ウェブサイト文春オンライン上で掲載された、人生相談コーナーを書籍化したもの。
この間読んだ燃え殻さんのエッセイが面白かったので、借りてみました。
他人の人生相談聞くのって面白いです。読売新聞の人生相談読むのが日課なんですが、
本当にいろんな相談があって興味津々。相方と今日の人生相談すごかったね~
なんて会話もしょっ中です。
職場では有線のラジオがかかっていることが多いのですが、テレフォン人生相談
も良く聴いています。文化放送かな?新聞は比較的優しい回答が多い気がしますが、
有線のテレフォン人生相談の回答は毎回かなり辛辣。そ、そこまで言わなくても
・・・というような手厳しいアドバイス(なのかな・・・)に、聴いてるこっちが
暗い気分になってしまうこともしばしば(苦笑)。悩んで悩んで相談しているのに、
追い打ちをかけるような言葉を浴びせまくるんだもの。まぁ、新聞にしろラジオ
にしろ、相談する人って、明確な回答なんて求めてないんだよね。とにかく、
誰かに胸の裡を聞いてもらえればそれでいいんだと思う。誰かに話すことですっきり
することがほとんどじゃないのかな。一人で抱えてるのってほんと辛いと思うからさ。
おっと、前置きが長すぎた。で、燃え殻さんの場合はというと、ですね。これがもう、
めっぽう優しい。相談者に寄り添う回答ばかり。例えば不倫している人からの
相談でも、普通なら不倫は良くない、やめろって言うだろうところを、燃え殻
さんは相談者側の立場に立って、人として間違っていようが、相談者が(不倫
して)救われることの方が大事だと言い切ってくれる。まぁ、個人的には不倫を
肯定するなよ、とツッコミたくはなりましたけど^^;
燃え殻さんご自身、過去に辛い時期があって、それを経験して今があるだけに、
弱者の立場で考えてくれる方なんでしょうね。どんなにくだらない相談でも、
偉ぶったところが一切なくて、同じ目線に立って、真摯に親身になって言葉を
選んで回答してくれているのがわかるから、心に響きました。明確な解決法が
提示される訳ではないけれど、こんな風に返してもらえたら少し、心の重石が
軽くなるんじゃないかなって思えるものばかりでした。燃え殻さんの言葉の
チョイスが好きだなぁ。
本当にバラエティに富んだ相談ばかりで、人によっていろんな悩みがあるものだなぁ、
としみじみ思わされました。
友達のブログが気持ち悪いと感じる男性からの悩みにはドキッとしました。私も
こうして好き勝手に本の感想アップするブログをやっているから、傍から見たら、
自分に酔ってて偉そうな文章とか書いてて、気持ち悪いと思われているのだろう
か・・・(汗)。ま、まぁ、友達は読んでないと思うからいっか・・・。
最後の相談(息子が朝ベットから起きず、何もしないという悩み)の回答の
最後の一文、『生きていればどうにかなるから大丈夫です』は、全部の質問の
答えのようにも感じました。とりあえず、生きてさえいれば何とかなる。
だから生きていこう、というメッセージにも思えました。ままならないことも、
生きてさえいれば、きっと大丈夫だと。燃え殻さんの優しいメッセージですね。
生きていれば、明日が来るものね。
・・・こういう文章が、他人から見ると恥ずかしくて気持ち悪いんだろうか・・・
どーん。
燃え殻さんの文章、やっぱり好きだな~。本書は装幀もとっても可愛らしい。
タイトルの『相談の森』は、『どうぶつの森』にちなんでいるのかな。表紙も
いろんな動物が描かれているし。
燃え殻さんのエッセイ第二弾が最近出たらしい。そちらも楽しみ。