ミステリ読書録

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磯谷友紀/「本屋の森のあかり ①」/講談社コミックスKISS刊

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磯谷友紀さんの「本屋の森のあかり  廖

大型書店「須王堂書店」に勤めるあかり。3年間地元の支店でのんびりと勤めて来たが、
異動で東京の本店勤務に。全ての規模が地方とは違い、失敗してばかり。でも、職場には
メガネの似合う素敵な副店長が。でも、彼は人間よりも本が好きという本の虫だった・・・
すべての本屋好きに贈る、爽やか書店ストーリー。


本も読み終わったのがあるのですが、今日は面白い漫画を読んだのでご紹介します。
はっきり言えば表紙買い・・・というよりも、帯の惹句買いというのに近い。だって、
書店が舞台+なごみ系メガネ男子とクールなメガネ王子と書かれちゃったらもう。
こりゃ、買わない訳にいかないでしょう(あ、私だけですか)。

書店の日常を扱うというだけで、本好きにはたまらない設定です。
大崎梢さんの「配達あかずきん」の漫画版といった感じ。本屋さんの日常を覗けた
気分でとても興味深く読みました。それに、のんびりしたお人よしの主人公、本の虫で
優しい福店長、姉御肌で頼りになる主任、毒舌で嫌味ばかり言うけど仕事のできる同僚と、
キャラクターも個性的で楽しい。それに加えて、一話ごとに扱われる一冊の本にまつわる
エピソードがなかなか読ませてくれます。
ちなみに出て来た作品は、

マザーグース
「いばら姫」
ロビンソン・クルーソー
「永訣の朝」
「デイヴィット・コッパーフィールド」

・・・残念ながら私が読んでるのはマザーグースを一部だけ。あとはいばら姫を絵本で
読んだことがある位ですが^^;本好きならばどんな人にも「思い出の一冊」が
ありますよね。そういう大事な一冊を思い出させてくれる温かいエピソードばかりでした。


何より、どの登場人物も本が好きだというのが伝わって来て、嬉しくなります。
本と本屋好きにはきっと楽しめる一冊。
それにしても、副店長・杜三の一日10冊の読書量にはのけぞりました・・・そんなことが
どうやって可能なんだー^^;速読術でも身につけているのか・・・。アンタは京極堂か!
と突っ込みたくなりました(苦笑)。でもこういう茫洋とした人好きなんですよ~。
私もあかりの立場だったら好きになってるな、絶対。

ただ、絵ははっきり言えばまだ未熟。線もしっかりしてなくて、まだ描き慣れていないのが
ありありとわかる。ただ、描き慣れれば多分かなり綺麗な絵になって行く気がする。
これからも追いかけてみたい作品でした。