ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

太田忠司「やっぱりミステリなふたり」(幻冬舎文庫)

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氷の女王と呼ばれるクールビューティな刑事・景子とイラストレーターのイケメン夫

新太郎がタッグを組んで事件を解決する大好きなシリーズの最新作。

文庫だからもしかして過去に読んだ単行本の文庫化作品かも?とも危惧したんですが、

ちゃんと新作でした。文庫で出るようになったんですね~。このシリーズも

出版形態が定まらないなぁ。幻冬舎文庫でシリーズを引き継いだ形なんですかね。

今回は七編が収録されています。一作ごとのミステリ度はさほど高くないですが、

景子さんの、仕事場での姿とは正反対の新太郎に対するデレデレっぷりや、新太郎

のクオリティの高いお料理を景子さんが美味しそうに食べるシーン読んでるだけ

でも楽しい。

二人がどうやって知り合ったのか覚えてないんだけど、どういう過程で恋に落ちて、

結婚に至ったのか、すごく気になるなぁ。

相変わらずの仲良し夫婦ですが、事件を通して夫婦のあり方について考える

場面なんかも出て来たりします。子作りに関する考えなんかも出て来ますし。

あれだけ景子が肉食なのに、子供が出来ないのが不思議でしょうがないの

ですけれど・・・^^;どちらかに原因があったりするのかしらん(余計な

お世話)。景子の仕事のことがあるから、敢えて作らないようにしてるのかな?

とも思っていたのだけど、そういう訳ではないと知って、ちょっとほっとした

ところもあるんですけどね。

それにしても、ほんとに新太郎はよく出来た旦那さんですよねぇ。子育てに

関する考え方も、夫としてはパーフェクトじゃないですか!?今どきの男性は

子育てに抵抗ない新太郎のようなタイプの人間も多いのかもしれませんが・・・。

景子さんの仕事が仕事なだけに、新太郎のような考えで受け止めてくれる男性は

一番有り難いのでは。しかも、景子さんが抱える難事件をさらっと解決してくれる

頭脳も持っているし。そして、何より、料理がプロ級!疲れて家に帰って来て、

レストランで出て来るような料理を作って待っててくれる旦那さん・・・さ、最高。

そりゃ、氷の女王も甘えたくなって当然ですよねー。

ラストの、新太郎が容疑者になってしまうお話は、今までとちょっと切り口が

変わっていて面白かったですね。なんとしてでも新太郎の容疑を晴らす!と

息巻く景子さんが頼もしかった(でも、結局推理は全部新太郎がしたけれど^^;)。

景子さんが周りから『デキる』と思われているのって、ほとんど新太郎のおかげ

のような気がしなくもないんだけど・・・ちょっとズルいような?^^;

まぁ、夫婦は持ちつ持たれつって言うし(新太郎のメリットは何なのかと言うと

・・・景子さんの美貌とか給料とか?)。お互い惚れまくっているんだから、

それでいいのでしょうね。

そろそろ二人の子供もできそうな気もするな。あの調子で仲良くしてるんだからね

ぇ・・・(下世話すぎ^^;;)。

子育てに関するお互いの意見も出て来たことだしね。コレ、伏線じゃないのかな?

子供が出来たら、新太郎はめちゃくちゃ子煩悩になりそうですよね。景子さんは

どんな母親になるんだろう。想像が出来ないぞ^^;

次回作も楽しみに待っていたいです。