ミステリ読書録

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永嶋恵美「泥棒猫リターンズ 泥棒猫ヒナコの事件簿」(徳間文庫)

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なんか、タイトルに覚えがあったので、てっきり読んでいるシリーズかと思って

借りたんですけど、未読だったみたいです・・・またも三作目から読むという

愚行を犯してしまった・・・。あちゃー。しかも、一作目から8年も経っている

設定らしい上、一話目の主人公はその時に小学生だった女の子が大人になって

登場する回という。読み始めてすぐに気がついたんだけど、まぁ、いいやと

読んでしまいました。

泥棒猫ヒナコというのは、男性と別れたがっている女性の依頼を受けて、その

男を横からかっさらう=泥棒猫をする仕事をしていることからついたあだ名。

なんか、いろいろツッコミ所もある設定だけれど、実際問題、こういう状況で

困っている女性は多いような気がする。別れさせ屋なんて職業もあるくらいだし。

別れさせ屋と違うのは、あくまでもヒナコさん(と相棒の楓さん)の場合は、

自分(たち)がその男性と接近して、恋愛感情を抱かせ、彼女から奪い取る、

というところ。別れさせ屋はいろんな手口で最終的に別れさせるのだろうから、

そこがちょっと違うところ(らしい)。

前二作を読んでいない為、なぜヒナコさんたちがこんな仕事をやっているのか、

その辺りはよくわからないのだけれど。見た目は可愛らしい女性なのだから、

こんな仕事してたら、いろいろ危ない目にも遭いそうだよなぁ。でも、困っている

女性を助ける為、綿密に計画を立てて依頼を遂行するところは、なんだか

かっこよかったです。

ただ、依頼は、自分自身の付き合っている人ではなく、他人が付き合っている

人を別れさせるパターンもあって、正直、そんなの余計なお世話じゃないか、と

思う話もありました。自分のエゴから、上手く行っている(であろう)恋人同士を

別れさせるなんて。結果として、その話は別れさせて良かったという結末に

なりましたけど。まぁ、いつの時代も、女性は恋愛が絡むと傲慢になるもの

なのだろうけれど。

しかし、一件の依頼につき報酬は一律10万円(別途諸経費がかかる場合も

あるらしいけれど)。それで、何日間もかかって(短ければ数日でしょうが、

厄介な案件の場合20日くらいの時もある)、これで会社として成り立って

いるのでしょうか。社員二人なので報酬は折半でしょうし。二人それぞれに

仕事を抱えていることも多いのかなぁ。大々的にオフィスの宣伝してる訳

でもないし、不動産仲介業の梨沙が窓口になって客を仲介してるみたいだけど

・・・梨沙とオフィスCATの関係もよくわからないしなぁ。これは、前二作を

きちんと読まねば。

彼氏がストーカー化して別れたい、とかそういうパターンは多そうですよね。

でも、ストーカー男やDV男を相手にするのはちょっと危険そうだけど。

どうしてこんな仕事をヒナコさんが始めたのか、そこの理由が気になります。

予約しなくちゃ。