ミステリ読書録

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フェルメール展 ~光の天才画家とデルフトの巨匠たち~

東京・上野 東京都美術館 < フェルメール展 ~光の天才画家とデルフトの巨匠たち~ >

現存する作品が三十数点しかない謎の天才画家、ヨハネス・フェルメールの真筆7点と、
同時代に活躍したデルフト派の画家たち、カレル・ファブリティウス、ピーテル・デ・ホーホ等
の名作を揃えた珠玉の作品展。


世間は夏休みだし絶対混む!と思って、朝一で着くように頑張って(休みにしては)早起きして
行ってきました。コロー展とはしごするつもりだったので、混み具合を考えてまずはフェルメール
の方へ。着いたのはそれでも10時15分くらいにはなってしまったのですが、あまり混雑は
なく、思ったよりもずっとじっくり鑑賞することができました。

まずはデルフト派の巨匠たちのデルフト教会やデルフトの風景画を観て、その細密さに目を
瞠りました。デルフト教会内部の絵も複数の画家が描いていて、その美しさにうっとり。
デルフト行ってみたい~~!!と悶えながら鑑賞しました。


すみません、これ、誰の絵か忘れました^^;多分出品リストを見る限り、ヘラルト・ハウクヘースト
ではないかと思うのですが(間違ってたら教えて下さい^^;)。デルフト教会の内部。
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デルフト派の画家で今回一番印象的だったのがカレル・ファブリティウスレンブラント
影響を受けた若手画家だったそうですが、デルフトの火薬爆発事故に巻き込まれて32歳の若さで
命を落とし、その作品もほとんどが失われてしまった為、現存する作品が大変少ないとか。
観ていると確かにレンブラントに似た雰囲気があり、細密でいて力強さを感じる絵で強く
惹かれるものがありました。特に素晴らしかったのが『歩哨』。項垂れる兵士のそばで
見守るように座る犬が印象的で構図に惹かれました。


カレル・ファブリティウス『歩哨』
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そしていよいよ真打登場!階段を登るとそこには・・・フェルメール
実は観るまで一体何点来ているのやらといぶかしんでいたのですが(前の展覧会の時は
確か2枚か3枚で肩透かしだった覚えがあるんで^^;)、7点も来ていたとはびっくり。
これだけ日本でフェルメールの真筆が揃うことはしばらくないのではないかと言われているらしい。
何せ、現存するのが30数点ですからね。よく7点も集めてきました。ただ、惜しむらくは
当初出展予定だった『絵画芸術』が状態の関係で出展禁止になってしまったこと。
ただし、その代わりに来た『手紙を書く夫人と召使い』が素晴らしい絵だったので
差し引きゼロという所でしょう。急遽決まったせいで葉書の許可が下りなかったそうで、
絵葉書が買えなかったのが返す返すも残念ではありますが・・・。



ヨハネス・フェルメール『手紙を書く夫人と召使い』
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ヨハネス・フェルメール『ディアナとニンフたち』
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ヨハネス・フェルメール『ワイングラスを持つ娘』
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ヨハネス・フェルメール『ヴァージナルの前に座る若い女
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とにかく、7点どれもが素晴らしい作品でした。他の画家とは絵のオーラが全く違う。
色彩、構図、人物の表情、繊細で細密な描写、全てが魅力的。
写真や画像で見るのとは全く違い、生の迫力はすさまじかったです。ただただ圧倒
されました。展示の仕方も親切で、一作品づつパーツごとに分かれて解説がしてあって
とてもわかりやすかった。パネルではなく、壁に直接解説の字が書いてあって字自体も大きい
ので読みやすくてよかったです。始めに絵を観て、それから解説をじっくり読んで、また絵に
戻る、を繰り返してじっくり鑑賞できました(多分ほとんどの人が同じような見かたを
したのではないかな~)。いや~幸せでした。観れてほんとに良かった。フェルメール
やっぱり稀代の天才だと思いましたね。しみじみと。

さすがに展覧会自体が強気で、チケット代も普通より高いし、葉書も一枚150円(8枚も
買ってしまったので痛かった^^;)。
まぁ、それだけの価値はある展覧会でした。フェルメールだけでなく、デルフト派の他の画家の
絵もどれもとても見ごたえがあって良かったですし。眼福眼福。
これだけのフェルメールの真筆が拝める作品展はこの先なかなかないのではないかなぁ。
これからの芸術の秋、是非観に行って欲しい展覧会です。
(~12/14(日)まで)




※コロー展はまた別途記事にする予定です。