ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

小路幸也「キャント・バイ・ミー・ラブ 東京バンドワゴン」(集英社)

シリーズ第19弾。年に一度のシリーズ新作。今年も無事読むことが出来ました。

このシリーズは作中でもリアルタイムに時間が流れているから、登場人物たちも

私たち同様に年を取っていて、子供だった子たちはどんどん大人になるし、大人

たちはそれぞれにライフスタイルが変わって行ったりして、月日の移り変わりを

リアルに感じることが出来ます。それだけに、老齢のひとたちの行く末が心配に

なったりもするのですけどね。特に勘一さんね。いつかお迎えが来るんじゃないかと、

毎回読む度にドキドキしてしまいます。まだまだ、元気で現役でいて欲しい。

しかし、毎回増えて行く堀田家のメンバー。一体、この家の広さってどれくらい

あるんだろう。お馴染みの朝ご飯のシーンのメンバーだけを見ても、すごい人数

ですよね。次回から更にもう一人増えるみたいだけど。座る場所あるの?^^;

なんか、毎朝合宿所みたいですよね。楽しそうだけどね。

今回も、ちょっと出来すぎなのでは?ってくらい、ご都合主義的展開の連続。

こんなに上手くいくものかね?とツッコミたくなるところですが・・・。まぁ、

それを言ってしまうとね。このシリーズを根底から否定することになってしまう

のでね。我南人さんの『LOVEだねぇ』がすべてですよね。ま、空気読まずに

どこでもこのセリフが出て来るところは、人によってはイラっとするかもしれ

ませんが^^;;

今回、私がひっかかったのは、アイドルグループ<カラーナンバー>のハルカ

の小説。文章は知ることが出来ないけど、あらすじの説明聞くと不倫の話なんです

よね。なんか、読んだ人がこぞって、この作品を褒めちぎるところに、なんだか

違和感を覚えてしまった。いやもちろんね、不倫の小説にもたくさん傑作はある

と思いますけどね。でも、私だったら、どんなに文章が良くても、内容的に受け

付けないかもって思ってしまって。それに、こういう内容で、小説をよりリアルに

描きたいからって、不倫を体験する為に堀田家を利用するところにも嫌悪感しか

覚えなかったしね。

堀田家の人々がお人好しだからといって、こういうことを容認しちゃうのはどうかと

思いましたね。謝って済む問題か?ま、この子はある意味被害者でもある訳で、

最後に仕掛けた側の思惑も明らかになるんですけどね。

タレント使って、やること卑劣すぎ。不確かな情報を確かめもせず、逆恨みして

堀田家にぶつけるとは。なんだかんだで、我南人って破天荒でめちゃくちゃな割に、

人間出来てますよね。事件の幕引きが上手くいくのって、大抵裏で我南人が動い

たおかげだったりするしね。

今回、ついにあのカップルが結婚。女性の方は、子供の頃から知ってるから(いや

小説の中でですけどねw)、感慨深いものがありますね。結婚式って、私もこの間

甥っ子の出たけど、やっぱり幸せのお裾分けもらえた気分になっていいですよね。

堀田家は関係者が多いから、それはそれは盛大なお式になったでしょうね。

集合写真の人数も大変なことになってそう(笑)。

勘一さんには、ぜひとも、かんなちゃんと鈴花ちゃんのお式まで元気でいてもら

いたいですね。サチさんには、もう少し堀田家を見守っててもらいましょう。