ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

加藤実秋「メゾン・ド・ポリス2 退職刑事とエリート警視」「メゾン・ド・ポリス3 退職刑事とテロリスト」

こんばんは。梅雨空が続きますね。今年は梅雨らしい梅雨の天気って感じがします。
最近から梅雨の年も結構ありましたからねぇ。梅雨明けもいつもより遅くなりそうですし。
九州の豪雨で野菜の高騰が心配・・・。夏野菜の季節なのになぁ。


今日も二冊ご紹介。

 

加藤実秋「メゾン・ド・ポリス2 退職刑事とエリート警視」(角川文庫)
ドラマ化されたのを機に読み逃していた2巻を予約し、ちょっと時期をはずして
新刊の3巻を予約。先に3巻が回って来てしまうという悲劇があったものの、
3巻は予約延長が出来たので延長している間に2巻が回って来て、無事順番通りに
読むことが出来ました(説明わかりづらっ)。
ドラマは結構ハマって観ていたので、各キャラクターのビジュアルはそのまんま
ドラマの配役通りをイメージして読んでしまいました。主人公のひよりと高畑充希
ちゃんはイメージぴったりって感じ。夏目の西島さんは原作ではもうちょっと年
行ってるイメージですけど。
今回も、メゾン・ド・ポリスのおじさんたちは、さまざまな事件に出張って大活躍。
退職したとはいえ、現職時代は優秀な警察官たちばかりですから、それぞれの
得意分野を駆使して事件解決に奔走します。ひよりとの関係も、前作よりも
よくなっている感じがしますね。いくつかの事件を一緒に解決したことによって、
ひよりの、おじさんたちに対する評価も大分変わったようです。今回、最終話では
ひよりの父親に関する事件も共に解決に乗り出します。父親の事件の真相自体は
意外なものではなかったけれど、父親の失踪後の身の上にはちょっと驚かされました。
いくら家族の為とはいえ、11年間も姿を見せずに一人でひっそりと生きて来たとは。
今回は元警視庁の科捜研にいた藤堂の元妻で、現監察係の杉岡も登場。元妻に猛烈
アプローチをする藤堂を、クールに袖にする杉岡との掛け合いも楽しかったです。
まぁ、こんなに女にだらしない夫だったら、三行半突きつけられても文句は言えない
だろうなぁ。ただ、その杉岡自身も不倫の末奪った立場だったというから、こっちは
こっちで問題アリとも云えるけども。
とはいえ、科捜研にいたころの藤堂が相当優秀だったのは、今回の事件でも随所で感じられ
ましたね。藤堂の現場での捜査のやり方を読んでいると、事件の捜査には科学的な考察
というのもとても大事なんだなぁというのがよくわかります。現場に残された血痕
ひとつをとっても、その形状によっていろんな呼び方があるというのも初めて知り、
勉強になりました。
もちろん、夏目さんの鋭い観察眼にも感心しましたけど。事件について集中して
考えたい時にアイロンをかけ始めるところが面白いですね。これはドラマでも
反映されてましたけど。西島さんが白シャツ着て真剣な顔でアイロンかけてる
姿には萌えました・・・むふ。
ひより行きつけのバーの店主・草介と夏目で揺れ動くひよりの女心の部分も
今後どうなって行くのやら。草介には何か裏がありそうな感じもするんです
けどね~。個人的には、夏目といい感じになって欲しいですけどね。バーの
常連ナナとひよりの、草介を巡るバトルも面白いですが。まぁ、ナナはひよりと
やり合うこと自体を楽しんでいるだけで、草介に本気になっているとは
思えないですけど。彼女の、酔っ払うといろんな方言が出て来るところが好きだなぁ。


加藤実秋「メゾン・ド・ポリス3 退職刑事とテロリスト」(角川文庫)
というわけで、続けて3巻を読みました。知らない間に2巻が出ていて、予約
しそこねていた訳ですが、ラストの解説を読んだところ、2巻と3巻の間は4ヶ月
しか空いてなかったらしい。ドラマ化に合わせて、刊行スピードを早めたのでしょうね。
図書館入荷ももしかしたら同じ時期だったのかも(文庫だから入荷自体単行本より
遅いと思うし)。
今回は、シリーズ初の長編。ひよりとメゾン・ド・ポリスのおじさんたちは、
爆弾テロリストと相対することに。長編だけに、事件のスケールが大きくなってますね。
テロを相手にするって辺り、似鳥さんの戦力外捜査官シリーズを思い出しちゃい
ましたけど。
今回の犯人たちのテロの理由には唖然。あまりの身勝手な考え方に、ちょっと
ついていけなかったです。こんな理由でテロを起こしたからって、日本だけじゃなく
全世界に水族館はあるし、何も変わるわけがないのに。驚いたのは、その理解不能
思考回路を持つ犯人に、賛同者が何人もいたことです。テロを起こして大惨事を
引き起こしたら、犠牲になる人だってたくさん出る筈なのに。宗教めいた洗脳
でもしたんだろうか。全く、理解出来なかった。唯一の救いは、迫田さんの息子、
保仁のことですね。何を考えているのかわからないところはあるけれど、悪い人
ではなさそうだと思っていたものの、ああいう展開になって、彼はどう絡んで来るん
だろう、と心配していたので。迫田さんとの関係も更に悪いものに変わってしまう
のだろうか、とか。まぁ、その辺りは杞憂に終わってほっとしましたけどね。
それにしても、ラストのひよりの行動にはひやひやさせられました。すごい勇気
ですよね。私なら絶対無理だ~~^^;;夏目さんの心配っぷりにはちょっとニヤニヤ
しちゃいましたけど。やっぱり、この二人はいい雰囲気になって行くのかな?
バーの店主、草介さんの意味深なバーの休業も気になりますけど。終盤で休業の理由を
本人が話していたけど、なんだか、どこまで信じていいのかって感じだし。ひよりを
イメージしたカクテルって、一体どんな味だったんだろうか。草介さんって、やっぱり
何か裏がありそうな感じするんですよねぇ。一体何者なんだろう。ドラマだと、全然
設定が違うキャラで登場していたんですよね(名前だけ一緒)。それとリンクして
いたとしたら、結構な裏がある筈なんだけどね。
まだまだシリーズは続くみたいなので、今後の展開を楽しみにしていたいと思います。