ミステリ読書録

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はやみねかおる/「都会のトム&ソーヤー (3) いつになったら作戦終了?」/講談社刊

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はやみねかおるさんの「都会のトム&ソーヤー (3) いつになったら作戦終了?」。

内人は、同じクラスの堀越美晴を映画に誘う為計画を立てるが、初めてのことで戸惑うばかり。
そんな内人を見るに見かねた創也は、アドバイスを申し出る。取り敢えず現場を下見しに行く
ことになった二人は、週末に駅前へ。待ち合わせにちょうど良さそうな彫像の前に行くと、
可愛らしい小学一年生くらいのカップルが待ち合わせをしているのに出くわした。微笑ましい
光景に見えたが、二人のそばに奇妙な男が近づくのが見えた内人と創也は、とっさに二人の
手を取って男が近づくのを防いだ。不穏なものを感じた内人と創也は、二人の護衛を申し出る
が――大人気シリーズ第三弾。


読み途中の本がどうにもノレないので、息抜きにこちらのシリーズの続きを。ううん、面白い。
息抜きにはぴったりの作品でした。前作では卓也さんの出番が少なかったのが残念だったのですが、
今回は卓也さん大活躍。卓也さんメインのお話まで入っています。しかし、卓也さんって、一作読む
ごとに思っていたキャラと違って来ている気がするんですが(笑)。意外性のキャラNO.1じゃ
ないでしょうか。意外といえば、創也のキャラもだんだんイメージが崩れて来て、意外に間抜け
なところがちょこちょこ顔をのぞかせて、最初の嫌味なキャラとは随分印象が変わってきました。
クラスメートともかなり仲良くなって、頼りにされてるし。何より、内人への依存度が更に
高くなった気がします。ピンチになったら内人に頼ればいいや、的な考えが全面に出て来た
ような^^;苦しい時の内人頼み?(笑)内人君の『おばあちゃんの知恵袋』は今回も大活躍。
ところで、このおばあちゃんって、存命なんですかね。生きているのか亡くなっているのかの
情報が全然出て来てない気がするんですが。読み逃しただけ??

今回も、内人や創也の学校内で考案されたローカルゲームの章が楽しかった。校舎まるごと
使ってボーリングなんて随分大掛かりな遊びを考えたものです。その名も3Dボーリング
なかなか難しそうだけど、面白そう。こういう独創的な新ゲームを考え出せる、はやみね先生の
才能はすごいなぁ。やっぱり、少年の心を持った人なんだろうな、と感心します。子供と同じ
目線で物事が見れるから、大人から子供まで人気があるんだろうな。

そして、前述しました通り、卓也さんのお話も面白かった。愛読書が『転職こそ天職!』
『保育技術』『保育士の友』って・・・^^;それだけ保育士に憧れてる割に、子供がそんなに
好きなように思えないところが不思議なんですが(だって、冒頭の『S計画』でも、ピンチになった
子供たちを上から命令されてないって助けようとしたがらなかったし)。
竜王グループの息子の護衛なんて、結構お給料良さそうなのに、アパート暮らしだし。知れば
知るほど、卓也さんへの謎が深まります。イラストの西さんの絵を見て、ちょっと自分のイメージ
してた卓也さん像とも違ってたんですけど(もっとホストっぽい雰囲気をなぜか想像していた^^;)。
それにしても、卓也さんのシャドー保育(これがまた傑作!)に付き合わされたボクシング青年
矢吹君(絶対、矢吹丈から来てるよね^^;)は災難としか言いようがないような・・・(苦笑)。
卓也さん、基本はとてもいい人なんだけど、案外周りが見えてなくて他人に迷惑かけるタイプなの
かも^^;ボクシングとシャドー保育、どちらを先にやるかでジャンケンするところにウケました(笑)。

文化祭のお話では、紅茶好きの創也が思った以上に活躍して、みんなとの和を更に深めた気がします。
夜の学校に忍びこむ流れは、案の定でしたが、やっぱりこんな風にみんなでああだこうだ言いながら、
ひとつのことを達成させようと頑張るのっていいなぁって思いました。青春だね!

ラストのお話は、今後に影響しそうな展開。次ではまた一波乱ありそうな感じですね。ちょっと
づつ、お話のスケールも大きくなって行くのかな。前作で登場した麗亜さんを始め、栗井栄太も
まだまだ登場してきそうですね。内人と創也、次はどんなトラブルに巻き込まれるのでしょうか。
彼らの冒険の続きが楽しみで仕方ありません。続きも早く借りてこよう^^