これまたホラーでお馴染みの井上夢人さんの連作短編集「風が吹いたら桶屋がもうかる」。
牛丼屋でバイトをする平凡な主人公（シュンペイ）には超能力を持つ友人（ヨーノスケ）
がいるが、その超能力で事件を解決して欲しいとシュンペイのもとにヨーノスケへの仲介を
依頼する美女が度々訪れる。ヨーノスケの能力は本当にささいで役に立たないものなのだが、
何故か最終的には事件を解決に導いてしまう。
二人にはもう一人ミステリ小説ファンのイッカクという同居人がいて、この人がいつももっとも
らしい推理を開帳するのですが、必ず真相は違う所にあって、それを解決するのがヨーノスケ。
毎回このパターンの短編が収められています。とても読みやすく、キャラクターがほのぼのして
いて気楽に読めるので、重厚なミステリに疲れた後なんかに読むといいかも。不思議なのは
それぞれの短編の表題。どう読んでも内容と関係なさそうなものがついているのですが、
私の読みが浅いだけなのでしょうか・・・？
