ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

高田崇史「QED 神鹿の棺」(講談社ノベルス)

QEDシリーズ最新刊。今回の舞台は茨城の東国三社(鹿島神宮香取神宮・息栖神

社)。私の両親の田舎がどちらも茨城なので、鹿島神宮は何度か行ったことがあり

まして、数年前に両親と田舎に行った時にも、途中で寄って参拝して行ったことを

思い出して懐しかったです。

相変わらずタタルさんの蘊蓄がすごくて、前半は若干苦戦しました。殺人事件

とのバランス、おかしくないですか?^^;ほとんど、タタルさんたちの神社

巡り紀行記になっていたような・・・いや、大抵いつもそうなんだけどさ。

沙織ちゃんと熊つ崎さんが再婚しても、未だに奈々ちゃんとタタルさんは結婚

してないみたいだし。将来的にゴールインするのは間違いないハズなんだけど、

そうなると、一体二人はいつ一緒になったんだ・・・???多分、今回のお話

の奈々ちゃんがすでに三十代の後半になっているようなので、もしかしたら

四十代になってから・・・?たまに出て来る奈々ちゃん視点の描写の時も、

驚くほどその点(結婚)に関して蛋白というか、したいという気持ちすら出て

来ないのが不思議なんですよねぇ。恋愛感情があるのは間違いないのにねぇ。

相手が相手だから、もう期待するのも諦めちゃってる感じなのかなぁ。謎。

今回も、三つの神社の位置関係とか、祀っている神様に関する歴史的考察とか、

興味深いものがたくさんありました(読んでいる時は面白いけど、その後

きれいさっぱり忘れちゃうんだけどね!←こら)。

殺人事件の方はつけたしみたいな感じですが、死体が古い瓶に入っていた理由

なんかは、タタルさんの推理を読んで、なるほど、と思えました。こんな、

おぞましい風習が行われる集落が未だに残っていると思うと、背筋が凍ります。

昔は各地であったのかもしれませんけどね。

東国三社だけじゃなく、今回出て来たいろんな神社の根底にあるのが、安曇磯良

に絞られて行くというのもびっくりでした。っていうか、安曇磯良ってこのシリーズ

くらいでしか名前聞いたことないんですけどー・・・。武甕槌命があの神様と

つながった所にも『おお!』と思いました。まぁ、ほんとかどうかはわかりません

けども。確かに名前から考えるとそういう説も頷けないこともない・・・かな??

いろんな神様がいろんな所につながっているから、もう、知識のない私には何が

何やらさっぱりって感じではありました^^;歴史は苦手なんで、タタルさんの

アホみたいな膨大な知識を元にした歴史考察を読むのは結構しんどいところも

あるのですが、興味を引かれる分野だと意外とすとんと腑に落ちたりする時もある

ので、ついつい読んでしまうシリーズです。今回は慣れ親しんだ茨城が舞台だった

ので、結構面白く読めました(前半はかなりしんどかったですが^^;)。

しかし、タタルさんのあの歴史考察にしっかりついて行けている奈々ちゃんって、

本当にすごいと思う。しかも、たまに鋭いことを言って、タタルさんの歴史考察の

ヒントを与えたりもするんだからね。こんなに、タタルさんに相応しい女性は

他にいないと思うよ・・・(てか、他についていける女性なんかいるもんか)。

早く幸せにしてあげて欲しいよ^^;

鹿島神宮以外の、他の二社もいつか訪れてみたくなりました。