ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

恩田陸「月曜日は水玉の犬」(筑摩書房)

土曜日、日曜日に続けて、曜日タイトルエッセイ第三弾。一応これで打ち止めらしい

ですが、あと曜日は4つありますからね~。エッセイ的なものがたまったら、また

続きが出るかもしれませんね。

鮮明な夢のお話や、映画のお話なども入っていますが、概ね書評や選書や本について

のエッセイでした。

膨大な数のオススメ本が出て来ますが、ほとんど読んだことがなかったです・・・。

海外ものが多いのもありますけど、とにかくジャンルが広い。古典から現代まで

いろんなジャンルの本を読まれていて、本当に驚きます。もちろんミステリも

多いのですが、それ以外も多岐に亘ります。桜庭さんやしをんさんもそうだけど、

読書家と呼ばれる人って、ほんとこういう人なんだよな~といつも感心させられ

ますね。自分の本選びのなんと偏っていることよ・・・!!!

とはいえ、最近はもう、ちょっとでも自分の好みとズレているようなテーマや

ジャンルだと全く手に取ろうという気になれなくなっているので、これ以上

読書の幅を広げるのは無理だもんな~・・・。まぁ、私は別に自分が読書家だと

思ったことも、なりたいと思ったこともないからいいけどさ(ふてくされてる?w)。

まぁとにかく、恩田さんの本知識の広さには相変わらず脱帽しきりなのでした。

印象に残ったのが、クイーン、ホームズ、クリスティーの作品を、クイーンは

「ジグソーパズル」、ホームズは「クロスワード・パズル」、クリスティー

「なぞなぞ」だと例えたところ。理由を読んで、なるほど~!と膝を打ちたく

なりました。「なぞなぞ」はいくらでも恣意的に解釈が可能、クロスワードパズル

は時代が変わるにつれて言葉を入れていけばいい、しかしジグソーパズルは

どのピースが欠けても物語が完成しない、と。クイーンの作品は他の二つに比べて

なぜ映像化され難いのか、という問題についての答えがそこにある、と。クイーン

の作品は、それほどに小説での完成度が高く、隙がない為、換骨奪胎することが

不可能だということなんですね。映像化されると、大抵大幅な改変がなされたり

しますもんね。一つでもおろそかにすると、物語が成立しなくなると。クイーンの

作品って、そんなに映像化されてないのかな?確かに、ホームズもクリスティの

いろんな作品も映画化・ドラマ化されていろいろ観たことあるけど、クイーンの

作品って観たことないかも?いや、国名シリーズとか、映画ありそうだけどね?

(ないのかな??)

挙げられている作品はほとんど未読のものばかりだったのだけど、『平成の三冊』

の中に、東野さんの白夜行が挙げられていたのが意外だったな。

あと、『涙香迷宮』が絶賛されていたのが嬉しかった。私も、あのいろは歌には

本当に脱帽させられたから。多分私が読んでたのはその二冊くらいだったな。

全く名前すら知らない作家が山ほど紹介されていて、ただただ読み流している

だけだったような^^;あ、泡坂妻夫さんは、米澤穂信さんのエッセイでも

思ったけど、やっぱりちゃんと読んでおかなきゃなーと改めて思わされました。

実家に何冊か置いてあるから、今度取ってきておこうっと。