ミステリ読書録

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「アマルフィ 女神の報酬」

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アマルフィ 女神の報酬」


< あらすじ >
クリスマス目前のローマ。G8に出席する川越外務大臣のイタリア訪問準備でバタバタの日本大使館に、
外交官・黒田康作が赴任する。秘密裏にG8テロ対策の命を帯びる黒田だったが、赴任直後に任された
のは日本人少女失踪事件の通訳。しかし犯人から少女の母・紗江子の元にかかってきた電話を受け、
成り行きで父親だと名乗ってしまったことから、紗江子の“偽りの夫”として事件に深く関与する
ことに。誘拐犯との身代金取引が違法の国で、黒田と紗江子はあえて犯人に指定された取引に
応じるが…(あらすじ抜粋)。


全く観る気はなかったのですが、ちょっと理由あって急遽観に行ってきました。地元のシネコン
で観たい時間にやっていたのがこれとポケモンしかなかった為、必然的にこちらになりました^^;
別に織田裕二のファンでも天海さんのファンでもましてや佐藤浩市なんて全く興味もなかった
(ファンの方ごめんなさい)のですが^^;でも、ちょい役で福ちゃん(福山雅治)が出て
いて嬉しかった。出番少ない割に結構味のある役だったし。主役の黒田ともうちょっと絡んでる
とこ見たかったなー。

さて、原作は真保裕一さん。でも、実は読んだことありません^^;『ホワイトアウト』は
映画だけ観ました。映画はなかなか面白かったので原作も気にはなっていたのですが、結局
読まずにきてしまった。今回の作品、フジテレビ開局50周年記念の織田裕二主演大作の為に
考えたストーリーなのだそう。まず始めに企画ありき、で原作が書かれたってことなんですかね。
すごいですねー。外交官黒田役は、さすがにはまってましたね(当たり前か^^;)。事件が
事件なだけに、ほぼ全編に亘って笑顔がほとんどなく、かなりクールでシリアスな役どころ。でも、
冷たいだけじゃなくて、芯には温かいものを持っていて、頼りになる、なかなかイイ男です。
そんなに織田ファンじゃないけど、黒いコートを羽織った外交官スタイルはかっこよかったです。

天海さんも娘を誘拐されてしまう母親役なので、終盤まで表情は張り詰めたまま。緊迫感のある
演技で迫真に迫ってましたが、ちょっと観てる方は痛々しくて息が詰まる感じがしました。天海
さんはご本人のキャラそのままの姐ご肌の役の方が似合ってると思うなぁ。

ストーリーはなかなか緩急があって面白かったですが、誘拐ものとしてはどこかで見かけたような
展開の域を出ず、あまりオリジナリティがあるとは思わなかったです。特に終盤の展開は
あまりのご都合主義に唖然・・・。おいおい、そんなんで犯人、説得されちゃうの!?と
ツッコミたくなりました・・・。後半はツッコミ所満載だったなぁ^^;
黒幕も早い段階で気がついてしまったしな~。サラ・ブライトマンが歌うシーンもちょっと
唐突すぎって感じ・・・。そりゃ、映画としてまとめるには仕方がなかったのかもしれない
けどさぁ。あと、これがイタリアである必要性はあまり感じなかったですね。イタリアの景色は
綺麗だったけど。でも、イタリアで誘拐の身代金交渉が違法っていうのは知らなかったです。
日本で誘拐があると、良く『警察に知らせたら人質を殺す』とかって脅されて、警察に知らせ
ないで親が交渉しようとする光景がありますが、あれをやったらイタリアだと違法で逮捕され
ちゃうらしい。でも、それで人質が殺されちゃったらどうするんですかねぇ。

まぁ、良くも悪くも、織田裕二の映画』でしたね。思ったよりはずっと面白かったですけど。
主役二人がイタリア国内を奔走するという展開は少し前に観た『天使と悪魔』を思い出しました。
アマルフィって何なんだろうって思ってたら、イタリアの都市の名前なんですね。とっても綺麗な
海岸都市。いつか行ってみたい~。でも、副題の『女神の報酬』の意味はよくわかんなかったな。
今回の事件で誰も報酬なんてもらってない気がするんだけど・・・。生きて帰って来た娘との
時間とか?あれ、読みとり不足?^^;;

原作も大々的に売り出されてるみたいですけど、内容一緒なのかなぁ。ちょっと気になる。
黒田のボスの電話の主が誰なのか最後までわからなかったのだけど、エンドロールで中井貴一
だったとわかりました。出演者が無駄に豪華だ・・・さすがフジテレビ開局50周年企画(笑)。
イタリア警察の警部(?)の人は最初やな奴だったけど、最後はちょっとコミカルな性格に
なっていい味出してましたね。ラストの黒田とのやりとりも良かったです。

織田裕二ファンなら観て楽しめるのではないでしょうか(それ以外の人は?ってツッコミは
なしでお願いします^^;)。