ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

三浦しをん「好きになってしまいました。」(大和書房)

楽しみに楽しみにしていた、しをんさんの新作エッセイ。2012年から2022年までに

いろんな媒体で掲載されたエッセイをまとめたものだそう。私が一番読みたかった、

しをんさんの日常を綴ったエッセイ。相変わらずバイタリティ溢れるしをんさん

の何気ない日常が垣間見れて、とってもとっても楽しかったです。コロナ前、

いろんな場所に取材に行ったり旅行に行ったりした旅行記なんかも収録されているし、

本に纏わるエッセイや家族に纏わるエッセイなんかも入っていて、読みどころ満載。

真面目よりのエッセイももちろんあるけれども、概ねくすりと、あるいは爆笑

できるものばかりでした。特に好きだったのは、やっぱりしをんさん家族に纏わる

エピソードと、自宅での動植物に纏わるエピソードの部分かな。しをんさんの家族

って、どうしてこう面白いひとばかりなんだろう。特に今回お父さんとのエピソード

が面白かったな~。娘に温泉旅行をタカる父・・・いや、そりゃ、今のしをんさんの

収入を考えれば、わからなくもないけどさぁ。でも、知らない間に自宅に入って、

勝手に娘の部屋を掃除するってのはどうなんだ?^^;それ、普通母親がやること

じゃないのかな・・・(いや、母親からだって、やられたら娘としては嫌かもだけ

ど!!)。

自宅での動植物に関する描写というのは、しをんさんは自宅のベランダで結構

いろんな植物を育ててらっしゃるそうで、そのせいかベランダにはいろんな昆虫やら

鳥さんやらが舞い込んでくるのだそう。そうした動植物に纏わるエピソードが

今回結構頻繁に出て来る。私も庭で(主に薔薇だが)いろんな植物育てているので、

結構共感できるところが多かったです。もちろん、植物を育てるということは、

虫との戦いでもあるわけなので。しをんさん VS 虫 の戦いのエピソードも

面白かったです。私も虫は大の苦手なので、半泣きになりながら処置してます。

最近では、庭に植えてある温州みかんの木にアブラムシが大量発生してしまって。

去年はそんなことなかったのに、なぜかみかんだけにアブラムシが・・・(薔薇は

定期的に薬剤散布しているおかげで免れているけど)。もうどうしようもないので、

思い切ってアブラムシが大量についてる枝はばっさり剪定してしまいました。

レモンは毎年剪定するのですが、みかんはあまりしていなかったせいで、風通しが

悪くなってたからではないかと。ほんと、植物にとって風通しって大事なんですよね。

薔薇もそうだけどさ。ちゃんと、定期的に手をかけてやらないと、大変なことに

なっちゃう。いい経験になりました・・・。

旅行記部分も楽しかったです。日本には、まだまだ魅力的な場所がいっぱいあるなぁ

と思わされました。コロナも落ち着いて来たから、私ももう少し遠出の旅行が

したいなぁ。関東近郊はコロナ禍でもちょいちょい行ってましたけどね。

嬉しかったのは、その旅の章の中で、我が街の神社にいらしたエピソードが

あったこと。しをんさんが我が街に!(歓喜)私の住む街には、結構大きめの神社が

ありまして。全国的にはさほど有名じゃないかもしれないんですが、歴史は

ものすごく古くて、神社の規模もかなり大きいんですよ。定期的に大きなお祭り

もやっていて、ちょうど今のGWの時期に一年で一番大きなお祭り(例大祭)が

あります(く○やみ祭り)。

コロナで3年ほど大々的にはやれていなかったのですが(最低限の儀式みたいな

ものだけ、昨年は内々でやったようです)、今年は3年ぶりに一般客も参加

出来る形で開催されているようで、駅前から神社の間は大賑わいの模様。しをん

さんが訪れた時はお祭りとかやっていない時期だったと思いますが、普段も

そこそこ参拝客はいるんですよね。地元民が愛してやまない神社なので、しをん

さんにも参拝してもらえて嬉しい。ぷらっと誰でも参拝できるのんびりした雰囲気

も好印象だったみたいで、良かったです。

お祭りの賑やかな時にもぜひ一度訪れてみて欲しいな、と思いました。そうそう、

しをんさん、鳥居の前の大木、それもけやきです!(エッセイ読まれた方には

この意味わかっていただけると思います☆)

あとは、知人の見事な薔薇庭を見に行かれたエピソードにも、当然ながら食いつき

ました(笑)。きっと、うちの庭なんか目じゃないくらい、素晴らしい薔薇庭

なんだろうな~。見てみたいっ!!って思いました(薔薇狂い人間)。

他にも、取り上げたいエピソードは山ほど(毎度ながら)ありますが、長くなった

のでこの辺で。しをんさんの好きなものがたくさん伺い知れた素敵なエッセイ集

でした。ほんとに、しをさんのエッセイは面白いな。毎年出してくれんかな(おい)。