ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

「ベルギー幻想美術館展」

イメージ 1

東京・渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム 『ベルギー幻想美術館展』

姫路市立美術館が所蔵する、日本最大級の質と規模のベルギー美術コレクションから、
19世紀末のフェルナン・クノップフ、ジャン・デルヴィル、ジェームズ・アンソールらから
20世紀のポール・デルヴォールネ・マグリットまでの油彩、素描、版画などにより構成され、
まれにみる濃密な展開を示したベルギー近代美術のハイライトを紹介(紹介文抜粋)。 


読売のチケットプレゼントで当たったので行ってきました。象徴派の幻想的な絵はとても好き
なので展覧会がある度に結構足を運んでいます。今回は姫路市立美術館所蔵の作品ばかり
というので、どうかなぁ、と思っていたのですが、なかなか面白い絵が多く、楽しめました。

お昼に友人と待ち合わせて、以前にも紹介した大好きなタイラーメン屋ティーヌン
トムヤンクンラーメンを食べて、いざbunkamuraへ!今日は大部分の都民が忘れているのでは
ないかと思われる、子供たちだけが嬉しい都民の祝日『都民の日』である為、電車にはちらほらと
子供の姿が。渋谷の街も平日なのにかなり混んでいました。

ただ、マニアックな展覧会だからか、平日だからか、ザ・ミュージアム自体は非常に空いていて、
のんびりゆっくり、一枚づつを観賞することができました。やっぱり、美術展は平日に限る・・・。


ジャン・デルヴィル『レテ河の水を飲むダンテ』 
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002020.jpg
これは幻想的でとっても綺麗な絵でした。ダンテってこんな顔なのかー。



フェリシアン・ロップス『生贄Ⅰ』
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002040.jpg
これはなんとも淫靡で衝撃的な絵。渋澤(龍彦)さんあたりはお好きそうな感じ。生贄の
女性を凌辱する悪魔。強烈ですねぇ・・・。ロップスの絵はみんなどれもエロスが凄まじい。
強烈な印象を残すものが多かったです。



フェリシアン・ロップス『スフィンクス
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002100.jpg
これも、スフィンクスに欲情する女性を背後から悪魔が見ているという作品。スフィンクス
かたなしだよね・・・。



ドグーヴ・ド・ヌンク『夜の中庭あるいは陰謀』
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002050.jpg
この絵を観ていて、恩田さんの『中庭の出来事』を思い出しました。全体的な暗い色合いも
恩田さんっぽい。表紙絵なんかに使ったら良さそう。




レオン・フレデリック『春の寓意』
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002140.jpg
レオン・フレデリックの絵すごく好きなんで、観れて嬉しかったです。二枚来てましたが、
こちらの方が好み。もう一枚も羊とか可愛らしくてよかったんですが。これはほんとに美しい絵
でした。でも、フレデリックって、幼女性愛の傾向があったんだとか。それはちょっと幻滅
だったな・・・。



ジェームズ・アンソール『人びとの群れを駆り立てる死』
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002130.jpg
今回、実は友人と一番反応しちゃったのがアンソールの絵。エッチングがほとんどだったんだ
けど、どれも面白い絵ばかりで、すごく細かく描いてあるのであんまり近づいて観ていたら、
係の人に「近すぎるようなので・・・」と怒られてしまった^^;すっごい面白い妖怪大集合
みたいな絵があったのでほんとはその絵を紹介したかったのだけど、画像が探せませんでした・・・。
絵の名前もわからない・・・。アンソールの絵って、基本的にデフォルメしすぎで変な妖怪みたいな
よくわからない生物がいっぱい描かれていて、観ていて飽きなかったです。でも、友人は
「これ、私でも描ける気がする・・・」って言ってましたけど(笑)。



ルネ・マグリット『逆人魚』
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002120.jpg
版画集『マグリットの捨て子たち』の挿図二点。『マザーグース』はエッシャーか!?と思う
ような矛盾した構図が面白い。『逆人魚』はただただシュール・・・こんな人魚やだよー(涙)。


ポール・デルヴォー「海は近い」
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002020.jpg0
デルヴォーの作品を紹介し忘れていました^^;画像を追加しておきます。デルヴォーは一番
作品数が多かったのではないかな?展覧会の最後に、今回の目玉!とばかりに展示してありました
(なのに、なぜ書き忘れるか、あんたは^^;)。ファンにはかなり嬉しい展覧会だったのでは。
本の挿絵画がずらっと展示されていたのだけど、その本の内容が結構すごかった。ある朝
突然死んでしまった妻の死体を、夫が複製師かなんかに複製にしてもらって、その複製となった
死体と一緒に暮らす、という内容。そして、オチがまたすんごいブラック。ちゃんと原作を読んで
みたくなりました(作者名とか見てこなかったけど^^;)。



観終わった後は、パルコ方面に向かい、パルコの地下一階の本屋で本を物色。友人も本好き
なので、この新刊はおもしろかったとか、この作品はイマイチだったとか、喧々諤々。
本好き人間と本屋に行くのは本当に楽しい。書架で背表紙みながらいくらでも話せるんです
よね~。東野さんの『新参者』が書店売上一位に輝いておりました^^

最後は疲れたのでお茶することに。大好きなクレープリーAu temps jadis』でデザート
クレープとアイスカフェオレでお茶。入った時は満席状態だったのに、話しているうちに
ひと組、またひと組と姿を消し、私たちが出る頃にはひと組の客を残すだけになってました。
何度か店員がお皿を下げたり水を足しに来てくれたり、暗に『帰れ』オーラを出していたのだけど、
空いてるんだからまぁいいよね!とそのまましゃべり続けてました・・・顰蹙な客ですみません・・・。


ここのクレープはほんとに本場と同じような味で美味しい。でも、作っているのはすべて女性だし、
客もほとんど90%くらい女性。外観も非常に可愛らしい感じなので、男性だけで入るのは
さぞ勇気がいるだろう、と思ったのだが、私たちと入れ替わりに男性二人客が入ってきていた。
む、もう少しいれば、前回のキルフェボンの時のようにスイーツ男子観察ができたのに・・・
ちっ←何を期待している?^^;

手前が塩キャラメルで、奥がスペシャリテ(名前は忘れた)。なんか、盛りだくさんでいろんな
ものが入っていて、とっても美味しかったけど量が多くてきつかった(二つを二人で半分こづつした
のだけど)。片方はお惣菜クレープにするべきだった・・・。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002150.jpg



幻想怪奇的な絵は大好きなので、なかなか楽しめる展覧会でした。
芸術の秋、東京近辺の方は是非足を運んでみて下さい^^
~10/ 25(日)まで。