こんにちは。ここ数日は梅雨時らしい天気が続いてますね。
これで少しは水不足が解消していると良いのだけれど・・・肝心の水がめのところ
には雨が降らなかったりするから、困ってしまうのですよね。
これで少しは水不足が解消していると良いのだけれど・・・肝心の水がめのところ
には雨が降らなかったりするから、困ってしまうのですよね。
読了本は2冊。
紅玉いづき「現代詩人探偵」(東京創元社)
最近、このミステリフロンティアシリーズは読んだり読まなかったりなんですけど、紅玉さんが、
このレーベルで書くと知って、これは読まねば!と予約しました。
詩人になりたい青年が主人公。10年前に、同じ志を持った詩人の卵たちが集まるSNSの
オフ会に参加した青年は、会の別れ際に、10年後、また同じ場所で同じメンバーで集まろうと
約束していたことを思い出す。しかし、約束の日、その場所に集まったのは半数の5人
だけだった。その場に来なかったメンバーたちは、皆何らかの不審死を遂げていた。
彼らの死の真相を知りたいと思った青年は、残されたメンバーの代表という形で、
探偵役を引き受けるのだが――。
最近、このミステリフロンティアシリーズは読んだり読まなかったりなんですけど、紅玉さんが、
このレーベルで書くと知って、これは読まねば!と予約しました。
詩人になりたい青年が主人公。10年前に、同じ志を持った詩人の卵たちが集まるSNSの
オフ会に参加した青年は、会の別れ際に、10年後、また同じ場所で同じメンバーで集まろうと
約束していたことを思い出す。しかし、約束の日、その場所に集まったのは半数の5人
だけだった。その場に来なかったメンバーたちは、皆何らかの不審死を遂げていた。
彼らの死の真相を知りたいと思った青年は、残されたメンバーの代表という形で、
探偵役を引き受けるのだが――。
終盤まで、主人公の青年の陰々欝々とした心の内面が続いて行くので、正直読むのが
しんどかったです。とにかく、主人公が暗いんだもの^^;詩を書く人って、こんなに
心が病んでいるものなのかしら、と辟易しました。しかも、そんな人間が探偵役を買って
出たものだから、関係者に話を聞くにしても、一筋縄ではいかないし。何度もイラっと
してしまいました。
唯一、彼を心配してくれる友人の棗(なつめ)君に対する態度も酷かったですし。
なんで、いちいちこんなに頑なな性格なのかなぁ、とうんざりしました。
ただ、ラストまで読んで、彼の事情を知って、いろんなことが腑に落ちました。
亡くなった5人の死の真相も、一人一人の死を追っている段階では、さほどの謎が
隠されている訳じゃなく、ちょっと肩透かしな印象だったんですが、一作通して
読むと思わぬ真相が隠されていたことがわかって、驚かされましたし。ミステリとして、
主人公側と亡くなった詩人たちの側、両方に仕掛けが施されていたところに感心しました。
繊細な詩人たちの心理や内情には、かなり辟易したものの、最終的には、ミステリとしての
面白さで挽回した、って感じ。しかし、そこに行きつくまでが長かった
ですがー・・・これ、途中で挫折した人がいても、全然意外じゃないな。っていうか、
私も最初は何度か挫折しかけたもん^^;でも、最後まで読んで、読み通して良かった、
と思えましたけどね。
主人公みたいな面倒くさい人間と付き合うには、かなりの根気が要りそうだな、と
思いました。もちろん、基本的には悪い子じゃないのはわかるし、ただ繊細で不器用な
だけなのもわかるのだけどね。彼のように、世の中に迎合できず、うまく生きていけない
人間ってたくさんいると思うし。そういう中で、あがきながら、もがきながら、生きて
行こうとする姿は、一部の人間には勇気を与える小説でもあるのかもしれません。
ただ、女より男の詩人の方が長生きできない、という考え方は、ちょっと極端すぎない
かなぁ、と思いました。そういう思い込みを抱えてしまうところが、詩人ならでは、
なのかもしれませんけれどね。
しんどかったです。とにかく、主人公が暗いんだもの^^;詩を書く人って、こんなに
心が病んでいるものなのかしら、と辟易しました。しかも、そんな人間が探偵役を買って
出たものだから、関係者に話を聞くにしても、一筋縄ではいかないし。何度もイラっと
してしまいました。
唯一、彼を心配してくれる友人の棗(なつめ)君に対する態度も酷かったですし。
なんで、いちいちこんなに頑なな性格なのかなぁ、とうんざりしました。
ただ、ラストまで読んで、彼の事情を知って、いろんなことが腑に落ちました。
亡くなった5人の死の真相も、一人一人の死を追っている段階では、さほどの謎が
隠されている訳じゃなく、ちょっと肩透かしな印象だったんですが、一作通して
読むと思わぬ真相が隠されていたことがわかって、驚かされましたし。ミステリとして、
主人公側と亡くなった詩人たちの側、両方に仕掛けが施されていたところに感心しました。
繊細な詩人たちの心理や内情には、かなり辟易したものの、最終的には、ミステリとしての
面白さで挽回した、って感じ。しかし、そこに行きつくまでが長かった
ですがー・・・これ、途中で挫折した人がいても、全然意外じゃないな。っていうか、
私も最初は何度か挫折しかけたもん^^;でも、最後まで読んで、読み通して良かった、
と思えましたけどね。
主人公みたいな面倒くさい人間と付き合うには、かなりの根気が要りそうだな、と
思いました。もちろん、基本的には悪い子じゃないのはわかるし、ただ繊細で不器用な
だけなのもわかるのだけどね。彼のように、世の中に迎合できず、うまく生きていけない
人間ってたくさんいると思うし。そういう中で、あがきながら、もがきながら、生きて
行こうとする姿は、一部の人間には勇気を与える小説でもあるのかもしれません。
ただ、女より男の詩人の方が長生きできない、という考え方は、ちょっと極端すぎない
かなぁ、と思いました。そういう思い込みを抱えてしまうところが、詩人ならでは、
なのかもしれませんけれどね。
意外だったのは、紅玉さんが、ミステリ小説を書かれるのが、これが初めてだということ。
そういえば、読んだ作品はみんなファンタジーだったっけ。
確かに正統派ではないけれど、ちゃんと仕掛けのあるミステリに仕上がっていると
思うので、これからもどんどんミステリに挑戦して頂きたいです。
そういえば、読んだ作品はみんなファンタジーだったっけ。
確かに正統派ではないけれど、ちゃんと仕掛けのあるミステリに仕上がっていると
思うので、これからもどんどんミステリに挑戦して頂きたいです。
湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」(光文社)
昨日読み終えて、直木賞候補に挙がっていることを知りました。なんとタイムリーな!
今回は、気合い入れて予約して良かったよ~(笑)。
いやー、黒かった。ここ二作ほど黒系の作品が続いていたけれど、この短編集は
今までの黒湊さんの総集編、みたいな、ド直球のイヤミス短編集。どれ読んでも、
イヤ~~~な気分になれること間違いなし(嫌な薦め方^^;)。
でも、それだけに、どれも完成度は高いと思います。直木賞候補に挙がったのも、
むべなるかな。
ラストの二作のみ、リンクした作品になっています。これがまた、嫌なお話だったなぁ・・・。
昨日読み終えて、直木賞候補に挙がっていることを知りました。なんとタイムリーな!
今回は、気合い入れて予約して良かったよ~(笑)。
いやー、黒かった。ここ二作ほど黒系の作品が続いていたけれど、この短編集は
今までの黒湊さんの総集編、みたいな、ド直球のイヤミス短編集。どれ読んでも、
イヤ~~~な気分になれること間違いなし(嫌な薦め方^^;)。
でも、それだけに、どれも完成度は高いと思います。直木賞候補に挙がったのも、
むべなるかな。
ラストの二作のみ、リンクした作品になっています。これがまた、嫌なお話だったなぁ・・・。
簡単に、各作品の感想を。
『マイディアレスト』
六歳下の、妊娠中の妹が殺された。警察は私に有紗のことを話せと言う。妹が殺された時、
私は飼い猫の蚤取りをしていた――。
母親から贔屓され可愛がられる妹、虐げられる姉。こんなのがずっと40年も続いてくれば、
我慢できなくなって爆発する日が来るのも仕方がないのかも・・・とはいえ、ラストは
衝撃的。蚤取り、怖い(><)。
六歳下の、妊娠中の妹が殺された。警察は私に有紗のことを話せと言う。妹が殺された時、
私は飼い猫の蚤取りをしていた――。
母親から贔屓され可愛がられる妹、虐げられる姉。こんなのがずっと40年も続いてくれば、
我慢できなくなって爆発する日が来るのも仕方がないのかも・・・とはいえ、ラストは
衝撃的。蚤取り、怖い(><)。
『ベストフレンド』
脚本新人賞で、優秀賞を獲った大豆生薫子と、直下未来と共に優秀賞だった漣涼香。
同じ賞の首席と次席。その違いが、彼らのその後の人生を大きく狂わせて行くことに――。
ラストは意外な結末。涼香の嫌な心理描写ばかりが続いていたので、ラストで涼香が
薫子にしようと(&言おうと)していたことに驚きました。それなのに・・・皮肉すぎる・・・。
脚本新人賞で、優秀賞を獲った大豆生薫子と、直下未来と共に優秀賞だった漣涼香。
同じ賞の首席と次席。その違いが、彼らのその後の人生を大きく狂わせて行くことに――。
ラストは意外な結末。涼香の嫌な心理描写ばかりが続いていたので、ラストで涼香が
薫子にしようと(&言おうと)していたことに驚きました。それなのに・・・皮肉すぎる・・・。
『罪深き女』
死傷者15人を出した通り魔事件を起こした黒田と、幼い頃に同じアパートに住んでいた幸奈。
警察の質問に、幸奈は当時の思い出を語り出す。黒田正幸君があのような凄惨な事件を起こした
のは・・・私のせいなのです――と。
なんという、皮肉なお話なのでしょう。黒っ。ここまで思い込みが激しくなれるのも、ある意味
すごい。恐るべき、勘違い女のお話。面白かった(というと、語弊があるような気もするが^^;)。
しかし、炎の中に聞こえた『お姉ちゃん』の声は、幻聴だったということなのだろうか?
死傷者15人を出した通り魔事件を起こした黒田と、幼い頃に同じアパートに住んでいた幸奈。
警察の質問に、幸奈は当時の思い出を語り出す。黒田正幸君があのような凄惨な事件を起こした
のは・・・私のせいなのです――と。
なんという、皮肉なお話なのでしょう。黒っ。ここまで思い込みが激しくなれるのも、ある意味
すごい。恐るべき、勘違い女のお話。面白かった(というと、語弊があるような気もするが^^;)。
しかし、炎の中に聞こえた『お姉ちゃん』の声は、幻聴だったということなのだろうか?
『優しい人』
バーベキュー広場で遺体となって発見された奥山友彦。警察は、一緒にいた同僚の女性から
事情を聞く。刺したのはその女性だった。周囲に話を聞くと、奥山は『優しい人』だったという。
女も、母親から『優しい人になりなさい』と言われて育った筈なのに――。
『優しい人になれ』という母親の言葉を忠実に守ろうとした女の、過去の数々のエピソードが
嫌すぎる。この母親も完全に毒親ですよねぇ。んで、特に嫌だったのが、吐いちゃう子の
あと始末係に任命されたエピソード。先生酷すぎ。だんだんと明かされて行く奥山の本性と、
彼女の過去の出来事を読んで、彼女がしたことに同情せざるを得ない気持ちになりました。
こんな人生を送るくらいなら、優しい人じゃない方がいい、と思わせてしまうところが、
湊さんの上手さなんだろうと思いました。
バーベキュー広場で遺体となって発見された奥山友彦。警察は、一緒にいた同僚の女性から
事情を聞く。刺したのはその女性だった。周囲に話を聞くと、奥山は『優しい人』だったという。
女も、母親から『優しい人になりなさい』と言われて育った筈なのに――。
『優しい人になれ』という母親の言葉を忠実に守ろうとした女の、過去の数々のエピソードが
嫌すぎる。この母親も完全に毒親ですよねぇ。んで、特に嫌だったのが、吐いちゃう子の
あと始末係に任命されたエピソード。先生酷すぎ。だんだんと明かされて行く奥山の本性と、
彼女の過去の出来事を読んで、彼女がしたことに同情せざるを得ない気持ちになりました。
こんな人生を送るくらいなら、優しい人じゃない方がいい、と思わせてしまうところが、
湊さんの上手さなんだろうと思いました。
『ポイズンドーター』
女優として活躍している弓香の元に、かつての親友から同窓会のお知らせメールが届いた。
ぜひ参加してほしいというが、弓香には地元に帰りたくない理由があった。弓香を長年支配
してきた母親に会いたくないのだ――。
最近世間の話題に上ることも多い、毒親をテーマにした作品。確かに、弓香の母親の言動は、
娘の立場から見ると、あんまりだと思えるものばかりでした。子供に自分の理想を押し付けて、
将来の夢まで自分の思い通りにしようとする親なんて、やっぱり酷いと思う。でも、この
お話には、思わぬ真相が隠されていました。
女優として活躍している弓香の元に、かつての親友から同窓会のお知らせメールが届いた。
ぜひ参加してほしいというが、弓香には地元に帰りたくない理由があった。弓香を長年支配
してきた母親に会いたくないのだ――。
最近世間の話題に上ることも多い、毒親をテーマにした作品。確かに、弓香の母親の言動は、
娘の立場から見ると、あんまりだと思えるものばかりでした。子供に自分の理想を押し付けて、
将来の夢まで自分の思い通りにしようとする親なんて、やっぱり酷いと思う。でも、この
お話には、思わぬ真相が隠されていました。
『ホーリーマザー』
『ポイズンドーター』と対になる作品。いくつか回収されない伏線が残されていたのですが、
こちらを読むとすっきりするようになっています。そして、こちらを読んで『ポイズン~』
で思っていたことが180度覆されました。上手い。
こちらは、弓香の友人理穂からの視点。弓香の母親が娘のことをどう思っていたのかが
わかります。お互いに、少し歩み寄りが足りなかったのかな、と思えました。どちらが
悪いとも良いとも言えない。強いて言えば、どちらも悪かったと思う。母親の弓香に対する言動は、
確かに表面から見ると毒親のそれだと思うし。でも、彼女も必死で娘のことを考えていたことが
わかる。子育てって、難しいな、と思いました。『ポイズン~』を読んだ時は、タイトルに首を
傾げていたのだけれど、併せて読むと、どちらのタイトルもしっくり来ます。どちらも皮肉な結末
なのは間違いないですね。
『ポイズンドーター』と対になる作品。いくつか回収されない伏線が残されていたのですが、
こちらを読むとすっきりするようになっています。そして、こちらを読んで『ポイズン~』
で思っていたことが180度覆されました。上手い。
こちらは、弓香の友人理穂からの視点。弓香の母親が娘のことをどう思っていたのかが
わかります。お互いに、少し歩み寄りが足りなかったのかな、と思えました。どちらが
悪いとも良いとも言えない。強いて言えば、どちらも悪かったと思う。母親の弓香に対する言動は、
確かに表面から見ると毒親のそれだと思うし。でも、彼女も必死で娘のことを考えていたことが
わかる。子育てって、難しいな、と思いました。『ポイズン~』を読んだ時は、タイトルに首を
傾げていたのだけれど、併せて読むと、どちらのタイトルもしっくり来ます。どちらも皮肉な結末
なのは間違いないですね。
この短編集を一冊通して読んで、自分はなんていい母親に育てられたのだろう、と
心底感謝したい気持ちになりました。普通に愛情を持って『自由に』育ててもらうということが、
これほど有り難いことだとは。自分が毒娘ではないことを心から願いたい。親にとっての
『いい娘』って何だろうな、と考えさせられました。
面白かったです。直木賞獲ってほしいなー。
心底感謝したい気持ちになりました。普通に愛情を持って『自由に』育ててもらうということが、
これほど有り難いことだとは。自分が毒娘ではないことを心から願いたい。親にとっての
『いい娘』って何だろうな、と考えさせられました。
面白かったです。直木賞獲ってほしいなー。
こっから余談。興味ない方は読み飛ばしてください~^^;
私事ですが、昨夜は結婚式4周年記念に、地元のイタリアンに行って来ました
実際の記念日は今日(23日)なのですけどね。相方が夜勤で不在なので、1日
繰り上げでお祝いしました。式を挙げて4年になるんですね~。早い~
(ちなみに、うちは入籍と式が別の日なので、一応それぞれにお祝いしております)。
ネットで探して口コミ評価が良さそうだったので行ってみたのですが、なかなか
本格的なイタリアンで、美味しかったです。ご主人と奥様二人でやられている
こじんまりとしたお店で、アットホームな雰囲気も良かったです。
家から歩いて行ける距離にあるってのがいいですね。お酒も飲めますし(私は
ほとんど飲みませんが、相方がお酒大好きなもので^^;)。
相方の分のデザートをチーズ盛り合わせに変えてくれたり(甘いものがそんなに好きな
人ではないので)、ワインでそのチーズを食べているうちに、相方のコーヒーがぬるくなって
しまったので、新しいのと取り替えてくれたり、と細かい心配りが素晴らしかったです。
灯台下暗し、とはこのことだな~と思いました。今度はランチに行きたいな~。
実際の記念日は今日(23日)なのですけどね。相方が夜勤で不在なので、1日
繰り上げでお祝いしました。式を挙げて4年になるんですね~。早い~
(ちなみに、うちは入籍と式が別の日なので、一応それぞれにお祝いしております)。
ネットで探して口コミ評価が良さそうだったので行ってみたのですが、なかなか
本格的なイタリアンで、美味しかったです。ご主人と奥様二人でやられている
こじんまりとしたお店で、アットホームな雰囲気も良かったです。
家から歩いて行ける距離にあるってのがいいですね。お酒も飲めますし(私は
ほとんど飲みませんが、相方がお酒大好きなもので^^;)。
相方の分のデザートをチーズ盛り合わせに変えてくれたり(甘いものがそんなに好きな
人ではないので)、ワインでそのチーズを食べているうちに、相方のコーヒーがぬるくなって
しまったので、新しいのと取り替えてくれたり、と細かい心配りが素晴らしかったです。
灯台下暗し、とはこのことだな~と思いました。今度はランチに行きたいな~。
デザートプレート。可愛い(*^^*)。