ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

五十嵐大介「SARU 上」/吉田秋生「海街diary 3 陽のあたる坂道」

イメージ 1

五十嵐大介さんの「SARU 上」。

歴史とともに名を残す様々な厄災、それは「SARU」と呼ばれるモノがすべてに起因していた。
そして現代ーー少女・奈々は、「SARU」を前にして戦えるのか、人類は、偉大なる厄災に立ち
向かえるのか…(あらすじ抜粋)。


伊坂さんのSOSの猿との競作プロジェクトとして描かれた作品。ついに上巻が出ました。
楽しみにしてたんで書店で見かけて一瞬表紙の絵を見て躊躇したものの、『SOS~』で消化不良
だった部分なんかが補足されているのだろうと思って期待して買ってみました。

・・・驚きました・・・。


何が驚いたって、


・・・つ、つつつ、つまんねーーーー!!!!


何コレ。はっきり云えば、『SOSの猿』の内容とは全くと言って言いほど繋がっておりません。
スピンオフともいえない、全く別次元の物語です。共通しているのは『SARU(孫悟空)』という
概念くらいでしょうか。確かに、確かに『原作のコミック化ではありません』のような旨の但し書きを
どこぞで見た覚えはありましたが、ここまで世界観までもがかけ離れているとは・・・。
全く違う話にしても、もっと面白ければ文句はないのですが、ワールドワイドにいろんな場面を
カットバックするばかりでちっとも話が進まないし、絵はなんだかキモチ悪いし(これは私の
好みの問題で、一般的な評価は大変高いようです)、何が描きたいのかさっぱり伝わって来なかった
です。これは下巻も読めってことなのかもしれませんけど・・・全く読む気になれんわ!^^;
『SOSの猿』を読んでない人の方がいっそ楽しめるのかもしれません。
それに、読書メーターの評価見てたら、みんな驚くほどの高評価!むむむ。完全に私の好みの
問題らしい・・・ひえぇ。すみません^^;;
絵はナウシカのマンガとか大友克洋とか、そっち系って感じかなぁ。こういう絵あんまし好きじゃ
ないんだよー(ナウシカAKIRAも好きなんだけど)。
どうも、私のツボからははずれまくってました。どんな内容なのかは読んで確かめて下さい。
少なくとも、『SOSの猿』のメインキャラクターは誰一人出てきません(多分・・・?)。
単独のマンガとして楽しむべき作品のようです(私は楽しめなかったけど^^;)。
誰か下巻まで読んで面白かったか私に教えて下さい・・・(下巻買う気ゼロ)。
下巻で二郎とかちょこっとでも出て来るんだったらもうちょっと楽しめそうな気がするけど・・・
絶対ないだろうしね^^;



気を取り直して、逆に良かった作品を一作。


https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101015440.jpg

吉田秋生さんの「海街diary 3 陽のあたる坂道」。

最初の出会いから季節がひとめぐりした夏――。すずと3人の姉たちは、父の一周忌で再び河鹿沢
(かじかざわ)温泉を訪れた。複雑な思いを胸に抱くすずだが…? 家族の「絆(きずな)」を
鎌倉(かまくら)の美しい風景とともに情緒的に描く、大注目のシリーズ第3巻!(あらすじ抜粋)。


鎌倉を舞台に、四姉妹が繰り広げる爽やかな家族の物語。待望の三作目です。いやー、良かった。
今回は姉妹の長女幸(さち)と末っ子すずの恋がメイン。それぞれの恋の顛末が巧な心理描写と
鮮やかな筆致で描かれます。
すずの初恋は、中学生ならではの甘酸っぱさとほろ苦さ、幸の不倫の結末は、やるせなく、切ない。
どちらも、結末は苦いものだったけど、恋をしている彼女たちの心情が痛い程伝わって来て、胸に
響きました。ほんとうまいね、吉田さんは。冒頭の、父親の一周忌で四姉妹が山形に行くお話も
秀逸。父親の再婚相手だった女性の連れ子との微妙な距離に戸惑うすずの気持ちもダイレクトに
伝わって来ました。わかるなぁ、そういう感情。すずは基本的にはとってもいい子だけど、
三姉妹に出会うまではきっといろんなことを我慢して、血の繋がらない弟たちの前でも当たり障り
のない態度で接して来たんだと思う。だから、弟たちが自分をどう思っているのかも気にして
なかったし、自分が弟たちをどう思っているのかもわかってなかったんじゃないのかな。今回
帰省して、初めて彼らを客観的にみることが出来て、弟って思えなくても、幸せでいて欲しいって
思えたのは、すずが成長した証拠なんじゃないのかなって思えました。
このシリーズは本当に無条件で人にお薦めしたくなりますね。吉田秋生の引き出しにこういう世界が
あったというのは実はかなり驚きだったのですが、一作ごとに良さが増している気がします。
幸ねぇが海で一人泣くシーンがきれいで、切なかったなぁ・・・(涙)。
すずは、なんとなく新しい恋が始まりそうな予感もしますね。そして、佳乃にも。個人的には
千佳ちゃんのキャラも大好きなので、彼女にも幸せになって欲しいんだけどな。次はもっと千佳
ちゃんにもスポットを当てて欲しい~。


白黒べるこ取り揃えた記事になってしまいました^^;
まさかマンガで黒べる子が出るとはね・・・(しーん)。


二月は新刊マンガラッシュでして、マンガばっかり買ってました^^;
ちなみにその他に買ったマンガ。

ろびことなりの怪物くん④』
日渡早紀ボクを包む月の光―ぼく地球次世代編―⑧』
最富キョウスケ『電撃デイジー⑥』


どれも面白いのでお薦めです♪(怪物くんとぼく地球はまだ読んでないけど^^;)