めっきり寒くなりました。巷では風邪が流行っているようですが、みなさま
ご体調崩されてませんでしょうか。
朝晩と日中の気温差が激しいので、ご自愛下さいね。
ご体調崩されてませんでしょうか。
朝晩と日中の気温差が激しいので、ご自愛下さいね。
読了本は今回二冊です。
柴田よしき「あおぞら町 春子さんの冒険と推理」(原書房)
以前、アンソロジーで読んだ作品がシリーズ化され、単行本になったもの。
『捨てる』をテーマにしたアンソロジーで、主人公夫婦のキャラの良さと
関係がとても気に入った作品だったので、シリーズ化されたと知って嬉しかった
です。三作収録されています。
一話目の『春子さんと、捨てられた白い花の冒険』は、上記の通りアンソロジーで
既読だったので、ほぼオチもしっかり覚えていました。近所の男が白い花を捨てた
行動の裏に隠された暗い事実に怒りがこみ上げてきました。ただ、事件の暗さに
反して、主人公春子夫妻の絆の深さに救われた気持ちになりました。
二話目の『陽平くんと、無表情なファンの冒険』は、プロ野球の二軍選手である
春子の夫・拓郎が試合をする球場に、試合の度に現れる無表情なファンの女の謎を
描いた作品。女が試合を無表情で観戦する理由には、意外な事実が隠されていました。
陽平が、なんとしても拓郎に結婚式の司会をやってもらいたい理由には、胸がじーんと
しました。拓郎、なんていい奴なんだー!そんな拓郎を、春子が心の底から愛しているのが
伝わって来て、そのラブラブっぷりにこちらが照れてしまった(笑)。素敵な夫婦だなぁ。
三話目の『有季さんと、消える魔球の冒険』は、春子が憧れるブロガーの有季が、
実は引退した有名野球選手の妻で、最近春子夫婦が住む青空町に越して来たことが
わかって交流が始まり、その流れで有季が抱えている悩みを聞くことになるという話。
有季の抱える悩みはあまりにも重い。私だったら、絶対こういう気持ちにはならない
だろうなぁと思う。強い女性だな、と思いました。ラストの春子の決意は、これからの
二人の生活を考えると必然なのかな、と思いました。拓郎が一軍の選手だったらまた
違うのだろうけど。春子もまた、とても強い女性だな、とますます彼女のことが
好きになりました。
あとがきでは、これからもシリーズは続いていくとのこと。続編が待ち遠しいです。
以前、アンソロジーで読んだ作品がシリーズ化され、単行本になったもの。
『捨てる』をテーマにしたアンソロジーで、主人公夫婦のキャラの良さと
関係がとても気に入った作品だったので、シリーズ化されたと知って嬉しかった
です。三作収録されています。
一話目の『春子さんと、捨てられた白い花の冒険』は、上記の通りアンソロジーで
既読だったので、ほぼオチもしっかり覚えていました。近所の男が白い花を捨てた
行動の裏に隠された暗い事実に怒りがこみ上げてきました。ただ、事件の暗さに
反して、主人公春子夫妻の絆の深さに救われた気持ちになりました。
二話目の『陽平くんと、無表情なファンの冒険』は、プロ野球の二軍選手である
春子の夫・拓郎が試合をする球場に、試合の度に現れる無表情なファンの女の謎を
描いた作品。女が試合を無表情で観戦する理由には、意外な事実が隠されていました。
陽平が、なんとしても拓郎に結婚式の司会をやってもらいたい理由には、胸がじーんと
しました。拓郎、なんていい奴なんだー!そんな拓郎を、春子が心の底から愛しているのが
伝わって来て、そのラブラブっぷりにこちらが照れてしまった(笑)。素敵な夫婦だなぁ。
三話目の『有季さんと、消える魔球の冒険』は、春子が憧れるブロガーの有季が、
実は引退した有名野球選手の妻で、最近春子夫婦が住む青空町に越して来たことが
わかって交流が始まり、その流れで有季が抱えている悩みを聞くことになるという話。
有季の抱える悩みはあまりにも重い。私だったら、絶対こういう気持ちにはならない
だろうなぁと思う。強い女性だな、と思いました。ラストの春子の決意は、これからの
二人の生活を考えると必然なのかな、と思いました。拓郎が一軍の選手だったらまた
違うのだろうけど。春子もまた、とても強い女性だな、とますます彼女のことが
好きになりました。
あとがきでは、これからもシリーズは続いていくとのこと。続編が待ち遠しいです。
柳広司「柳屋商店開店中」(原書房)
柳さん最新作。短編集+エッセイ(&雑文)集。最初はタイトルから普通にエッセイ集だと思って
読みはじめたので、小説が始まってアレ?と思ったんですけど。
あとがき読むと、どうやら、始めの企画ではエッセイ集を、ということだったらしいの
ですが、作家活動16年間を持ってしても、1冊纏めるほどのエッセイを書いておらず、
仕方なく未収録短編を一緒に収録することになったのだそう。確かに、柳さんのエッセイ
って読んだことなかったかも。あとがきもそんなに書かれてるイメージないしね。
確かに、数少ないエッセイを読む限り、あんまりエッセイ向きの文章じゃないなーって
感じはしましたけど^^;推理作家協会賞受賞に向けた言葉なんかも、普通に受賞の感想を
書くのではなく、なんとか技巧を凝らして小説風にしたりするんだもの。何かしら
フィクションを取り込まないといられない性格なんだろうなぁ。なんせ、既存の小説も、
絶対額面通りに受け取らずに、裏を読もうとしちゃうんですから。だからああいう小説が
書けるんだなーと納得したところもありましたけどね(苦笑)。
個人的には、エッセイ部分よりも、前半の短編集部分の方が面白かったな。ショートショート
でも読ませるものが多く、苦手な筈の中国を舞台にした短編二作も意外と面白く読めた。
あとは、やっぱり『ジョーカーゲーム』シリーズのスピンオフ『シガレット・コード』
が収録されているのがファンとしては嬉しいところ。といっても、これ、アンソロジーで
既読だったんですけどね^^;
『走れメロス』のパロディ話にもウケた。あの名作にこういう裏話があったと思うと
ニヤリとしちゃいます。メロスのダメダメさがなんとも。セリヌンティウス可哀想すぎ^^;
メロスをこっそり後ろから追いかけて手助けする監視の者たちも健気に苦労していて、
そんな彼らの努力を無にしようとするメロスのいい加減さが気の毒だった。
YA向け小説を、と言われて書いた『すーぱー・すたじあむ』もぐっと来た。竜次の言動には
ほとほとうんざりしていたのだけど、最後まで読むと全く違う印象になりました。ただ、
彼は真っ直ぐなだけだったんだろうなぁ。まぁ、はた迷惑な奴なのは間違いないけれど。
ただ、その後に収録されている『月光伝』だけはあまり良さがわからかなかった。こんな
オチじゃ、そりゃボツにもなるよなぁ、という感じ。ファンタジー小説を、と言われて
書く作品じゃないと思うなぁ。
小説部分は柳さんらしいものが多く、短編ながらも結構読み応えありました。エッセイ部分は
まぁ、ご愛嬌って感じかな(苦笑)。
ファンなら楽しい1冊じゃないでしょうか。
柳さん最新作。短編集+エッセイ(&雑文)集。最初はタイトルから普通にエッセイ集だと思って
読みはじめたので、小説が始まってアレ?と思ったんですけど。
あとがき読むと、どうやら、始めの企画ではエッセイ集を、ということだったらしいの
ですが、作家活動16年間を持ってしても、1冊纏めるほどのエッセイを書いておらず、
仕方なく未収録短編を一緒に収録することになったのだそう。確かに、柳さんのエッセイ
って読んだことなかったかも。あとがきもそんなに書かれてるイメージないしね。
確かに、数少ないエッセイを読む限り、あんまりエッセイ向きの文章じゃないなーって
感じはしましたけど^^;推理作家協会賞受賞に向けた言葉なんかも、普通に受賞の感想を
書くのではなく、なんとか技巧を凝らして小説風にしたりするんだもの。何かしら
フィクションを取り込まないといられない性格なんだろうなぁ。なんせ、既存の小説も、
絶対額面通りに受け取らずに、裏を読もうとしちゃうんですから。だからああいう小説が
書けるんだなーと納得したところもありましたけどね(苦笑)。
個人的には、エッセイ部分よりも、前半の短編集部分の方が面白かったな。ショートショート
でも読ませるものが多く、苦手な筈の中国を舞台にした短編二作も意外と面白く読めた。
あとは、やっぱり『ジョーカーゲーム』シリーズのスピンオフ『シガレット・コード』
が収録されているのがファンとしては嬉しいところ。といっても、これ、アンソロジーで
既読だったんですけどね^^;
『走れメロス』のパロディ話にもウケた。あの名作にこういう裏話があったと思うと
ニヤリとしちゃいます。メロスのダメダメさがなんとも。セリヌンティウス可哀想すぎ^^;
メロスをこっそり後ろから追いかけて手助けする監視の者たちも健気に苦労していて、
そんな彼らの努力を無にしようとするメロスのいい加減さが気の毒だった。
YA向け小説を、と言われて書いた『すーぱー・すたじあむ』もぐっと来た。竜次の言動には
ほとほとうんざりしていたのだけど、最後まで読むと全く違う印象になりました。ただ、
彼は真っ直ぐなだけだったんだろうなぁ。まぁ、はた迷惑な奴なのは間違いないけれど。
ただ、その後に収録されている『月光伝』だけはあまり良さがわからかなかった。こんな
オチじゃ、そりゃボツにもなるよなぁ、という感じ。ファンタジー小説を、と言われて
書く作品じゃないと思うなぁ。
小説部分は柳さんらしいものが多く、短編ながらも結構読み応えありました。エッセイ部分は
まぁ、ご愛嬌って感じかな(苦笑)。
ファンなら楽しい1冊じゃないでしょうか。