今野敏さんの「隠蔽捜査」。
竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁
ぶりに、周囲は〈変人〉という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守る
ため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人
事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作
(新潮社HPより抜粋)。
ぶりに、周囲は〈変人〉という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守る
ため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人
事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作
(新潮社HPより抜粋)。
一日経って指の痛みは大分なくなりましたが、相変わらず中指が使えないのでブラインド
タッチが上手くできません。自業自得とはいえ、不便だなぁ・・・。手に力が入るように
なっただけましですが。あらすじもずるして抜粋です。すみません。
タッチが上手くできません。自業自得とはいえ、不便だなぁ・・・。手に力が入るように
なっただけましですが。あらすじもずるして抜粋です。すみません。
というわけで、皆様からの大絶賛を浴びていた本書、遅ればせながらようやく読みました。
実は今野さんを読むのは初めて。ブログ開設前からミステリ好きの知り合いに薦められたことは
ありましたし、ブログのお仲間さん内の評価も大変高いので気になってはいたのですが、
いかんせん、私は警察小説というものにあまり食指が動かない。もちろん、横山さんのように
好きな警察小説作家もいるのですが、なんとなく手に取るのに躊躇するジャンルなんですよね・・・。
だから予約してわざわざ借りるという気になれずにいたのですが、先日たまたま仕事の用事で
行った歯科医師会館の帰りに立ち寄った中央図書館(両者は目と鼻の先なのです)で発見。
『聖女の島』同様ついに捕獲に至ったのでした。
実は今野さんを読むのは初めて。ブログ開設前からミステリ好きの知り合いに薦められたことは
ありましたし、ブログのお仲間さん内の評価も大変高いので気になってはいたのですが、
いかんせん、私は警察小説というものにあまり食指が動かない。もちろん、横山さんのように
好きな警察小説作家もいるのですが、なんとなく手に取るのに躊躇するジャンルなんですよね・・・。
だから予約してわざわざ借りるという気になれずにいたのですが、先日たまたま仕事の用事で
行った歯科医師会館の帰りに立ち寄った中央図書館(両者は目と鼻の先なのです)で発見。
『聖女の島』同様ついに捕獲に至ったのでした。
前置きながいなー^^;今日は記事を短くする予定なのに^^;
で、実は読み始めてから終盤に差し掛かるまで、皆様の絶賛の理由がよくわかりませんでした。
まず、主人公竜崎の良くも悪くも官僚体質のキャラがやたらに鼻について、どうしても好感が
持てなかった。それに、竜崎たちが追っている殺人事件の実態も犯人がわかっているのに、
その犯人自体が出て来ないからいまいち見えて来ない。会話の中だけで事件を追っているから
どうもリアリティを感じないのです。竜崎の息子の犯罪もなんだか唐突感があったし、それを
知った竜崎の対応にも首を傾げるものでしたし。警察内部の描写だったら横山さんの方に分が
ありそうだなぁとつい比較してしまう自分がいました。そんな訳で、あわや挫折かと思うくらい、
なんだか話に乗れなかった。これは、記事がお倉入りになるかも・・・と焦燥にかられつつ、
でも、みんながあんなに絶賛するんだから、きっともう少し読んだら面白くなる筈・・・と、
ほのかな期待を抱えつつ、自分を鼓舞しながら読み進めました。で、中盤に差し掛かって、
ようやく竜崎という人物の呆れる位の真正直さ、裏表のない真っ直ぐさに魅力を感じるように
なって、この作品の面白さがわかってきました。竜崎と伊丹のやりとりも良かった。竜崎が
どうして小学生時代に伊丹からイジメを受けたと誤解したのか、その真相が書かれていたら
もっと良かったのにな。二人の行き違いはどうして生まれたんだろう。伊丹が竜崎に一目
置いていることが面白くなかった手下(?)の子たちが勝手に敵対視してやってただけなのか。
で、実は読み始めてから終盤に差し掛かるまで、皆様の絶賛の理由がよくわかりませんでした。
まず、主人公竜崎の良くも悪くも官僚体質のキャラがやたらに鼻について、どうしても好感が
持てなかった。それに、竜崎たちが追っている殺人事件の実態も犯人がわかっているのに、
その犯人自体が出て来ないからいまいち見えて来ない。会話の中だけで事件を追っているから
どうもリアリティを感じないのです。竜崎の息子の犯罪もなんだか唐突感があったし、それを
知った竜崎の対応にも首を傾げるものでしたし。警察内部の描写だったら横山さんの方に分が
ありそうだなぁとつい比較してしまう自分がいました。そんな訳で、あわや挫折かと思うくらい、
なんだか話に乗れなかった。これは、記事がお倉入りになるかも・・・と焦燥にかられつつ、
でも、みんながあんなに絶賛するんだから、きっともう少し読んだら面白くなる筈・・・と、
ほのかな期待を抱えつつ、自分を鼓舞しながら読み進めました。で、中盤に差し掛かって、
ようやく竜崎という人物の呆れる位の真正直さ、裏表のない真っ直ぐさに魅力を感じるように
なって、この作品の面白さがわかってきました。竜崎と伊丹のやりとりも良かった。竜崎が
どうして小学生時代に伊丹からイジメを受けたと誤解したのか、その真相が書かれていたら
もっと良かったのにな。二人の行き違いはどうして生まれたんだろう。伊丹が竜崎に一目
置いていることが面白くなかった手下(?)の子たちが勝手に敵対視してやってただけなのか。
でも、やはり一番良かったのは竜崎と家族が邦彦の件で家族会議をする場面でしょう。奥さん
の冴子さんは素敵すぎますね。邦彦がやってしまったことを謝った後の「よろしい」、竜崎が
邦彦に正しい選択をさせたことを受けての「無能な父親にしては、よくやったわ」の台詞。
しびれました・・・。さばさばしてて、家庭よりも仕事を優先させる夫に愛想もつかさず、変人の
竜崎のことを誰よりも理解してあげている。パーフェクトな奥さんじゃないですか。かっこいい!
の冴子さんは素敵すぎますね。邦彦がやってしまったことを謝った後の「よろしい」、竜崎が
邦彦に正しい選択をさせたことを受けての「無能な父親にしては、よくやったわ」の台詞。
しびれました・・・。さばさばしてて、家庭よりも仕事を優先させる夫に愛想もつかさず、変人の
竜崎のことを誰よりも理解してあげている。パーフェクトな奥さんじゃないですか。かっこいい!
竜崎は誰よりも官僚体質でありながら、誰よりも官僚らしくない真正直さでもって、歪んだ
管理社会の隠蔽工作を阻止しようとした。多分、彼の立場に立ったら、誰もが間違った選択を
選びたくなってしまうと思う。息子の犯罪だって、自分や家族の立場を考えたら、隠し通せる
ものならばそうしてしまいたくなるのが普通です。そこを、自分が降格されようが、息子や娘の
未来が変わってしまおうが、やってしまったことは白日の下にさらして、罪を償わなければ
ならない、と潔く考えられるところが彼のすごいところであり魅力なんでしょうね。
管理社会の隠蔽工作を阻止しようとした。多分、彼の立場に立ったら、誰もが間違った選択を
選びたくなってしまうと思う。息子の犯罪だって、自分や家族の立場を考えたら、隠し通せる
ものならばそうしてしまいたくなるのが普通です。そこを、自分が降格されようが、息子や娘の
未来が変わってしまおうが、やってしまったことは白日の下にさらして、罪を償わなければ
ならない、と潔く考えられるところが彼のすごいところであり魅力なんでしょうね。
事件の後で、竜崎が冗談を言うシーンに爽快な気持ちになりました。始めは出世欲しか頭に
なく、東大第一主義で、家庭を顧みない嫌な奴って印象だったのに、最後はたまらなく魅力的な
人物に映りました。
挫折しないで最後まで読んで良かったよ・・・^^;
降格されてしまった竜崎がこの後どうなって行くのか。続編も是非読んでみようと思います。
なく、東大第一主義で、家庭を顧みない嫌な奴って印象だったのに、最後はたまらなく魅力的な
人物に映りました。
挫折しないで最後まで読んで良かったよ・・・^^;
降格されてしまった竜崎がこの後どうなって行くのか。続編も是非読んでみようと思います。
あー、結局長くなっちゃった。
文字を打つのに倍の時間がかかるので疲れてしまった・・・なんか書きたいことも
上手くまとまってないような・・・っていつもですよね。すみません^^;;
文字を打つのに倍の時間がかかるので疲れてしまった・・・なんか書きたいことも
上手くまとまってないような・・・っていつもですよね。すみません^^;;