ミステリ読書録

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歌野晶午/「密室殺人ゲーム・マニアックス」/講談社ノベルス刊

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歌野晶午さんの「密室殺人ゲーム・マニアックス」。

<頭狂人><044APD><aXe><ザンギャ君><伴道全教授>。奇妙なハンドルネームを持つ5人が
ネット上で日夜行う推理バトル。出題者は自ら殺人を犯しそのトリックを解いてみろ、とチャット上
で挑発を繰り返す! ゲームに勝つため、凄惨な手段で人を殺しまくる奴らの命運はいつ尽きる!?
「密室殺人」シリーズ第三弾!!(紹介文抜粋)


シリーズ第三弾。第一弾を読んだ時は、まさか続編が出るとは思いませんで、続編が出た時は
ビックリしつつ『こう来たか!』と膝を叩きたくなったのですが、まさかまさかの第三弾が
出ちゃいました。っていうか、ここまで来ると、アイデアさえ浮かべばいくらでも続けられ
そうですよねぇ。
とはいえ、本書に関しては、正直、驚かされたとは言い難いですね。はっきり云えば『ネタ切れ』
の印象は否めなかったです。確かに、ラスト数ページでいつもの如くカタストロフ的なオチは
ついてますよ。でも、そのオチがちょっと苦し紛れな感じで、感心するところまではいかなかった
です。ネット上ならではのオチなのは間違いないのですが。んー、これに関しての感想を書こうと
すると、何書いてもネタばれになっちゃいそうだなぁ^^;

前二作は、ラストのオチのカタストロフもさることながら、途中に挟まれるメインキャラ5人
による推理合戦もとても面白かったのですが、今回は、そこの部分に関しても不満。細切れに
読んでいたせいもあるのですが、事件の状況説明や真相説明がすごくわかりづらくて、読む
のにやたらに時間がかかってしまいました。薄い本だからすぐ読み終わるかと思いきや、
あまりまとまった読書時間が取れなかったこともあるのですが、数ページ読むと眠気が襲って
来たりして、なんだか集中出来なくて、なかなか読み進まなかったです^^;集中出来ない
せいか、ネットとリアルの境目もわかりづらくて、全体的にごちゃごちゃした印象でした。
こういう作品は、細切れに読んじゃダメですね~^^;ある程度時間を取って、一気に読む
べきだったのかも。休日に読めば良かったな。

推理ゲームの為だけに殺人を犯すという、不謹慎で不条理極まりない話なのに、なぜか
痛快ささえ感じてしまうこのシリーズ。大好きなので、今後も続けて頂きたいとは思うの
ですが、さすがに息切れしてきたかなぁという感じが・・・。もっと、目を瞠るような、新鮮な
驚きであっと言わせて欲しいと思ってしまうのは贅沢でしょうか。ファンなだけに、厳しめの
感想になってしまいました。
どうも、ここに来て、黒べるこ率が上がって来たような気が・・・^^;今年の黒べるワースト
ランキングも必然的にやらなきゃいけなくなるのだろうか・・・^^;;