ミステリ読書録

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西尾維新/「傾物語」/講談社刊

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西尾維新さんの「傾物語」。


100パーセント修羅で書かれた小説です……。――西尾維新

“変わらないものなどないというのなら――運命にも変わってもらうとしよう”
迷子の小学生・八九寺真宵(はちくじまよい)。阿良々木暦(あららぎこよみ)が彼女のために
犯す、取り返しのつかない過ちとは――!?
<物語>史上最強の2人組(ツーマンセル)が“運命”という名の戦場に挑む!
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!君の影、探してまよう帰り道(あらすじ抜粋)。


これの前に猫物語(白)』があるんですが、昨年11月に予約したにも関わらず、さっぱり
回って来ず、こちらの方が先に回って来てしまいました^^;白の方も、予約あと一人待ち
だったので、こちらの引き取り期限ギリギリまで待っていたのですが、結局間に合わず、順番
無視で読む羽目になってしまいました(T_T)。まぁ、どのみち偽物語をすっ飛ばしてるんで、
もういいやって感じでもあるんですが^^;ただ、読んでみて、二作抜けてるせいか、知らない
キャラクターが結構出て来て、しかも暦とキスショットの関係がおかしなことになってて、かなり
?(ハテナ)いっぱいで読んでました^^;やっぱり順番って大事なんだなぁ・・・。まぁ、今回も
大部分が登場人物の不毛な会話だけで構成されているので、多少知らない登場人物やエピソードが
出て来たって、大した問題でもないんですけどね・・・(苦笑)。
でも、なんでキスショットが忍野忍って名前を与えられて、暦とつるんでるのかとかは、多分
前作で出て来たエピソードなんですよね。金髪美少女(美幼女?笑)のキスショットが、忍なんて
名前で呼ばれているのはものすごーく、違和感がありました^^;でも、あくまでもミスド命の
とことか、暦の何気ない褒め言葉に反応しまくって照れているところとか、もー、超絶萌えました
・・・(変態?)。暦の変態っぷりにも大いに引かせてもらいましたが(笑)。今この震災で
大変な時に、彼らの不毛すぎる会話を聞いていると、脱力しまくりで、何だかもう、すべてが
どうでもよくなって来る感じがしました(苦笑)。ただ、やっぱり、最初の頃の作品に比べて、
全体的に会話の勢いとかくだらなさもトーンダウンしているような・・・。それに、やっぱり
羽川さんとか戦場ヶ原ひたぎとか、神原とか、個性の強い女性キャラが出て来ない分、シリーズ
としてはちょっと、いやかなり物足りない。忍も十分可愛いんだけど、なんだかしゃべらなかった
頃に比べて、普通の子になって迫力が欠けちゃった感じがして残念でした。

夏休みの宿題がやり終わらないからって、一日前にタイムスリップしようとして、11年前に
戻ってしまい、一人の少女の願いを叶えてあげて元の時間に戻ったら、世界が滅亡していた、
という、なんともこのシリーズらしいトンデモない設定。バタフライ・エフェクトもここまで
極端だとツッコむ気にもならなくなりますよ^^;まぁ、忍野が明かした理由を知って、成程、
と納得出来るところはあったのですが。でも、11年前くらいじゃ、そうそう世の中の不審者に
対する警戒度とか変わらないと思うんですけどねぇ。なんか、11年って時間が、この作品の
中だとすごく昔に戻ったような扱いだったんで。なんだかちょっと時間の感覚に違和感を覚えて
しまいました。あと、現代に戻った時の時代設定も、もしかしたらかなり昔の設定なのかな、と
疑ってしまう位、暦と忍が話題にするネタが古い。でも、地上波デジタルがどうとか言ってる位
だから、リアルタイムな時代設定なんでしょうけどねぇ・・・。そのネタは絶対、現在の高校生
は知らないだろ!ってツッコミたくなるような所が結構あったんで^^;単に、懐かしネタが
好きなだけなのかしらん。だって、現代高校生男子がキョンシー知ってるって、どう考えても
おかしいでしょ^^;ゾンビ映画フェチででもあるのか、阿良々木暦・・・。

過去にタイムスリップして、八九寺さん助けて、すぐに現代戻ってゾンビたちと遭遇したりして
いろいろ物語を引っ張った割に、ラストはあっさりで拍子抜けって感じだったんですが、まぁ、この
シリーズだからそれでいいのかな。そんなアホな、とツッコミたくなるところですが、そこは
我慢。不毛でクダラナイ会話が楽しめればいいやってのが、このシリーズの一番重要ポイント
ですから。深く考えちゃぁ、いけません。楽しく読んで、時たま可愛い女の子に萌えられれば、
それでオールオッケー。今回、ちょっとその会話がツボに来なくて苦戦したところもあったの
ですけれどね^^;若干、飽きて来ちゃったのかも・・・(ごめんよ)。
でも、最後のひたぎエンドまでは絶対読み通すつもりです。ひたぎと暦がどうなるのかが
気になるからね。


※記事を書いたのは読み終えた17日だったのですが、今日、震災後初めて予約本の引き取りに
行ったら、『猫物語(白)』が回って来てました・・・。遅いっちゅーねん・・・。