『婚活１０００本ノック』や『ぬるま湯女子会、３８度』など、女性の現実を
リアルに（時には痛く＾＾；）描くのがお上手な南さんの新刊。タイトルが
面白そうだったので借りてみました。女性にとって、ダイエットというテーマは
永遠に興味があるものですからねっ（一部、全く関係ない羨ましい体質の方も
いらっしゃるとは思いますけれど＾＾；）。
当然私も、興味アリアリです。とはいっても、最近では一、二年に一度のペース
で行っている人間ドックくらいでしか体重は計ってないのですが。だってだって、
怖いんだもんっ。現実を知るのがっ。そもそも、小学校高学年～十代前半に
至って、結構ぷくぷくに肥えていた私は、基本的に太りやすい体質なんです。
だから、思春期で一番体重に敏感な十代後半から二十代前半は、常にダイエットを
意識して過ごしていた気がします。
今は定期的に運動しているのを免罪符にして（笑）、食事はきちんと摂っていますが。
結婚してから、栄養方面はより意識するようになりましたね。体型も二十代から
あんまり変わってない（もちろん、一番痩せていた時からは４，５キロ増えて
いると思うけど＾＾；）。でも、油断するとすぐに太っちゃう体質は変わって
いないので、定期的にジムで泳ぐようにして、気をつけてはいます。もう年齢が
年齢だしね・・・（しーん）。
おっと、前置きが長くてすみません。
ダイエット業界で『神』と呼ばれている叔母から頼まれて、彼女が営むダイエット
教室の手伝いをすることになった三十過ぎの童貞男・土肥恵太が主人公。恵太の
しごとは、教室を途中で退会した生徒たちを再加入させるよう呼びかけること。
手始めに、退会者リストの中で見かけた、前の職場の同僚だった小百合に
アプローチしてみようと思い立つ。しかし小百合からはストーカーめいた行為を
受けたりしたこともあり、因縁の相手だった。嫌な予感が過ったものの、
背に腹は代えられない、と連絡を取ってみることに。案の定再会した小百合は
プレデターの如くふてぶてしく不気味で、勝手な言動に振り回されっぱなし。
挙句の果てに、なぜか恵太の仕事を手伝うと言い出した。なし崩し的に小百合と
コンビを組んで仕事を始めることになり、痩せたいと願う女性たちと向き合う
うちに、恵太は痩せてきれいになることだけが幸せとは限らないことに気づいて
行く――。
いろんなタイプの太った女性が登場します。一話目に出て来た小百合のキャラが
とにかく強烈。プレデターとは言い得て妙な（笑）。小百合の思い込みが
激しくふてぶてしい性格は、最初嫌悪しか覚えなかったのに、話が進んで
行くうちに、なんとなく憎めないキャラになって行きました。まぁ、友達には
絶対なりたくないタイプではあるけど。ダイエット教室を途中で辞めたおデブ
さんたちは、みんなそれぞれに自分に甘く、結局食べる量もとんでもない。
そりゃ、あんな食生活してたら太るよ、って言いたくなりました。高カロリー
の食べ物を飲むように食べる様子は、正直想像するとあまり気持ちのいいもの
ではなかったです・・・。美味しそうには食べるんですけどね。その量がね。
もう、想像を絶するごとくに食べるんですよ！食べて食べて食べまくったり
するんです。大食い選手権か！ってツッコミたくなりましたよ（苦笑）。
大食いは大食いでも、ギャル曽根が食べる姿とかは気持ち良く観られるんです
けどねぇ・・・。
だって、バターを塊のまま食べるとかね。想像しただけで吐き気がしそうじゃない
ですか。もうなんか、同じ人間とは思えなかったです＾＾；
でも、そんなおデブちゃんたちと向き合って行くうちに、恵太の女性の趣味が
変わって行くところは興味深い。嫌い嫌いも好きのうちってやつでしょうか。
痩せた女性にしか興味がなかった恵太が、だんだん肥えていて良く食べる女性
の方に魅力を感じるようになって行く。外見だけで女性を判断していた恵太
が、この仕事を通じて少し成長出来た証なのかも？まぁ、恵太自身も流されやすい
性格だし、アホだし、思い込みが激しいところもあるから、自分に素直な太っちょ
さんにほだされるようになって行っただけかもしれませんが。どこまでもアホな
やつですね。だから童○なんでしょうね・・・って小百合の恵太への容赦ない
罵詈雑言がつい移ってしまったｗ
小百合と恵太はなんだかんだでいいコンビなんじゃないかと思いました。どっちも
どっちの性格で（苦笑）。
痩せたからって幸せになるとは限らないけれど、確実に健康にはなれると思う。
ここに出て来るリバウンド女子たちは、みんな太っていることに悩んだり苦しん
だりもしているけど、最終的には開き直ってそのままの体型でも人生幸せって
結論に達している人が多いように思う。でも、今はいいかもしれないけど、
そのままの食生活続けていたら、確実に病気になるんじゃないかな・・・。
やっぱり、ある程度の節制は必要だと思うけどな。ま、人の幸せなんて、その人
それぞれだけどね。
小百合の毒舌とか、途中ちょこちょこお下品な描写なんかも出て来るんですが、
からっとしていて、そんなに嫌味に感じない。ついついくすりと笑えるシーンも
たくさんあって、面白かったです。ちょっと下品過ぎて引いちゃう人は引いちゃうか
もですけど＾＾；私は南さんのあけすけな筆致、好きだな。
面白かったです。
