ミステリ読書録

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蘇部健一/「ふつうの学校 ② ―ブラジャー盗難事件の巻― 」/講談社青い鳥文庫刊

蘇部健一さんの「ふつうの学校 ―ブラジャー盗難事件の巻― 」。

ぼくは外池明。青陽小学校5年生。5月のある日、ぼくは珍しく学校に遅刻しないで
校門を通り抜けた。そこで校門脇にいる雄のビーグル犬を見かけた。その老犬は名前を
T・Jと言って、クラスの美少女神崎里美ちゃんがとっても可愛がっている犬である。
その里美ちゃんのブラジャーが6月のプール開きの日に盗まれる事件が起きてしまう。
ある理由からプールに行くのが遅れたぼくは、自分が犯人にされてしまうのではないかと
戦々恐々とするのだが・・・。


また読んじゃいました。ついつい図書館の本棚に蘇部作品を見つけると無意識のうちに手が
出る体質に・・・。なんだかんだで、この読書録、最も記事数が多いの蘇部さんかもしれない
・・・(瀬尾さんといい勝負か)。
今回もくだらないことで主人公アキラはあーだこーだ悩みます。そして稲妻先生はとんでも
ないアドバイスをしまくります。例えば家庭訪問に行ってアキラの歯磨きについて母親から
相談を受けた先生は、二分の歯磨きが苦痛だというアキラに一分ですみずみまで磨けば歯は
黄色くならないし息もくさくならない、などといい加減なことを言います。私からしてみれば、
一分で歯が綺麗に磨けるかー!!とツッコミたくなるのを必死で抑えねばなりませんでした。
また、遠足のバスで必ず吐き気を催すアキラとアキラの同級生・アヤノちゃんに、バスでは
なく、電車で行って別行動しようなどと提案します。そして当日、自分で言った待ち合わせ
時間にやって来ない稲妻先生を待ち続ける二人に無情にも雨が。そして、駅の事務所にかかって
来た稲妻先生からの電話は「今日は遠足に行かなくていいから帰ってお菓子食べて寝ろ」。
・・・こ、こんな無責任な先生がいていいのかー!!

・・・っていうツッコミが至る所で入れられます(笑)。
相変わらずほんっとにくだらない。でもそこがたまらない。だいたい、小学校で起きる事件が
ブラジャー盗難って・・・もう、蘇部さんしか考えつかないですよ。
ただ、今回稲妻先生の出番が少なかったのがちょっと寂しかったですね。でもブラジャー盗難
の件を丸く収めようと画策する辺りは、やっぱりすごい先生だ・・・と思わされてしまう自分が
なんとなく癪に障るのは何故だろう・・・(笑)。

今回はお気に入りのロクさんの意外な弱点と過去が明らかにされてちょっと嬉しかったです。
次が最終巻か~。図書館に置いてあるかなぁ。一体いつ借りられるのでしょう。

あ、相変わらずあとがきは面白いですよ。そこがメインといっても・・・あ、うそうそ(笑)。