三津田さん新作。なんか、似たようなタイトルの作品あったよなぁと思っていたら、
随分昔に読んだ『七人の鬼ごっこ』と同じ世界線の作品だった。主人公が違う
から、続編とも言い切れない感じではありますが。ただ、あちらの主人公だった
速水がこちらでも最後謎解きに加わるので、シリーズものと言えばそうなのかな。
鬼ごっこシリーズ?
仲良しの小学生たちが、公園で、<笛吹き鬼>遊びに興じている中、女児の一人
がこつ然と姿を消してしまう。その場には見守りの大人もいたが、居眠りをして
いて現場を見ていなかった。結局彼女はその後も見つかることなく、姿を消した
まま。当時一緒に遊んでいて当事者だった京子は、その時の出来事を引きずった
まま大人になった。数年後、ホラー作家背教聖衣子としてデビューした京子は、
不可解な出来事が続いたその当時の出来事をもう一度調べてみようと思い立ち、
事件の関係者たちに連絡を取って行くのだが――。
前半は結構面白くさくさくと読んでいたのだけど、途中から聖衣子の事件関係者
への取材のシーンがあまりにもだらだらと長くて、かなり中だるみした印象。
その割に、いつもの如くに、最後の謎解きシーンが非常に駆け足なものだから、
すごくバランスが悪い感じがしました。まぁ、だいたいどの作品も似たような
感じなんだけどさ。
女児消失事件が起きた時の笛の音や、得体の知れない『何か』なんかの存在など、
ホラー要素の多い設定だったので、多少はそっちの要素も謎解きに入って来る
のかな、と思ってたんですが、結局、ほぼ論理的に解明できるような真相でしたね。
とはいえ、動機はいまいち納得出来ないものがありましたが・・・。あと、
現代に起きた殺人事件の方の動機にも。え、なんで殺す必要が?みたいな・・・。
結局、だれま様は何だったの?あと、ラジオ小母さん(畠山夏那子)の二階に
いた『仁美らしきモノ』の正体って?当時教師だった三根の女児わいせつ疑惑の
真相は?
なんか、いろいろ風呂敷広げた割には、たたみ切れずにあっさり終わっちゃった
感じで拍子抜けだったな。
不穏で禍々しい設定自体は秀逸なんだけどねぇ。いまいち、すっきりしないまま
なし崩し的に終わっちゃった感じなのが残念。垂麻家の謎に関しては、まだまだ
引っ張るつもりだから、これくらいの扱いだったのかもしれませんが。
日中読む分には全然怖さもないんだけど、さすがに夜中に一人で読んでたら、
ちょっとぞぞっとしたな。なぜか、相方夜勤でいない時に限って、三津田さん
読むことが多いんだよね^^;