ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

フィラデルフィア美術館展

東京・上野 東京都美術館 < フィラデルフィア美術館展 >

アメリカ・ペンシルバニア州南東部に位置する古都フィラデルフィア。独立100周年を
記念して行われた万博会場跡をそのまま美術館として生まれ変わらせたフィラデルフィア美術館
所蔵の20世紀を代表する画家による油彩画72点と彫刻5点計77点を展示。


チケットは随分前にもらっていたのですが、なかなか時間が取れずようやっと観て来ました。
平日だったせいもあってか、それ程混んでおらず、上野の割には比較的ゆっくりと観れました。

印象派の作品を中心に、20世紀の有名画家の絵がズラリ。入っていきなり展示されて
いたのが、カミーユ・コローの人物画。コローの風景画は大好きですが、人物画も結構
描いていたそう。でもほとんどがコローの死後に発見されたそうな。少しうつむき加減の
女性の表情はどことなく憂いを帯びた雰囲気。なかなか綺麗な絵ですが、人物よりも
後ろの木の枝の細密なタッチに結局目が行っちゃいました^^;


カミーユ・コロー < 泉のそばのジプシー娘 >
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彫刻ではやっぱりロダンの『考える人』、ドガの『14歳の小さな踊り子』が印象に
残りました。特にドガの踊り子の身体の線の美しさにはうっとり。チュチュ(バレエの
衣装)のスカートの部分と髪に結ばれているリボンが本物の布なのが凝っているな~と
思いました。




エドガー・ドガ < 14歳の小さな踊り子 >
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なんといっても、今回一の目玉と云っても過言でなく、輝きを放っていたのは、ルノワール
『ルグラン嬢の肖像』。いや~、可愛かったですねぇ。超美少女。ルノワールの人物画は
やっぱり心が和みますね。描く側の対象人物への愛情が溢れている気がして観ているこちらまで
嬉しくなります。母と観に行ったのですが、二人で「可愛い」を連発してました(笑)。







キュビスムはあまり好きではないけど、やっぱりピカソの『三人の音楽師』は良かったな。
なんだかくすりと笑っちゃうようなユーモアを感じる作品でした。




パブロ・ピカソ < 三人の音楽師 >
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あまりよく知らないけど印象に残ったのがパウル・クレーの『魚の魔術師』。昔クレヨンで
こんな手法の絵を描いたよな~と思いながら観ました(あれ、失礼!?)。描かれている
絵もとても意味深で幻想的で面白かった。童話の挿絵のようだな~と思いました。



パウル・クレー < 魚の魔術師 >
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シュルレアリスムで一番気になった作品はジョアン・ミロの『月に吠える犬』。
これこそ童話の世界を切り取ったかのような、なんだか可愛らしくてユーモアを感じる作品。
不思議な色彩の犬が月に向かって吠えている図なのかな。もともとは「そんなの知らないよ」
という言葉が書き添えてあったそう。犬の言葉なのか、月の言葉なのかはっきりしないけれど、
ちょっとすねた感じがおかしい。左側のはしごも意味深ですね~。



ジョアン・ミロ < 月に吠える犬 >
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最後のアメリカ美術のコーナーで異彩を放っていた一枚を紹介。ドロテア・タニングの
『誕生日』。手前にいる怪鳥ちっくな動物も気になりますが、女性のスカートの両脇について
いるトゲトゲの枝状のもの、よく観ると一つ一つ人間の形をしているのです。拡大しないと
わからないかもしれませんが^^;じっくり観察するとかなり気持ちワルイ絵です^^;
幻想小説怪奇小説の挿絵のようだな~と思いました。



ドロテア・タニング < 誕生日 >
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そして、アメリカ絵画と聞いたら、もしや、もしや・・・と期待していたら、最後の最後に
ありました!



この間のワイエス展ですっかりファンになった私。ここでも出会えて良かった~^^
ほんとに展示の一番最後の締めくくりに飾ってありました。画像が見つからなかったので
ご紹介できませんが、ワイエスらしい細密な牧歌的な風景画でした。絵葉書欲しかったのに
売ってなかった~(T_T)。

それにしても、絵葉書一枚150円は高すぎ!たまにこういう展覧会ありますけど、この
値段設定はどこから来てるんでしょうか・・・。100円に統一して欲しいよな~。
ぶつぶつ。



20世紀の有名画家がほぼ網羅されていると言っても良いくらい、錚々たるメンバーたちの
作品が目白押しでした。なかなか興味深い絵も多く、ゆったり観れたので良かったです^^



~12/24まで。