シリーズ第三弾にして、最終巻(らしい)。南武線沿線を舞台に繰り広げられる、
天才探偵美少女とポンコツ便利屋コンビの事件簿。
二人のやり取りが好きだったので、シリーズ終了は寂しい。ラストで、突然アリサが
南武線沿線の自宅から、某国へと旅立つことになってしまったから、仕方がない
のでしょう。あくまで、このシリーズは南武線沿線に拘っていたのがよくわかります。
というか、作者がシリーズ終了させたかったから、無理矢理アリサを外国に行かせる
ようにしたっていう方が正しいような。彼女が戻って来たら、またシリーズ再開も
あるかもしれないですね。高校生探偵と中年便利屋でも、十分お話は作れるでしょう
からね。そうなると、恋愛とかも絡ませられそうだしね。今回出て来た、バレンタイン
のお話の最後で、アリサの良太への気持ちがほんのり伺えて、微笑ましかったな。
良太は単なる義理としか捉えてなかったでしょうけど・・・あの照れ方は、それだけ
じゃないように思えたけどな。
ミステリ的には、一話目はいろいろツッコミ所があって、いまいち納得出来ない
ところもあったけど、二話目の金庫のトリックは盲点をつかれた感じがして
なるほど、と思えました。三話目の人物消失のトリックは、種明かしされると
なーんだ、って拍子抜け。子供が絡んでいるから当然なんでしょうけどね。東川
さんなら、もう一捻りしたオモシロトリックのものが読みたかった気はしました。
ただまぁ、軽く読めるユーモアミステリとしては、十分楽しめましたし、先に
述べましたが、これで終わりなのはとても寂しい。
いつか、パワーアップしたアリサが良太の前に再び現れるといいな、と思いますし、
きっとそうなるだろうな、という予感もあったり。
南武線はたまに利用する身近な路線なので、マイナーな南武線をここまで全面に
出してもらえて、とても嬉しい。まだまだ出て来ていない駅もたくさんあると
思うので、やっぱりまだまだ続きを書いて頂きたいなぁと思いますね。