。六義園の枝垂れ桜、昨年に引き続き今年も観て来ました。
去年は夜桜でしたが、今年は昼間に行って来ました。そして、去年は散り際でちょっと
残念な状態だったんですが、今年はちょうど見頃の時期で見事リベンジできました(笑)。
庭園も素敵だったなぁ。あれだけのお庭を維持するのに、どれだけのお金がかかるのやら。
どこもかしこも眼福でありました。

六義園の枝垂れ桜。お天気がイマイチだったので、写真もイマイチですが^^;桜の精が現れそうですね。
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読了本は今回も二冊です。


三萩せんや「神様のいる書店 まほろばの夏」(KADOKAWA/メディアファクトリー
図書館の新刊案内で、題名が面白そうだったので予約してみました(何の予備知識もなし)。
とりあえず、本屋とか図書館とか、その手の単語が入っていると読んでみたくなって
しまう性分なもので^^;
内容は完全にラノベっぽかったですが、なかなか面白かったです。魂が宿る本ばかりを
集めた本屋でバイトすることになった女子高生のお話です。青春ファンタジーって
感じでしょうかね。
学校や家で居場所がないと感じる女子高生の紙山ヨミは、本の中だけが自分の居場所
だと思っている。自分の居場所を作ってくれた本に恩返しがしたいと思うヨミは、
懇意にしている司書教諭に勧められて、夏休みの間だけ本屋でバイトをすることに。
しかし、そこは、世にも不思議な本ばかりを集めたこの上もなく風変わりな本屋だった――。
魂が宿るまほろ本』という設定が個性的で、面白かったです。豆本まほろ本、
柴犬の姿をした豆太が可愛かった~~。我が家に欲しいです(笑)。
サクヤのツンデレキャラはちょっとステレオタイプ過ぎな気もしましたが、終盤のマンガちっくな
胸きゅん展開は、個人的には嫌いじゃなかったです(笑)。本と人間との恋愛っていうのも
なかなかに新しい設定ですよねぇ。サクヤが、自分が壊れた時はヨミに直して欲しいとヨミと
約束するシーンはいかにも伏線っぽかったので、その後の展開はほとんど読めてしまいましたが。
ちょっと終盤はあっさりうまく行き過ぎかなぁとは思ったものの、こういうライトな作品だと、
これくらいあっさりしている方がいいのかも?
ナラブのキャラが一番謎でしたねぇ。おぼっちゃまにも程があるというか(苦笑)。
腹黒いのは間違いなさそうだけど、基本的には良い人なんでしょうね。サクヤが最後
ああいうことになったのは良かったけど、戸籍とかそういうのはナラブが自分の財力を
駆使してなんとかするのかなぁ、と変なところが気になってしまった(苦笑)。そのままじゃ、
いろいろ生きづらいでしょうからねぇ・・・。
ひとつ気になったのは、ヨミが司書教諭の事原との約束を破って、まほろ屋書店のことを
友人のフミカに勝手に話してしまったこと。とりあえず、話していいか確認してから
話すべきだったのでは。いくらフミカが誰かに言いふらすような人間じゃないと信じて
いるからって、万が一そうじゃなかった時どうするつもりだったのやら。フミカがいい子
だったから良かったですけどね。
この作品、すでに二作目が出ているようです。新刊だと思っていたのに^^;
ヨミとサクヤのその後も知りたいと思っていたので、読むのを楽しみにしたいと思います。


宮木あや子「野良女」(光文社)
予約本が落ち着いていたので、開架で見かけて面白そうだったので借りてみました。
宮木さんの作品は読んでみたい作品がまだまだたくさんあるんですよね~。あんまり図書館に
置いてないのが残念なのですが。
これは、5人のアラサー女子を主役にした連作短編集。アラサー女子の内情をなんとも赤裸々に
描いていて痛快でした。
が、しかーし。出て来る女子の誰一人として共感出来る人間がいなかったという・・・。
いや、もちろん私はすでにアラサーなんて遥か遠く昔のことな訳で、共感出来なくて当たり前
だと言われればそれまでなんですけどもね。でも、多分アラサーの時に読んでも、全く同じ
感想なんじゃないかと。っていうか、巷のアラサー女子って、こんなに頭の中下ネタのこと
ばかりなんですか!?絶対違いますよね!?誰か違うと言ってーーー!!(ぜえはあ)
私個人的な経験として、ぶっちゃけ女友達と下ネタの話とかしたことないんですよ。
だから、彼女たちの会話がどうにも異星人たちの会話のように思えて仕方なかったです・・・。
いや、これが男子だったらわかるんですよ。男の子同士の会話だったら、下ネタばかりでも
理解出来るんですけども。
うーん、人種が違うとしか言いようがない。しかし、おそらく、世の中にはこういう女子も
たくさんいるのであろう・・・。いや、私が少数派なのだろうか・・・。別に清純派だったとか、
そういうのじゃないですけどね。小中高大、どの時代の友達ともしたことがないので、彼女たちの
会話のあけすけなところには、正直面くらいました。
また、彼女たちが付き合う男がみんな、判を押したようにクズ男ばっかり。なんでこんなの
選ぶんだろうっていう。唯一好感持てたのは、一話の主人公・遣水といい関係になる鈴木大輔
くらいだったなぁ。みんな、外見は可愛いのに、不思議。ほんと、だめんず好きな女って
いるんだなぁ。
下ネタ満載だったけど、なんだかんだで面白くって一気読み。赤裸々過ぎて、少々引くくらい
だったけど^^;しかし、二年間アレをしないからって、苔が生えるとか、なんかもう、
表現がすごいな、とただただ感心してしまった。女性ならではですよねぇ、こういう表現。
各ヒロインの中で、一番理解出来なかったのは桶川だな。DVされてこそ愛、みたいな考え方、
全くもって理解不能。アホな桶川の彼氏はクソみたいな人間だし。あっさり宗教にはまって
改心しちゃうし。何なんだ、もう。新たに出会ったのがオタク男子で、エヴァのコスプレで
SMプレイ・・・ダメだ、世界が違すぎてついていけない・・・って感じでした(苦笑)。
次に理解出来なかったのは横山。不倫ってだけで無理だけど、不倫相手のクソっぷりに
ドン引き。そして、横山の物語は一番衝撃的な結末でした。あまりにも酷い。こういう男は
本当に、天誅が下ればいいと思う。腹が立って仕方がなかったです。最後まで、自分の保身
のことばかり考えているところに吐き気がするほど嫌悪感を覚えました。朝日が紹介した弁護士
によって徹底的にやられればいい、と思いました。
出て来る5人の女、それぞれに痛い人間ばかりです。でもまぁ、彼女たちは彼女たちで、
自分を貫いていて楽しそうだし、いいのではないかと。彼女たちの物語を読んでいて、痛切に感じたのは、
『類は友を呼ぶ』ということ。だからこそ、それぞれに分かり合えるんだろうなぁ。性格は
全然違うのにね。最終話で、5人で女だらけの焼き肉大会で語り合うのが楽しそうで
ちょっとうらやましくなりました。ま、かといって、彼女たちみたいになりたいとは、少しも
思わなかったのだけれどね(苦笑)。
非常に下品な内容でしたが(^^;)、非常に楽しめました(笑)。なんだか、スカッとしました。