ミステリ読書録

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加藤実秋「メゾン・ド・ポリス6 退職刑事と引退大泥棒」(角川文庫)

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シリーズ第6弾。終盤読んでいて、あれ、もしかしてこれで最終巻?と思ったの

ですが、ネットの紹介ページでも完結編と書いてあったので、正しい認識だった

ようです。ちょっとさみしいなぁ。完結編ということで、いろんなことに決着が

ついたし、人間関係にも変化があったように思います。バー< ICE MOON>の店長

がああいう行動に出るとは思わなかったなぁ。最初に出て来た時は、単にひよりが

憧れていて、手が届かない人って位置づけの人だと思っていたから。バーの店長

なんて、いくらでも相手がいそうですしねぇ。でも、彼がそういう行動に出てくれた

おかげで、惣一郎との距離も縮まることが出来たとも言えるのかなぁ。お互いに

意識しているくせに、途中あまりにも言動がズレまくっているから、本当にじれった

かったです。ま、最後は収まるところに収まって良かった、良かった。

紬ちゃん誘拐事件に関しては、ちょっと解決に時間かかりすぎじゃないでしょうか。

なんか、途中すごくまどろっこしい展開が続いて、全然解決する気配がないから、

その間ずっと捉えられたままの紬ちゃんの精神状態が心配になりました・・・。

途中みんなそれぞれにだらだらと捜査するものだから、かなり中だるみした印象

でした。

誘拐ものは、もう少し緊迫感が欲しいものだけど、おじさんたちののほほんとした

キャラでそれもあまり感じられなかったし。このシリーズと誘拐ものはあんまり

合わないんじゃないかな、と思いましたね。最後なのに^^;

泥棒集団・忍び団のメンバーたちのキャラはそれぞれに個性的で良かったですけどね。

メゾン・ド・ポリスのおじさんたちとの関係もいい感じでしたし。年齢的に

ちょうど合いますしね。若いひよりは振り回されて大変そうでしたが。それにしても、

ひよりの異動には驚きました。ひよりはおじさんたちとの捜査を選ぶのかな、と

思ったりもしたんですが、やっぱりどこまで行っても彼女は刑事なんですね。

新しい職場に行っても、持ち前のバイタリティと、溢れるやる気で活躍出来る

でしょう。ちょっと寂しい気もしましたが。本当におじさんたちとはお別れなのかな、

と残念な気持ちもあったのですが、あのラストの感じだと、まだまだ彼らの繋がりは

切れそうにないですね。そもそも、惣一郎とは密に連絡取り合ってるみたいですしね。

これでひとまず完結だそうですが、そのうち、また新たな形で新章スタート、って

ことになりそうな気もするな。

ちなみに、惣一郎のビジュアルはやっぱり西島さんで読んじゃいました(もちろん、

ひよりは高畑充希ちゃん)。ドラマも続編またやってくれないかな~。