飴村行さんの「粘膜兄弟」。
ある地方の町外れに住む双子の兄弟、須川磨太吉と矢太吉。戦時下の不穏な空気が漂う中、二人は
自力で生計を立てていた。二人には同じ好きな女がいた。駅前のカフェーで働くゆず子である。
美人で愛嬌があり、言い寄る男も多かった。二人もふられ続けだったが、ある日、なぜかゆず子は
食事を申し出てきた。二人は狂喜してそれを受け入れた。だが、この出来事は凄惨な運命の
幕開けだった……。待望の[粘膜」シリーズ第3弾!(あらすじ抜粋)
自力で生計を立てていた。二人には同じ好きな女がいた。駅前のカフェーで働くゆず子である。
美人で愛嬌があり、言い寄る男も多かった。二人もふられ続けだったが、ある日、なぜかゆず子は
食事を申し出てきた。二人は狂喜してそれを受け入れた。だが、この出来事は凄惨な運命の
幕開けだった……。待望の[粘膜」シリーズ第3弾!(あらすじ抜粋)
今回もあらすじ抜粋です。すみません^^;というわけで(?)粘膜シリーズ第三弾。
前二作で粘膜シリーズにどっぷりはまった身としては、今回もなかなかに楽しめたのですが、
さすがに少々食傷気味の感がなきにしもあらず・・・^^;今までで一番ページ数も多かった
のですが、この内容だったらここまで長くしなくても良かったんじゃないのかなーって思い
ました。特に、今回も第二話の戦線での話を読むのがきつかった・・・。もともと戦争もの
ってあまり好きじゃないのもあったし、拷問のシーンとか、何度も気が遠くなりかけて読む手が
止まりそうになりました^^;トークショーで飴村さんが戦争ものがお好きなのは知っていたので、
多分一番楽しんで書いたんだろうな、というのはわかるのですが、私としてはもう少し第二部は
コンパクトにまとめて欲しかったなぁと思いました。
磨太吉、矢太吉の双生児が今回は主人公。お互いに一目惚れしたカフェーの女給・ゆず子を巡って
兄弟間で恋のバトルが勃発、あっさり磨太吉が勝利するかと思いきや、二人は戦線へ送られることに。
そこからまた身の毛もよだつ恐ろしい体験が二人を襲って行きます。畳み掛けるような残虐な描写
に、何度も顔をしかめながらの読書となりました。痛いのダメなんだってばー^^;小隊長の
澤田や、中隊長の愛人・蘭子といった、嫌悪感の塊みたいなキャラとの壮絶なやりとりも、
下劣で下品で、吐きそうになりました。ここまで嫌なキャラが書けるってのもある意味才能
だと思うけどね・・・。
今回も、変態性癖を持つヘモやんのキャラが立っているおかげで、不条理でドロドロした粘膜世界
に妙な明るさをもたらしています。普通だったら不快なだけのキャラだと思うんだけど(だって
ブタにしか性欲を感じないんですよ・・・^^;;)、あっけらかんとした性格で、裏表がない
からなぜか憎めないんですよね。双子とのズレた会話がなんともコミカルで笑えました。
前二作で粘膜シリーズにどっぷりはまった身としては、今回もなかなかに楽しめたのですが、
さすがに少々食傷気味の感がなきにしもあらず・・・^^;今までで一番ページ数も多かった
のですが、この内容だったらここまで長くしなくても良かったんじゃないのかなーって思い
ました。特に、今回も第二話の戦線での話を読むのがきつかった・・・。もともと戦争もの
ってあまり好きじゃないのもあったし、拷問のシーンとか、何度も気が遠くなりかけて読む手が
止まりそうになりました^^;トークショーで飴村さんが戦争ものがお好きなのは知っていたので、
多分一番楽しんで書いたんだろうな、というのはわかるのですが、私としてはもう少し第二部は
コンパクトにまとめて欲しかったなぁと思いました。
磨太吉、矢太吉の双生児が今回は主人公。お互いに一目惚れしたカフェーの女給・ゆず子を巡って
兄弟間で恋のバトルが勃発、あっさり磨太吉が勝利するかと思いきや、二人は戦線へ送られることに。
そこからまた身の毛もよだつ恐ろしい体験が二人を襲って行きます。畳み掛けるような残虐な描写
に、何度も顔をしかめながらの読書となりました。痛いのダメなんだってばー^^;小隊長の
澤田や、中隊長の愛人・蘭子といった、嫌悪感の塊みたいなキャラとの壮絶なやりとりも、
下劣で下品で、吐きそうになりました。ここまで嫌なキャラが書けるってのもある意味才能
だと思うけどね・・・。
今回も、変態性癖を持つヘモやんのキャラが立っているおかげで、不条理でドロドロした粘膜世界
に妙な明るさをもたらしています。普通だったら不快なだけのキャラだと思うんだけど(だって
ブタにしか性欲を感じないんですよ・・・^^;;)、あっけらかんとした性格で、裏表がない
からなぜか憎めないんですよね。双子とのズレた会話がなんともコミカルで笑えました。
イヤーなエピソードがてんこ盛りに出て来るのですが、基本的なテーマは『愛』なんですよね。
磨太吉が戦地で何度も死にそうな目に遭いながらも生還出来たのは、ひとえにゆず子に再び
逢いたいという強い思いがあったからだし。ナムールで拾って来た爬虫人の亀吉の最後の
行動も、磨太吉とゆず子への愛からですしね。もちろん、気持ち悪いとはいえ、ヘモやんの
梅子への思いだってフグリ豚への強い愛には違いないですしね。残酷でドロドロの世界にあって、
純粋な美しい愛がテーマというのが面白いですね。飴村さんという人の二面性が表れているの
かも・・・(笑)。
磨太吉が戦地で何度も死にそうな目に遭いながらも生還出来たのは、ひとえにゆず子に再び
逢いたいという強い思いがあったからだし。ナムールで拾って来た爬虫人の亀吉の最後の
行動も、磨太吉とゆず子への愛からですしね。もちろん、気持ち悪いとはいえ、ヘモやんの
梅子への思いだってフグリ豚への強い愛には違いないですしね。残酷でドロドロの世界にあって、
純粋な美しい愛がテーマというのが面白いですね。飴村さんという人の二面性が表れているの
かも・・・(笑)。
それにしても、今回も最後の最後を読むまで、一体どこがミステリなんだかさっぱりわからな
かったです。トークショーで、飴村さんご本人が、二作目の時とは違って、今回は最初から
ミステリを意識したとおっしゃっていたので、変だなぁと思ったのですが。でも、最後の最後
でミステリの意味がわかりました。磨太吉と一緒に「そういう事か・・・」とつぶやいて
しまったよ。確かに、なんで出て来るのかよくわからないソレの存在って結局何だったのかなー
とは思っていたのだけど。そこに繋がっていたのか!と思いました。全然わからなかった。
でも、何とも後味の悪い終わり方ですね。この後どうなるんでしょうか・・・。
かったです。トークショーで、飴村さんご本人が、二作目の時とは違って、今回は最初から
ミステリを意識したとおっしゃっていたので、変だなぁと思ったのですが。でも、最後の最後
でミステリの意味がわかりました。磨太吉と一緒に「そういう事か・・・」とつぶやいて
しまったよ。確かに、なんで出て来るのかよくわからないソレの存在って結局何だったのかなー
とは思っていたのだけど。そこに繋がっていたのか!と思いました。全然わからなかった。
でも、何とも後味の悪い終わり方ですね。この後どうなるんでしょうか・・・。
面白かったけど、三冊目ともなると、さすがにちょっとマンネリな印象も受けてしまいますね。
三部構成で、二部が軍事関係っていう大まかな展開も一緒だし。でも、きっと次も読んじゃう
んだけどね(苦笑)。次はもう一つ突き抜けた何かが欲しい気もしますね。ミステリ的な驚き
は今後も入れて欲しいです。10月に出るという単行本は一体どんなお話なんでしょうか。
粘膜世界とは関係なさそうだけど、そうなると戦争ものとか書いて来そうな、嫌な予感も
するんだけどね(苦笑)。
三部構成で、二部が軍事関係っていう大まかな展開も一緒だし。でも、きっと次も読んじゃう
んだけどね(苦笑)。次はもう一つ突き抜けた何かが欲しい気もしますね。ミステリ的な驚き
は今後も入れて欲しいです。10月に出るという単行本は一体どんなお話なんでしょうか。
粘膜世界とは関係なさそうだけど、そうなると戦争ものとか書いて来そうな、嫌な予感も
するんだけどね(苦笑)。
ボストン美術館展の記事でも書きましたが、サイン本です(じまん)。なかなか味のある
サインですよね~。行の字のデザインが可愛い。自分でいろいろ考えたのかなぁ(笑)。
知らない方の為にもう一つ解説すると、右下のサインは書評家の杉江松恋さんのもの。
杉江さんは本当に飴村さんの粘膜世界を愛していて、トークショーでも本書のことを
大絶賛していました。特にフグリ豚と○しちゃうヘモやんのキャラがツボだったようです(笑)。
サインですよね~。行の字のデザインが可愛い。自分でいろいろ考えたのかなぁ(笑)。
知らない方の為にもう一つ解説すると、右下のサインは書評家の杉江松恋さんのもの。
杉江さんは本当に飴村さんの粘膜世界を愛していて、トークショーでも本書のことを
大絶賛していました。特にフグリ豚と○しちゃうヘモやんのキャラがツボだったようです(笑)。