ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

浦賀和宏/「上手なミステリの書き方教えます」/講談社ノベルス刊

浦賀和宏さんの「上手なミステリの書き方教えます」。

友だちもいない、女にもまったくもてない。唯一仲よくしてくれていた大切な妹は、暴漢に撃たれ、
意識不明の重態。心和むのは、自分の部屋でガンプラを作っているときくらい……。不幸の女神に
愛された男、八木剛士の前人未到なほど前途多難な恋。やっと訪れた「青春」が剛士にもたらす
ものは?結末圧倒的感動必読!! (裏表紙より引用)


えー、すいません。あらすじ考えるの放棄しました(無理)。という訳で、今回は裏表紙から
そのまま抜粋させて頂きました。
えーと、えーと・・・辛かった。ほんとに、読むのが。特に第一章の八木君のどこまでも
果てしない自虐と妄想について行けず、数ページ読んでは休み、また数ページ読んでは
ため息をつき・・・。「この恨みはらさでおくべきかリスト」には笑っちゃいましたけど(笑)。
一体この文章にはどこに終わりがあるのだろうと悩みつつ、とにかく「次の章になればきっと
面白くなる筈・・・!!」と信じて自分を鼓舞しつつ読み進める・・・。

でとにかく第二章突入。またしてもいじめられっこ八木君がどれだけいじめられてるかの
エピソードのオンパレード。ストーリーらしきものが見当たらない。もう八木メェメェは
いいから何か事件を起こせ!とツッコミつつ、とにかく耐える。いらいらいらいらいら・・・。
いやいや、浦賀さんのことだ。きっと次の章では事件が起きる筈!!ガンバレ、私!

三章。ひえー、ま、まだ半分も行ってないのかー!!っていうか、何なの、この妹萌え
描写は!!多分これは何らかの仕掛けの章なんだろうなぁとは思いつつも、キモイ。ほんと
に読んでて本を投げそうに・・・ダメダメ!投げてはいけない。この本は大事な本だ。
でもでも、とてもついていけない萌え系小説作家の独白の数々にまたしても挫折しそうになる。
萌え小説とかオタク小説とか、もうどうでもいいよ・・・。ま、負けるな自分。

四章。や、やっと折り返し。な、長いよー。読んでも読んでも終わらないよー。助けてー(誰に?)。
や、やっと事件らしきものが出てきたー(狂喜)!と思ったら、な、なんなんだ、この
展開。単なるエロ小説じゃないのよっ。確かに事件の謎は解かれたけれども。意外な人物が
事件と繋がっていて、ちゃんとミステリにはなっていたけども。萌え系オタク小説が
好きな読者へのサービス!?どうしちゃったの浦賀さん・・・。
そして極めつけのラスト。「結末圧倒的感動必読!!」・・・??確かに八木君にとっては
一矢報いたという意味で爽快感があったのかもしれないけど・・・お前ら小学生か!と
突っ込みたくなりました。こんなオチか・・・。がっくり。でもこの部分を評価する人も
いるんだろうなぁ。まぁ、嫌いな終わり方ではないですけど。ここだけちょっと青春っぽいし。
でも『圧倒的感動』は出来なかったです。出来る人いるのかな?

2作目まではもうちょっとストーリー性があったように思うんですが・・・。だいたい、八木君
の「死なない男」という設定はどこに行ったんでしょう。何かせっかく2作目までで築き上げた
設定を全く生かしてないのが痛い。何が書きたいんだろ、浦賀さんは。

これ以降の作品はどんどんすごい展開になって行くらしいので、正直自分がついていけるのか
不安・・・。でもある意味、このシリーズがどういう結末を迎えるのか、非常に興味はあります。
よ、読みますよ!!でも、しばらくは時間を置きたいかな・・・。
浦賀ファン以外の人にはとてもお薦めできませんが、コアな小説が好きな方にはチャレンジして
みて頂きたいです。


とにかく読みきったよ、ゆきあやさん!!(評価が低くて、ごめんなさい・・・)